高齢者への支援のポイント
年代問わず、めまいに悩んでいる方は少なくありません。高齢者の場合、転倒から大きな怪我に繋がる危険性も高く、注意が必要です。高齢者のめまいの特徴や症状、改善することによるメリットなどについて紹介します。
めまいの原因は耳か脳が関係している
高齢者の場合、めまいの原因を特定するのが難しいとされています。それは、加齢によって起こる耳鳴りや難聴など、いくつかの要因が混ざっていることが多いからです。また、他の病気の影響で、めまいのような症状が出ている可能性もあります。
めまいの原因は大きく分けて二つで、耳か脳に原因があります。70歳以上の高齢者の場合は、中枢性めまいが多いです。中枢性めまいは、小脳や脳幹といった中枢神経系によって引き起こされるものを指します。これらは、脳梗塞や脳出血、脳腫瘍などの病気の可能性もあるため、早めに受診をして治療をするようにしましょう。また、突発性難聴や中耳炎を後遺症もたらすリスクがあるため、早めに対応するようにしてください。
めまいの症状
症状には、ぐるぐる回る感じがするタイプ(回転性)や、体がふわふわしているような浮遊感のあるタイプがあります。なかには、足元がふらつき、人によくぶつかるという症状もあるようです。めまいの頻度が増えると、方向転換や姿勢を変えるときにバランスを崩し、転倒する危険性があります。病院でMRIなどの検査を受けても異常がないため、加齢によるものだと放置してしまう方もいらっしゃいます。安易に考えず、頻度が多いときは、医師に相談するようにしてください。
高齢者のめまいは、バランス感覚が失われて起きるケースが多いと言われています。年を重ねていくにつれて、体の機能は低下し、目や耳、足の裏など平衡機能に関連する器官が衰えていきます。さらに、筋力の減少によって運動機能も低下するため、ふらつきやすくなるのです。場合によっては、ベッドで過ごす時間が長くなることもあります。この状態が続くと、平衡機能がより衰えてしまうため、寝たきりになる可能性が高くなるといえるでしょう。
めまいを予防するために運動をする
めまいは、ストレスや風邪が関係している場合もあります。日頃から風邪予防やストレス発散をするようにしましょう。体を冷やさないようにする、外出する際はマスクをする、手洗い・うがいをするなどの予防をするようにしてください。趣味に打ち込んだり、カラオケをしたり、自分なりのストレス発散方法を見つけ、ストレスを溜めないようにしましょう。
高齢になると、疲れやすくなり、運動することが億劫に感じる方もいらっしゃいます。しかし、適度に体を動かすことは、健康な体を維持するために非常に大切です。
めまい予防だけでなく、他の病気の予防にも繋がります。道具がいらないウォーキングは、比較的に取り組みやすい運動です。ご自身に合った運動を行うようにしましょう。
めまいの治療法は血行をよくする
治療法としては、血行を良くすることがポイントです。めまいや神経の炎症を抑える薬を飲んだり、耳のむくみを取り除いたりして、血液の流れを改善します。また、リハビリによって、バランス感覚を調整することができます。確率としては高くありませんが、手術をして治療することもあるようです。
めまいの原因が病気であれば、病気の治療と並行して、めまいの治療を行います。高齢者のめまいは、重大な病気に繋がっている可能性もあるため、医師と相談しながら治療を進めていくようにしましょう。
めまいはふらつくことも多く、転倒などのリスクを伴います。高齢の場合、体を支える機能も低下しているため、危険な状態です。適度に運動をしたり、ストレスを発散したりすることで、予防に繋がります。症状が気になるようであれば、早めに医師の診断を受け、適切な治療を行いましょう。