認知症予防は家族でケアが出来るのか?
認知症予防は家族でケアが出来るのか?

高齢者への支援のポイント

認知症は、誰にでも発症する可能性があります。現在は医療の進歩によって、薬物療法やリハビリテーションといったさまざまな方法で、治療を受けることができます。しかし、根本的に改善することは、難しいのが現状です。そのため、症状の浅いうちから、治療を受けることが求められています。早期発見と予防は非常に大切です。しかし、認知症を発見することは難しいため、家族のケアやサポートが必要になります。ここでは、認知症予防と家族のケアについて説明します。

家族のケアは認知症予防にとって重要なポイント

毎日の生活における家族の対応は、認知症の治療と同じくらい重要な役割をもっています。家族のなかには、認知症の高齢者の言動や行動に対して、驚く方も少なくありません。なかには、どなってしまったり、冷たい態度を取ってしまったりする方もいるようです。しかし、そのような対応は、認知症を患っている方を不安にさせるだけでなく、症状を悪化させてしまうこともあります。

そのため家族は、認知症の高齢者に対する対応の仕方について、注意することが求められます。認知症は、適切なケアによって、症状を緩和できる場合もあります。身近に接する家族のケアは、症状の進行に大きく影響を与えます。

ゆとりを持ってケアをする

認知症ケアで重要なポイントは、完璧な介護よりも穏やかな人間関係です。家族が認知症の疾患を理解したうえで、優しく接することが望ましいです。しかし家族のなかには、認知症の悪化が原因で徘徊する高齢者に対して、どなったり身体を拘束したりする方もいます。

認知症の患者に対してどう接したらいいかわからず、会話が上手に成り立たなかったり怒られたりするケースがあります。コミュニケーションのストレスが重なると、相手を傷つけてしまう言動や対応をしてしまうこともあります。このような態度は逆効果です。

認知症のケアは、家族がゆとりをもって行うことが大切です。相手の言うことを否定せずに、お互いに信頼関係を築けるように対応することが求められます。

家族が積極的に話しかけることで予防となる

認知症の予防方法の一つとして、家族が積極的に話しかけることがあげられます。なぜなら、積極的な会話によって脳をたくさん使うからです。会話を通じて自分の意見や言葉を考えることで、記憶に関わる海馬を働かせます。脳を使い続けることで、機能の低下を防ぐことが可能です。また、会話をすることでストレス発散の効果が期待できます。ストレスは、脳の神経細胞にダメージを与えてしまいます。会話をすることで、ストレスを発散させることもできるとともに、認知症の予防につながります。また、円滑なコミュニケーションが行えるきっかけにもなるでしょう。

家族間の会話は、心の安定につながります。相手の気持ちを知るとともに、自分の気持ちを伝えることができるからです。また、会話の回数を増やすことは、信頼関係を構築するうえでも重要です。お互いに抱えている不安や悩みは、直接話すことで解消されるケースがあります。

認知症予防でもっとも大切なこととは

認知症予防において大切なことは、症状の早期発見です。早期に発見することで、症状の軽いうちに進行を止めることができます。また、早い段階で認知症を把握すれば、本人の意思を尊重したケアをすることができるでしょう。

認知症の症状が進行すると、家族の負担は大きくなる傾向があります。また、身体的な面だけでなく、経済的にも負担がかかります。認知症の症状が進行する前に症状を発見することで、早期治療につながり、お互いの負担が軽減できます。会話や行動のなかで、些細な変化でも感じたら、まずは医師に相談すると安心です。