高齢者への支援のポイント
介護施設費用は、決して安くはないため経済的に余裕がない人は支払いが困難になる場合もあります。近年は老後貧困という言葉も注目を集めており、入居後に費用が払えなくなることも珍しくないのです。今回は、もし介護施設費用が支払えなくなったらどうすればいいのかについて紹介します。
費用支払いが困難になったらどうするべきか
費用の支払いが困難になっても、離れて暮らす家族が少しでもサポートをしてくれれば金銭的負担は減ります。しかし、サポートするだけの余裕がない家族が多いのも事実です。介護施設は24時間体制で安全を保障しているため、費用は割高になりがちです。支払いが困難になったときは、介護体制の変更を検討しましょう。例えば、介護施設を退去して、家族で助け合いながらの在宅介護に切り替えるのも方法のひとつです。
とはいえ、在宅介護ができず介護施設に入居している人がほとんどであるため、施設介護から在宅介護に切り替えられる家庭は少ないのが現実です。しかし、施設介護から在宅介護に切り替えて、ヘルパーをお願いした方が費用を安くできるケースもあるため前向きに検討してみましょう。
費用を家族がサポートする
介護施設費用は、入居者や家族が負担しているケースがほとんどです。例えば費用を長男の家族が負担していた場合、他の兄弟に援助をしてもらえないか相談するのもいいでしょう。ひとりでは支払いきれない金額でも、それが半分にでもなれば負担は大きく軽減されます。兄弟が多い場合は、それぞれで負担することで支払い困難状態から脱することも可能となります。
一つの家庭で介護施設費用を賄っている場合は、他の家族にも相談をしてみましょう。お金が絡むことは「断られる」と悩んでいる人も多いのですが、相談をしてみると意外と快諾してもらえたというケースもあります。
費用が安い介護施設に移動を検討する
現在入居している介護施設の費用が支払えない場合、費用の安い介護施設に移動するのもひとつの方法です。ただ、介護施設自体、定期的に空きが出るわけではないためあまり現実的とは言えません。介護施設の移動を検討する場合は、支払いができなくなった時点ではなく「難しい」と感じた時点で別の施設を探し始めましょう。
家族が費用捻出している場合は、退去前に介護施設や自治体に相談しましょう。早めに相談することで、費用が払えなくなる前に施設移動が可能になる場合もあります。ただ、施設移動となった場合は再度頭金を支払う必要があるため、経済的な負担が一時的に大きくなるのがデメリットです。
生活保護制度を利用する
在宅介護も費用捻出も難しい場合は、公的制度の「生活保護」を活用する方法もあります。しかし、扶養能力がある家族がいる場合は受給できません。市役所も、生活保護受給前に要介護者の家族や兄弟などにも、支援ができないかという相談が行きます。その他にも、生活保護受給者が入所できる施設は選択肢が少ないため、要介護者の状態によっては施設探しが難航することもあります。受給までに時間がかかること、施設探しに時間がかかるため、実際に入居できるようになるのはかなり期間を要すると考えましょう。
施設探しなどで難航する場合は、ソーシャルワーカーやケアマネージャーに相談することで、施設を早く見つけられたり、改善策を一緒に考えてもらえたりするため、正直に話すことをおすすめします。
高齢者の貧困が注目を集め、介護施設費用の支払い困難についてもメディアで取り上げられることがあります。しかし、家族間でカバーをする、生活保護制度を活用する、などで経済的余裕がない人でも介護施設に入居することはできるのです。まずは、家族や自治体に相談をしてアドバイスを受けましょう。