足のむくみの高齢者の病気の正体と運動で改善
足のむくみの高齢者の病気の正体と運動で改善

高齢者への支援のポイント

寝たきりや運動不足の状態が続くと、むくみやすくなります。高齢者は、運動不足だけでなく、病気が原因でむくみができることもあるのです。むくみの原因や改善方法について確認していきましょう。

むくみには病気によるものがある

むくみができる理由は、皮膚の下の皮下組織に、余分な水分が溜まっているからです。むくみの原因はいくつかあり、高齢者は複数の要因が重なって発症する場合が多いです。なかには、病気が原因でむくみが起きているという方もいらっしゃいます。むくみを引き起こす病気には次のようなものがあります。

  • 体の両側にみられる場合
  • 心臓病、腎臓病、甲状腺機能低下症などの病気が挙げられます。上大静脈症候群、慢性静脈不全といった一部の障害によって、引き起こされている可能性もあるようです。また、漢方薬や糖尿病の治療などの薬が原因の場合もあります。

  • 体の片側、または一部にみられる場合
  • リンパ浮腫、深部静脈血栓症、慢性静脈不全などの病気があります。また、熱傷、外傷といった感染症の場合も考えられます。

むくみの治療方法

病気が原因の場合は、原因になっている病気の治療を優先して行いましょう。例えば、静脈不全の場合、静脈が逆流しないように弾性ストッキングを着用し、下肢を圧迫します。その治療と並行して、利尿薬を使用し、体内の余分な水分の排出を促します。

むくまないために同じ姿勢をしない

むくみを予防するには、同じ姿勢を長時間とらないことです。立ち仕事の場合は、定期的に足を曲げたり伸ばしたりする運動をしましょう。デスクワークが多い方は、筋力向上のために、1時間おきに起き上がる運動をするのもおすすめです。こまめに歩いたり、屈伸運動をしたりすると血行が良くなり、むくみ予防になります。

高齢者で寝たきりの場合は、背中や臀部に水が溜まりやすいです。定期的に体の向きを変えるようにしましょう。在宅で介護をしている場合は、体位交換用の器具などを利用すると負担が軽くなります。また、寝る際には、かかとの下から膝の裏あたりに、枕や座布団などを入れてみると良いでしょう。足元を少し高くすることで、むくみの軽減が期待できます。

足浴するのも効果あり

足浴は15分程度を目安に行いましょう。高齢者の体を冷やさず、体力を余分に消費しないようにすることが大切です。体が温まりすぎてしまうと、汗をかき、体温を奪われてしまいます。風邪を引かないように、汗をかきすぎない程度に行ってください。また、湯加減も調節が必要です。温度は39~42度と言われていますが、温度の感じ方には個人差があります。お湯が熱すぎないか確認をしましょう。また、足浴は食後すぐに行うと胃の働きが低下してしまいます。食後すぐに行うのは控えるようにしてください。

足浴をすることで、脚が温まり全身の血液の巡りが良くなります。老廃物の排泄がスムーズになることは、むくみの改善に繋がります。全身浴と比べると、心臓への負担も少ないため、高齢者におすすめです。衣服を着たままできるため、在宅介護でも気軽にできるのもメリットでしょう。

足浴には血行を良くするだけでなく、足の皮膚を清潔にする効果、リラックス効果もあります。皮膚を綺麗にすることで、感染症の予防になります。血行が良くなることで、副交感神経が刺激されるため、睡眠促進も見込めるでしょう。一緒にマッサージも行えば、効果を高めることができます。

むくみは、血行が悪くなり、余分な水分が溜まることで引き起こされます。高齢者の場合は、病気が原因で浮腫んでいる場合があるため、注意が必要です。予防するには、ストレッチを行い、長時間同じ姿勢で過ごすことを避けましょう。また、足浴はむくみの解消だけでなく、感染症の予防やリラックス効果も期待できます。高齢者に負荷がかからないよう、配慮して行ってください。