高齢者への支援のポイント
近年は「伴侶動物」という言葉も注目を集めており、ペットと一緒に暮らしている高齢者も多くいます。「伴侶動物」とは、愛玩動物ではなくお互いに頼り頼られ生きていくものです。ここでは動物と一緒に老人ホームに入居できるのかについて紹介します。
ペット同伴で入居はできるのか
ペット同伴で老人ホームに入居ができるかは、施設次第になります。すべての施設がペット同伴の入居を認めているわけではありませんが「ペットと一緒に暮らせる」という特徴を前面に出している施設もあります。ペット同伴を許可していない施設でも、入居者以外に世話をする人がいない、など事情を話すことで許可をしてもらえる場合もあります。
ただ、全国的に見てもペット同伴で入居できる施設は少数派で人気なため、なかなか空室にならないようです。動物と一緒に入居を検討している人は、1ヵ所だけを見つけるのではなく、入居できなかったときのために複数のペット可施設を探しておきましょう。
ペット同伴の場合の費用とは
ペット同伴で老人ホームに入居する場合、家賃や光熱費、管理費、雑費の他に動物に関する費用も追加になります。こちらも施設によって変動がありますが、一般的に保証金や動物の管理費、動物病院診療代、エサ、ペットシーツの費用が追加されると考えましょう。
動物の世話をするのは入居者なのに、なぜ保証金や管理費が必要になるのかというと、動物が施設内のものを壊した場合や部屋を汚した場合の清掃費や修理費として、保証金を前払いしておく必要があるようです。管理費についても、施設内で動物を飼う以上は管理費を支払わなければいけません。
ペット同伴で入居できる理由とは
介護施設側が伴侶動物との生活が許可している理由として、認知症の進行を少しでも遅らせるためといわれています。なかには、自宅から離れて住み慣れない場所で生活をすることによって寂しさを強く感じる入居者もいます。そういった感情は認知症に繋がる可能性があるため、家族代わりの伴侶動物と暮らすことで意識をしっかりと保てるように働きかけるのです。
施設のなかには、動物とのふれあいに重要性を感じて、施設自体で犬や猫を飼っているところもあるようです。まだまだペットと一緒に暮らせる施設は少ないですが、これからどんどん増えていくことが予想されるため、同伴で入居したい場合は前もってペット可施設を探しておくといいでしょう。探し方が分からない場合は、自治体や役所に問い合わせてみましょう。
ペット同伴入居は何匹でも大丈夫か
動物と一緒に暮らせるからといって、何匹でもいいというわけではありません。一般的に、入居者が抱えられる小型タイプの動物を1匹までと決めている所がほとんどです。2匹、3匹となると入居者が面倒を見きれなくなり、スタッフの負担が大きくなるだけではなく入居者同士のトラブルにも繋がりかねないからです。
他にも施設内の移動時はキャリーやリードを使うなど、ペットに関する規約はさまざまです。犬の場合、無駄吠えが酷い場合は施設の管理場所にて、動物を一時保護する場合もあります。施設によって、ペット規約が変わってくるため、入居前に施設職員にNG事項について問い合わせておくことをおすすめします。
高齢者にとって、動物は欠かせない家族として世話をしている人もいます。そのため、施設側も動物と一緒に暮らすことを「治療」の一環として考えている所もあるようです。毎日の日常行動も動物がいれば「犬(猫)がお腹を空かせているから早く起きよう」など、すべての行動に動物を紐づけることができます。これは活動意欲にも繋がるため、現在ペット不可の施設も前向きに検討している所も少なくありません。