老人ホームはどんな服装が良い?服装の決まりや選び方を詳しく解説

介護中の生活

老人ホームには服装の規定はあるのか?という疑問は、意外と多い傾向にあります。
自宅でいつも着ているような服装で良いのか、それともしっかりと決められているのかは入居前に確認しておくことをおすすめします。
いつもの服装とちょっと違うだけでかなりメンタルに響くもの。
今回は、老人ホームでの服装や選び方を紹介していきます。

老人ホームの服装は自由

結論からいうと、服装に関しては入居者の自由です。
自宅でいつも着ている服装で構いません。
老人ホームに入居したらおしゃれが楽しめなくなるということはありませんので、自分が好む服を着ましょう。
人によっては入居後に周りが暗めな色をした服を着ている人が多いばかりに、周りに合わせてしまう人がいます。
そのせいで本来おしゃれ好きな人が我慢してしまうことがあるとのこと。
施設側的には特に指定しているわけではないので、遠慮する必要はありません。
自己表現は生活する上でとても大切なことです。

その中で入居者に多い服装はどんなのが挙げられるでしょうか。

おしゃれよりも利便性重視

入居者は利便性を重視した服装が多い傾向にあります。
もちろんおしゃれを取り入れた服装をしている人もいますが、基本的には介護のことを考えて「動きやすくて着脱しやすい服装」とのこと。
スウェットやパーカーといった、比較的ゆったりとした服装をしている人が多いです。
逆に少ないのは、スーツや着物といった動きに制限が出る服装。
少ないというより、ほぼ改まった服装をして生活している人はいません。
さらに利便性を考慮した服装ですので、洗濯時に邪魔になる過度な装飾が施された服も着ている人は少ない傾向にあります。
女性の場合は、裾が長いスカートよりも男性同様動きやすいパンツスタイルが基本で、服装の中にワンポイントを取り入れた服を着ている人もいます。

外出の際は体温調節できるように

室内で過ごす用の服とは別に、外出用の服を持っている人がほとんどです。
外出用の服装は、医療機関への通院はもちろん買い物やイベントのために着ていきます。
老人ホーム内では空調管理がしっかりしているので比較的ラフな恰好でも問題ありません。
ですが、高齢者の身体は体温調整が上手く機能しないこともあるので「軽めの羽織り」などがあると便利です。
老人ホームの中にはA棟やB棟と建物が分かれているところもあり、温度の変化が気になる時に最適です。
おしゃれをしつつ、体調のことも考え他服装選びがポイントです。

要介護度に合わせて服装を選ぶ

おしゃれをしつつ利便性も重視したいので、入居者の要介護度に合わせて服装を選ぶのがポイントです。
介護の度合いは人によって異なり、寝たきりや認知症を患っている患者や腕を挙げるなどある程度自立できる人もいます。
自分の介護度はこれくらいだからというのを把握し、行動範囲を阻害しない適切な服装を選びましょう。

立位もしくは座位を取ることが容易か

トップスを選ぶ際に、立ったり座ったりする運動に対して阻害しないかどうかはとても重要です。
脚に力が入りにくい人の場合、できるだけ身体に負担がかからないよう座って着替えたりするもの。
その際にわざわざ立たないと調整できないような服装は、老人ホームにおいて好ましくありません。
締め付けが強い服装も高齢者の行動を妨げる原因となるので、立位と座位の両方において動きやすいのが理想です。
おすすめはリハビリパンツで、ズボンの上げ下ろしが非常に簡単なのが大きな特徴。
車椅子生活をしている人でも足腰に負担がかからないので、日々の生活で着ている人は多い傾向にあります。

また、スウェットパンツも立位と座位の両方において着脱が容易です。
リハビリパンツやスウェットは部屋着として着ることが多いので、外出時はおしゃれを重視して女性ならスカートでも問題ありません。

両腕を上げることは容易か

腕が上がる人なら、パーカーやTシャツといった自分で被って着るタイプのものも服装の選択肢として挙げられます。
指も自由に動かせるようなら、ボタン式の服でも可能です。

逆に上半身の行動に制限がある人は、前開きができるシャツなどを組み合わせることで生活しやすくなります。
基本的に着替えにおいて介護を必要としない人は、ボタンやマジックテープなどの留め具を気にする必要はありません。

参考までに、留め具の材質の特徴は以下の通り。

留め具の材質 特徴
ボタン ・最も着脱に時間がかかる
・服が脱げにくい
スナップボタン ・介護スタッフが手伝いやすい
・立位や座位くらいでは外れにくい
マジックテープ ・最も着脱が容易
・洋服の繊維やほこりを巻き込みやすい
・破損しやすい

老人ホームでの服の管理

服は毎日着るものなので、どのくらい量が必要なのか分からない人は多いもの。
洗濯も行うのですが、洗濯頻度も老人ホームによって異なります。

どれくらいの服の量が必要?

おしゃれをする人だと服だけでなく、小物なども持って行きたいと考える人は多い傾向にあります。

ですが老人ホームは自宅よりも収納スペースの関係上、持っている服すべてを持ち込むことはできません。
老人ホームでは、1週間分の服があれば事足りるところが多いです。
老人ホームを見学した際に収納スペースの大きさや広さを確認しておきましょう。
季節によって服装は変化しますから、シーズンが変わる少し前にご家族が衣類を入れ替えるのもひとつの方法です。

老人ホームの洗濯頻度は?

1週間分の衣類があれば、週に1~2回の洗濯頻度でも問題ない量です。
老人ホームによっては、施設内で洗濯をするところもあれば、外部の業者に依頼をして洗濯を行う場合があります。
後者だと返却されるのに数日を要する場合があるので、施設側に要確認の上十分な量を持参しましょう。
入居見学や説明を受ける際に衣類についていわれることの方が多いので、その際に確認しておくことをおすすめします。

まとめ

老人ホームでの服装について紹介してきました。
いつもと変わらない服装でいることは、心身共にリラックスした状態のままをキープすることができます。
入院服のように老人ホーム側が服装を指定してくることはありませんので、安心して自分の好きな服を着ましょう。