高齢者への支援のポイント
要介護者のなかには、日常的なリハビリが必要な人もいます。しかし、老人ホームに入居することになった場合、リハビリを継続できるか心配になる人もいるでしょう。そこで、ここでは老人ホームに入居してもリハビリをきちんと行ってもらえるのかについて紹介します。
老人ホームはリハビリもしてくれるのか
老人ホームのなかにも「生活リハビリ」を重視した施設もあります。機能訓練指導員による集団での体操などを行い、生活向上のための機能訓練をしてくれるのです。主に生活リハビリ内容は「朝起きて顔を洗う」「トイレに行く」「食事をする」「人と話す」など、当たり前の生活を送ることとしています。こういった日常動作を続けることで、高齢者の寝たきりを防ぐ効果もあります。
そのため、入居前に通所リハビリをしていた人には向かない可能性もあるのです。しかし、病院と併設している施設はPT(理学療法士)やOT(作業療法士)がいる場合もあるため、通所リハビリと同様の内容が期待できます。病院併設ではなくても、知識を持った療法士がいれば可能です。
ただ、療法士はそれぞれ独立したやり方を持っているため、療法士が変わることで前回とまったく同じリハビリを行えるとは限りません。その理由として、療法士はそれぞれ考え方が違うからです。結論として「足のリハビリ」に至っても、筋肉の動きを重視するタイプ、運動量を重視するタイプなど人によって考え方が異なります。そのため、リハビリ内容が変わる場合もあります。
すべての老人ホームが受け入れが可能ではない
リハビリが必要な入居者の場合、すべての老人ホームが受け入れてくれるとは限りません。施設によってはリハビリに対応していない所もあるため、入居予定者がリハビリを必要とする場合は前もって施設に対応可否を問い合わせておくといいでしょう。
一般的に老人ホームで行われるものは「寝たきりにならないこと」を目的としており、専門的なリハビリを行ってくれる施設を探す方が難しいのが現状です。リハビリに強い施設を探す場合、自治体や役所に相談をしてみるのが得策でしょう。
リハビリに強い老人ホームもある
障害を持つ入居者におすすめしたいのは、リハビリに強い老人ホームです。一般的な老人ホームと比べると数も少ないうえに費用も高くなりますが、PT、OT、ST(言語聴覚士)がいるため安心して任せることができます。ただ、PT、ST、OTの3種の療法士がそろっているケースはほとんどありません。PT、STがいてもOTがいない場合やSTのみがいるという施設が多いのです。
ただ、人が多く集まる中心部ではすべての療法士がそろっていることを施設の強みとして、前面に出している老人ホームもあります。当然ながら、リハビリに強いということは他の施設よりも費用が高いと考えておきましょう。内容によって費用は変わってくるものですが、高い所だと1万円単位であがる場合もあります。
かかりつけの病院で指示書などを貰おう
今まで病院に通っていて、老人ホームに入居が決まっていた場合は病院でリハビリ計画書を貰って施設に提出してください。リハビリに強い老人ホームに入居して、施設でリハビリを引き継ぐ場合はそれまでにどのようなリハビリをしていたのか新しい療法士に知らせなくてはいけません。引き継ぎを行うことで、入居者に負担なく今まで同様に近いリハビリを行ってもらえるようになります。
ただ、リハビリがない施設に入居した場合は施設職員に付き添ってもらい、それまで同様にリハビリに通うことになります。その分の費用は施設入居費用とは別になるため注意しましょう。
障害を持つ人にとって、リハビリは毎日継続しなければいけないものです。1日休んだだけでも、かなり差が出てしまうため継続することが大切です。老人ホームでリハビリができれば、入居者も移動をせずに済むため負担も少なくなります。リハビリをしている人はなるべく施設内でリハビリができる老人ホームを選ぶといいでしょう。