介護施設の認知症患者の受け入れ体制とは
介護施設の認知症患者の受け入れ体制とは

高齢者への支援のポイント

家族が認知症を患った場合、介護施設に入居を検討する人も少なくありません。しかし、認知症患者を受け入れてもらえるか不安な人も多いはずです。今回は、認知症患者は施設に受け入れてもらえるかどうかについて紹介します。

認知症の度合いで受け入れが決まる

結論から言えば、認知症患者だからと言って施設への入居を断られるケースはほとんどありません。ほとんどとする理由は、認知症患者を受け入れない施設も若干あるからです。

ただし、入居できる施設の場合でも、その受け入れ体制は認知症の度合いによります。軽度から中度の症状なら大抵は入居の受け入れが認められますが、あまり症状がひどいときは断られてしまうケースがあるようです。

介護施設に入居を検討するタイミング

介護施設は常に空きがあるわけではなく、どちらかと言えば空きがある状態の方が珍しいのが現状です。しかし、ご家族の認知症が進行した場合、施設での介護をお願いしたいと考えるかもしれません。どの状態から入居を検討するのがよいでしょうか。

認知症は最初から症状が酷いわけではありません。最初は物忘れから始まるのがほとんどです。認知症の初期症状では在宅介護も難しくはありませんが、症状が進むにつれて厳しくなっていきます。症状が進んだときに施設入居を検討しても、すぐに入居が決まらないことが多いです。そのため、将来的に入居を検討するのであれば、認知症の症状が出始めた頃から考え始めましょう。

もちろん、認知症の症状が出たからといって、すぐに施設入居をしなければいけないわけではありません。症状が重くなる前から行動しておくことで、実際に在宅介護が厳しくなったとき、すぐ施設への入居をお願いできるからです。

ただし、あらかじめ相談をしていても、その前に入居者が決まってしまう場合もあります。もし、相談時に空き部屋がない場合は、事前に伝えておくと部屋が空いたときに連絡をもらえる施設もあるようです。

介護施設に入居させることで万全のケアができる

在宅介護の場合、ずっと家にいても家事などがあるため、ご家族が要介護者を常に看ることはできないと思います。認知症による徘徊などで、目を離した隙に家から出て行ってしまったというパターンも少なくありません。しかし、介護施設に入居させることで資格所有者である介護のプロが万全のケアをしますので、ご家族が安心できるのが最大のメリットです。どうしても在宅介護では対応に困る部分もありますが、施設では多くの認知症患者をみてきた介護のプロが臨機応変に対応します。

認知症の要介護者の行動や症状は、事前の予想や対策が難しいです。すぐに適切なケアができる介護のプロに任せた方が、ご家族はもちろん、要介護者にとっても良い場合があります。お願いする分の費用はかかってしまいますが、在宅介護と施設での介護のどちらが適しているかを家族内で相談して決めましょう。

認知症の度合いで費用が変わる場合もある

施設入居を検討したとき、気になるのは「費用」です。認知症の症状はさまざまで、物忘れがあるくらいの軽度のものから、徘徊や暴力を振るうなど重度のものもあります。

入居時の費用は、要介護者に対してどれだけ時間を割いているか、どの程度のケアが必要かで変わります。そのため、症状が軽い場合は大きな費用増加はありませんが、症状が重度だと費用が増額される場合もあります。施設入居前に、要介護者の認知症の度合いを職員に伝えて、どの程度の費用になるか大まかでも計算を出してもらった方がいいでしょう。

施設によっては、ナースコール1回が500円など、利用者が予想できない追加費用があるケースもあります。どのようなことに費用が加算されるのか、事前に把握しておくとよいでしょう。

予想外のこともあるので、ご家族の認知症の症状が重くなる前に施設入居を検討しましょう。認知症だからと言って必ず症状が重くなるわけではありませんが、早めに検討する方が要介護者や家族にとっても安心です。