介護時におけるおむつ交換の手順は?NG例や利用できる助成制度も紹介

介護中の生活

この記事では、介護時のおむつ交換の手順やNG例、さらには助成制度なども解説します。

介護を必要とする方へのおむつ交換は、慎重な手順と配慮が必要な大切なケアの1つです。しかし、正しい方法を知らずに実施すると肌トラブルや不快感を引き起こすおそれがあります。

また、介護を実施する家族や介護者にとって、経済的な負担も大きな課題です。この記事では、おむつにかかる費用を軽減できる助成制度も紹介するので、ぜひ最後までお付き合いください。

【この記事でわかること】

● 介護時におけるおむつ交換の事前準備

● 介護時におけるおむつ交換の手順

● 介護時におけるおむつ交換のNG例

● 介護時は自治体ごとの紙おむつ助成制度の利用がおすすめ

介護時におけるおむつ交換の事前準備

おむつ交換に手間取ると肌を露出する時間が長引くため、被介護者が寒さや羞恥心を抱く原因となります。スムーズにおむつを交換するためには、環境調整が重要です。

介護時におけるおむつ交換の事前準備は以下の通りです。

  • ベッドの高さを調整する
  • 必要な物を整理・用意する
  • 使い捨ての手袋を着用する
  • 処理後の置き場所を確保する

順番に解説していきます。

ベッドの高さを調整する

介護でおむつ交換を実施する場面は、1日に複数回あります。中腰で介助を実施すると腰に負担がかかるため、頻繁に腰を痛めることで腰痛を起こすリスクがあります。

腰への負担を和らげるためには、ベッドの高さを調整できる介護用ベッドの導入がおすすめです。腰を曲げない高さに調整すると、中腰になって前かがみの姿勢をとる必要がありません。

腰痛予防だけでなく、作業効率の向上にも役立つでしょう。

必要な物を整理・用意する

おむつ交換の前に必要な物品を準備しておき、使いやすい場所に設置しましょう。

必要な物品の例は、主に以下の通りです。

  • テープタイプのおむつ
  • 尿とりパッド
  • 使い捨ての手袋
  • おしりふきやウェットティッシュ
  • ケア用のシーツ
  • ぬるま湯の入ったボトル
  • 汚れに応じて泡タイプのボディソープ

ケア用のシーツは、便でベッドシーツが汚れたり、お湯で濡れたりするのを防ぐために使用します。新聞紙やバスタオルなど、自宅にあるもので代用しても構いません。

また、おむつはフィットしやすくなるように広げておき、ギャザーをしっかり立てておきましょう。あらかじめ、おむつに尿とりパッドを重ねておくと、着用時にスムーズです。

使い捨ての手袋を着用する

おむつ交換の際は、排せつ物の付着したおむつに触れるため、素手で実施するのは避けましょう。特に、排便コントロールのために下剤を服用している方は、大量に排便したあとでおむつ交換するケースも少なくありません。

使い捨ての手袋を着用することで、手指の清潔を保てます。

また、排せつ物が付着したり、陰部洗浄を行ったりしたあとは、新しい手袋に替えましょう。新しいおむつに替えるタイミングで不潔な手袋を着用したままでいると、新しいおむつや衣類が汚れてしまいます。

汚染を拡大しないためにも、清潔・不潔を見極めながら作業を進めることが大切です。衣類が汚れることを心配している方は、介護用の使い捨てエプロンを取り入れると良いでしょう。

処理後の置き場所を確保する

使用済みのおむつや、おしりふきの置き場所に悩んでしまう方は少なくありません。注意点として、被介護者の枕元やベッド上には置かないようにしてください。

床の上に新聞紙を敷いたビニール袋を置き、その中に入れましょう。ビニール袋を縛れば、そのまますぐに捨てられるので後片付けに便利です。

介護時におけるおむつ交換の手順

おむつ交換の手順をしっかり把握しておかないと、介助中に手間取って時間がかかってしまいます。介護時におけるおむつ交換の手順は以下の通りです。

  • 陰部・臀部を清潔に保つ
  • 古いおむつを外す
  • 新しいおむつを着用させる
  • おむつ交換後の環境調整を実施する

順番に見ていきましょう。

STEP1.陰部・臀部を清潔に保つ

まずは、被介護者の陰部・臀部を清潔に保ちましょう。具体的な方法は、以下の通りです。

  1. 介護者は介護用エプロン・使い捨て手袋を着用する
  2. おむつを広げたら、横向きになってもらい、陰部・臀部をウェットシートで拭き取る

原則として、1日1回ぬるま湯をかけて泡状のボディソープで洗浄することが重要です。便失禁などによる汚れがひどい場合も、同様の方法で洗浄しましょう。

STEP2.古いおむつを外す

次に、被介護者が着用していたおむつを外しましょう。具体的な方法は、以下の通りです。

  1. 汚れたおむつを内側に丸め、臀部の下に入れこむ
  2. 新しいおむつ・尿とりパッドを身体の中心に合わせてあてがい、汚れたおむつの下に差しこむ
  3. ゆっくり反対側を向いてもらい、汚れたおむつを取り出す

汚染を拡大させないためにも、汚れたおむつは注意して取り扱いましょう。

STEP3.新しいおむつを着用させる

次に、新しいおむつを被介護者に着用させましょう。具体的な方法は、以下の通りです。

  1. 不潔なおむつはベッド下に確保しておいたスペースに捨てる
  2. 新しいおむつを広げたら仰向けになってもらう
  3. おむつの下側のテープは斜め上、上側のテープは斜め下に向けて貼る

仰向けにする際は、被介護者の協力も得ながら行いましょう。

STEP4.おむつ交換後の環境調整を実施する

最後に、おむつ交換後の環境調整を行いましょう。具体的な方法は、以下の通りです。

  1. 汚れたおむつ類はビニール袋の口を縛って処分する
  2. エプロンや手袋を外し、石鹸で手指を洗う
  3. 部屋の窓やカーテンを開けて換気する

室内の臭いが強い場合、空気清浄機の使用もおすすめです。

介護時におけるおむつ交換のNG例

適切におむつを交換しなければ、かえって被介護者に不快感を与えたり、肌トラブルの原因になったりします。介護時におけるおむつ交換のNG例は以下の通りです。

  • おむつが身体にフィットしていない
  • 身体とおむつの中心がズレている
  • テープを平行に貼っている

順番に解説していきます。

おむつが身体にフィットしていない

身体にフィットしていないおむつは外れやすく、違和感や不快感が生じる原因になります。また、摩擦が生じることで肌トラブルや褥瘡(床ずれ)が起こりやすくなります。

お腹周りや脚周りに、指1本分のゆとりがあるか確認することが大切です。

身体とおむつの中心がズレている

身体とおむつの中心線がズレていると、おむつが身体に食いこみ褥瘡(床ずれ)のリスクが高まります。

また、ゆるんでいる足回りや腰の辺りからは、便・尿漏れが起こりやすいので注意が必要です。

便・尿漏れが起こると衣類やベッドシーツを替えなければならず、介護者の負担が増えてしまいます。

身体とおむつの中心線をしっかり合わせ、フィットさせてください。

テープを平行に貼っている

おむつのテープを平行に貼っていると、身体を動かした際におむつがずれやすくなります。

身体のサイズにしっかりフィットするよう、クロス状にテープを貼ると良いでしょう。

また、フィット感を高めるには、左右対称に貼られていることも重要です。

介護時は自治体ごとの紙おむつ助成制度の利用がおすすめ

おむつや尿とりパッドといった消耗品は、使用頻度が高いので、介護者の経済的な負担が大きくなりやすい傾向にあります。

そのため、各自治体で設けられている紙おむつの助成制度を利用すると良いでしょう。

地域 助成制度
大阪府大阪市 給付の対象となる介護用品(1ヶ月あたり6,500円)と交換できる給付券を交付
東京都世田谷区 要介護3~5の方を対象に、おむつ(月額5,000円限度)を支給
福岡県福岡市 要介護3~5の方を対象に、おむつを定期的に配送

ただし、助成制度の内容だけではなく、条件も自治体によって異なります。助成制度の有無や詳細は、自治体の窓口に問い合わせることをおすすめします。

介護時のおむつ交換に関するよくある質問

ここでは、介護時のおむつ交換に関するよくある質問を紹介します。

  • 在宅介護でおむつ交換の回数はどれくらい?
  • おむつ交換で被介護者が暴れる場合はどうすればいい?
  • 高齢者によるおむつの使用で起こりうるトラブルは?

順番に回答していきます。

在宅介護でおむつ交換の回数はどれくらい?

排せつケアは1日の中で最も回数が多いとされており、1日5〜10回以上になるケースが多くあります。ただし、交換の間隔や頻度は、排尿量やおむつが吸収できる尿量によって変わります。

吸収量の多いおむつであれば、交換の頻度を抑えられるので、必要に応じてメーカーの変更も視野に入れてください。

また、夜間のオムツ替えは介護者の寝不足や疲労のリスクがあります。万が一、在宅介護でおむつ交換を負担に感じるのであれば、介護サービスの活用を検討しましょう。「夜間対応型訪問介護」や「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」であれば、夜間も対応してもらえます。

日中にしっかり休息をとりたい場合、デイサービスやショートステイの利用がおすすめです。

おむつ交換で被介護者が暴れる場合はどうすればいい?

被介護者が介助を拒否したり、暴れたりするのには何かしらの理由があります。

おむつ交換では、羞恥心から拒否が強まってしまうケースが少なくありません。多くの被介護者は、排せつに失敗したことで恥ずかしさや不安を感じています。

おむつ交換を急かさず、「おむつを替えましょうか」や「汚れたままだと気持ちが悪いですね」といった言葉をかけて、被介護者の気持ちに寄り添いましょう。

強く拒否される場合は、気持ちが落ち着くまで待つのも有効な手段の1つです。

また、中には腹痛や便秘、お腹の張りなどの体調不良を抱えている場合もあります。普段から様子をよく観察しておくと、健康状態を把握しやすいでしょう。

高齢者によるおむつの使用で起こりうるトラブルは?

おむつを着用していると、蒸れや排せつ物の付着などによって肌トラブルのリスクが高まります。特に、お尻の骨が突出した部分は、体重がかかって褥瘡(床ずれ)が生じるケースが多くあります。

おむつ交換の際は、褥瘡(床ずれ)の兆候である発赤がないか観察しましょう。必要に応じて、ワセリンや皮膚保護材の使用を検討してください。

また、肌トラブルを予防するには、適切なスキンケアを取り入れることも大切です。過剰な陰部洗浄はドライスキンの原因となるので、1日1回にとどめましょう。

陰部の汚れはウェットシートで拭き取り、清潔を保つことが重要です。

介護時のおむつ交換は手際よく短時間で行おう

介護時に手際よくおむつを交換するには、事前準備を整えておくことが大切です。必要なものを手元に揃えておき、処理後の置き場所も確保しておきましょう。

また、おむつ交換は昼夜問わず複数回実施するため、介護者の睡眠不足や疲労のリスクがあります。負担が大きい場合は、介護サービスの導入も視野に入れてください。

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