介護施設に入居中に病院に通った場合の治療費はどうなる?
介護施設に入居中に病院に通った場合の治療費はどうなる?

高齢者への支援のポイント

ご家族の方が介護施設に入居し、怪我や病気で病院に通うことになった場合、それは毎月支払っている施設費用から捻出されるのでしょうか?それとも実費となるのでしょうか?今回は、介護施設に入居している人が病院に通うときの治療費について紹介します。

基本的に病院費用は実費になる

基本的に、介護施設に入居していても、月額費用に病院費用は含まれていません。そのため、病院の費用はご家族の実費負担です。施設によっては「雑費」として毎月一定の金額を預かり、そのなかから支払っている場合もあります。しかし、他の費用で雑費を消費している場合は、ご家族へ病院代の支払いについて連絡する施設が多いようです。施設によって対応が異なるため、事前に緊急時の対応を確認しておきましょう。

病院に行くことが決まって預かっている費用で足りない場合、病院に行く前に家族に連絡が来ます。ただし、緊急の場合は病院に連れて行った後に事後報告を取る場合もあるようです。その場合は施設職員が連絡をして、家族の誰かが病院に来てもらうというケースもあります。

通院にかかる交通費や付き添い費も必要

病院に通う場合、治療費や薬代だけではなく交通費や付き添い費用も必要です。交通費に関しては、無償対応から時間割で計算された金額を請求するまで、さまざまなケースがあります。

付き添い費用についても、規定回数内は無償でそれ以降は有償対応の施設が多いようです。施設職員が付き添えない場合は、有料ヘルパーに依頼することになるため、若干割高になります。こういったことも考え、病院代は少し多めに考えておくといいでしょう。

特に、高齢者に多い脳梗塞などは検査なども必要です。病院代も一度で1万円近くになることがあります。たとえば、MRI検査は半年から1年に一度のペースです。重篤な症状が発覚しない限り、毎月多くの費用が掛かるわけではありません。

介護施設や老人ホームには提携医療機関がある

介護施設は高齢者が入居しているため、複数の医療機関と提携していることがほとんどです。施設入居前からのかかりつけの病院がある場合、施設と病院に相談をしましょう。

提携病院以外は、費用が割高になる場合もあるため、可能な限り提携病院に診てもらうことをおすすめします。施設の提携先の病院に通うメリットは、施設入居時に怪我や病気を患った場合、すぐに対応してもらえるのがメリットです。

ただし、長年のかかりつけの場合は、そちらの方がその人の状態に詳しいため、必ずしも提携先の病院に移動する必要はありません。この場合は、施設職員やかかりつけの病院と相談をして、どうすればいいかをアドバイスしてもらってください。

なじみの病院には通えるのか

施設入居者のなかには、なじみの病院に通いたいという人もいます。その場合、よほど遠方ではない限り通院は可能です。ただし、移動などで入居者の身体に負担がかかる、金銭的負担が大きくなる場合、施設側から提携先の病院に通うように勧められる場合もあります。他にも提携先の病院で対応している診療科目がないときは、別の病院に行くことも可能です。

なじみの病院から提携先の病院に移動する場合、きちんと診断書や引き継ぎに関する書類を作成してもらいましょう。かかっている年数が長ければ長いほど、医師はその人の特徴を分かっています。診察時に気をつけるべきことなど、丁寧に引き継ぐことでミスをなくすことができます。

介護施設に入居していても、病院代は実費負担となります。高齢者になれば病院に通うことも多くなるので、金銭的な負担が大きくなる場合もあるでしょう。事前に入居時のリスクを想定し、施設費用の他に医療費を別途用意しておくことが大切です。