介護中の生活
どの介護施設でも、高齢者のためのレクリエーションを用意しています。特に手先を使ったレクリエーションには、脳を活性化する働きがあり、認知症予防として取り入れている介護施設も少なくありません。具体的にどのようなものがあるのか、チェックしていきましょう。
手先を使うと脳が活性化する
手先・指先を使ったレクリエーションは、脳を刺激し、認知症予防に効果があります。高齢者に健康的な生活を送ってもらうためには、筋力を高める運動も大事ですが、同時に手先を使うレクリエーションを行い、脳を活性化させるトレーニングも必要になってくるのです。
高齢者の日常は、どうしても平坦なものになりがちです。刺激の少ない生活は、認知症を進行につながると言われています。レクリエーションで非日常的な時間を作り、手先を使って何かを創造するというのは、高齢者の心を明るく健やかにしてくれるでしょう。
指を使った体操と遊びで指を動かす
指を使った体操や指遊びは、広いスペースがなくても実施できることが大きなメリットです。座ったままでもできるので、車椅子の方も含め、多くの方が参加できるでしょう。指を使ったレクリエーションとしては、以下のようなものがあります。
- ①号令に合わせて指体操
- 両手をパーに開いたところから、スタッフの号令に合わせて指を1本1本曲げます。曲げるスピードに緩急をつけたり、ピースサインなどイレギュラーな動きを取り入れたりすることで、適度な刺激となるでしょう。
- ②歌に合わせて指遊び
- 「ずいずいずっころばし」や「お寺のおしょうさん」、「おせんべい焼けたかな」など、歌と言葉を交えた手遊びもおすすめです。童心に返り、子ども時代を思い出すことは、認知症予防が期待できるでしょう。
物作りをして達成感も感じることができる
物作りのレクリエーションは指先を動かすだけではなく、達成感を得ることもできます。たとえ簡単なものだったとしても、創造の喜びを感じることができます。また完成品は介護施設に飾ったり、家族へのプレゼントとして渡したりできるため、作った後も楽しめる点も魅力的です。
- ①お裁縫
- 針と糸を使った簡単な小物手芸は、特に女性の高齢者に人気です。小さなグループを作って作業を行えば、コミュニケーションの活性化にも役立ちます。
- ②陶芸
- 手先の不自由な高齢者でも、粘土をこねる作業は比較的取り組みやすく、完成品にも味わいとして反映されるでしょう。
- ③工作
- 糊、ハサミなどを使った工作も定番です。雛祭り、子どもの日、クリスマスなどの季節行事のオーナメントを作るのも良いでしょう。
お菓子作りも手先を動かす
お菓子作りも手先を動かすだけではなく、いくつかのプロセスを経て、ひとつのお菓子を作り上げるという達成感を味わうことができます。また、完成品をみんなで食べる楽しみもあり、人気の高いレクリエーションです。
ユニットケアを取り入れている介護施設では、お菓子作りだけでなく、献立の簡単な一品を作ることをレクリエーションとして行っていることもあります。自分が作った料理を誰かが食べて喜んでくれるというのは、高齢者のやりがいにも繋がります。
ユニットケアを取り入れている介護施設では、お菓子作りだけでなく、献立の簡単な一品を作ることをレクリエーションとして行っていることもあります。自分が作った料理を誰かが食べて喜んでくれるというのは、高齢者のやりがいにも繋がります。
このように、お菓子作りや料理作りなどのレクリエーションは、「誰かのためになっている」という高齢者の自尊心を満足させるものでもあります。これは高齢者の心の健康を守り、認知症予防にも大きな効果が期待できます。
手先を使ったレクリエーションは、日常動作を自分で行えるようにするための重要な活動です。達成感、創造の喜び、コミュニケーション欲求の充足、自尊心の満足などにも役立ちます。こういったレクリエーションは、認知症予防だけではなく、高齢者の心の健康を保ち、生きがいにもなっていることでしょう。