介護施設のデイサービスの種類とできる運動
介護施設のデイサービスの種類とできる運動

高齢者への支援のポイント

高齢者にとって、運動をすることは、身体の機能や脳機能の低下を防ぐためにも重要なことです。そこで、介護施設の介護サービスを利用すると、運動の機会が生まれます。もし、ご家族が運動を始めたいと考えているなら、デイサービスの利用をすすめるといいでしょう。ここでは、デイサービスでできる運動や訓練についてご紹介します。

介護サービスは3種類

介護サービスには大きく3種類に分けることができます。居宅サービス、施設サービス、地域密着型サービスの3つです。それぞれの特徴を見てみましょう。

  • 居宅サービス
  • 在宅で介護をしている自宅に、ホームヘルパーなどが訪問してケアをします。デイサービスやショートステイなど、家族が介護できないときにご本人が施設に行き、介護を受けるサービスもあります。

  • 施設サービス
  • 特別養護老人ホームや介護老人保健施設など、介護施設に入居して介護を受けるサービスです。

  • 地域密着型サービス
  • 夜間対応型訪問介護、認知症対応型通所介護、グループホームなど、日常生活の中で自立をサポートするサービスです。

デイサービスの特徴

デイサービスは、日中に介護職員が家から施設までデイサービス施設利用者を送迎し、施設でさまざまな介護・ケアを行うサービスです。デイサービスでは、食事や入浴、健康状態のチェック、レクリエーション、機能訓練などを行う点は共通していますが、細かな内容は施設によって異なります。

デイサービスによっては、食事に季節感を出したり高級感のあるものを出したりと、食事内容にこだわることもあります。ほかにも、レクリエーションを充実させたり、体を動かす簡単なゲームやスポーツをしたり、絵画や俳句など芸術性のあるものに取り組んだりするなど、施設ごとにそのプログラムは多種多様です。

デイサービスに参加することは、介護者となるご家族の負担を軽減できる点がメリットでしょう。また、介護を受けている人からすると、自身の孤独感を軽減したり仲間とコミュニケーションをとったりする時間を設けられるので、心身の健康に好影響を与えられるのです。

デイサービスは機能訓練を受けられる

要介護1以上の認定を受けた人は、デイサービスで機能訓練を受けることができます。要介護1というのは、身だしなみや部屋の掃除をする際に見守りや手助けが必要で、立ち上がるときには支えが必要だが、排泄や食事はほとんど自分でできるという程度です。

デイサービスの機能訓練は、身体機能の維持・向上を目的としています。機能訓練を受ける人、それぞれの体の状態などに合わせて、いろいろなプログラムを用意しています。機能訓練は、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士、看護師、柔道福祉士、あん摩マッサージ指圧師や介護スタッフが指導してくれます。たとえば、歩行をスムーズにしたい、腕の筋力をつけたいといった希望や、一人でお風呂に入れるようになりたいといった生活機能の向上など、一人ひとりの目的に合わせた指導が特徴です。

機能訓練について

デイサービスの機能訓練では、個人の体の状態や希望に合わせた個別の訓練ができます。身体機能の維持や向上を目的とした機能訓練メニューは、筋力増強訓練、ストレッチ、筋緊張緩和、マシントレーニング、バランスの練習などです。また、疾病・疾患の状態維持・予防の機能訓練メニューには、咀嚼訓練、嚥下訓練、パーキンソン体操、認知症予防訓練などがあります。

高齢者の身体機能を維持・向上するためには、体を動かすことが必要です。デイサービスの機能訓練は、筋力をつける訓練や咀嚼訓練など、体の状態や希望に合わせた個別訓練をしてくれます。専門的知識を持つスタッフが指導してくれるので、ご家族の方へ利用を促してみるとよいでしょう。