寝たきりの高齢者もできるレクリエーションとは

介護中の生活

寝たきりの高齢者に対して、生活の質を向上することは難しいのではないかと考える方もいらっしゃるでしょう。そのためには、レクリエーションが大きな役割を果たします。寝たきりの高齢者でもできる、レクリエーションについて解説しましょう。

ペーパーボール投げゲーム

ペーパーボール投げとは、新聞紙を丸めてボールにして箱に投げ入れるゲームのことを指します。紙製のボールは軽いため、寝たきりの人だけでなく、手先の不自由な人、車椅子の人など誰でも参加しやすいことが特徴です。

多くの方が楽しめる運動型のレクリエーションとしては、以下のゲームもおすすめです。

(1)グラグラ傘の玉入れ
新聞紙を丸めて作ったボールを、ダンボールに逆さまにして入れた傘の中に入れます。5対5などのチーム対抗戦にしても良いでしょう。
(2)ヒラヒラうちわで陣地送り
テーブルに紙片をばらまきます。うちわを使って、敵陣に紙片をたくさん送り込めた方の勝ちです。1対1で寝たきりの人同士の対戦とすることもできますし、健康な方と組んでダブルスにすることもできます。

音楽レクリエーションをする

音楽レクリエーションとは、歌ったり音楽鑑賞したり、リズムにあわせて脳トレゲームと組み合わせた運動をします。介護施設はもちろん、デイサービスでも定番となっています。音楽を用いたレクリエーションには次のような効果があるそうです。

(1)情緒の安定
音楽には鎮静と刺激の機能があります。怒りを静めるときは穏やかな音楽、気分が沈んだときには明るい音楽を聴くことで、それぞれの効果が期待できるでしょう。情緒の安定は、高齢者の悩みになっている不眠の解消にいいと言われています。
(2)孤独感からの開放
音楽レクリエーションは仲間と歌うことで、コミュニケーションの機会を増やします。寝たきりの人は、コミュニケーションの機会が少なくなりがちですが、音楽レクを行うことで孤独感から開放されるでしょう。
(3)脳の活性化
昔の懐かしい音楽を聴くことは、眠っていた記憶を蘇らせるため、脳の活性化になります。寝たきりの認知症の方でも表情が豊かになったり、意欲的になったりしたという報告もあります。

音楽レクリエーションをする場合は対象者について配慮を

寝たきりの方には、個別に音楽レクリエーションを行うこともあります。その際は、対象となる方の年齢、性格、曲の好みに加え、どのような音楽レクを希望しているのかを十分配慮するようにしましょう。

個別レクリエーションの後は、対象者からどんな反応が引き出せたのか、振り返りを行うことも大切です。寝たきりの方の場合は、何の反応も引き出せない結果に終わることもありますが、次回に活かせるよう前向きに受けとめましょう。

アロマ療法

アロマ療法とは、植物から抽出した精油を使って行う医療代替療法のひとつで、アロマセラピーの名称で知られています。精油の香り、精油を使ったマッサージなどは、寝たきりの方でも五感を刺激することができます。

副作用が少なく、誰でも簡単にできることから、アロマ療法を導入する介護施設が増えつつあります。精油の香りは脳への刺激になるので、介護施設以外に、小児科や産婦人科といった場所でも活用されています。

癒やし効果も高いアロマ療法なので、寝たきりの生活を送るストレスの緩和の可能性も考えられます。寝たきりになった高齢者の生活の質を高め、穏やかに過ごすことができるのが、アロマ療法と言えるでしょう。

寝たきりの方でも楽しめるレクリエーションは多くあります。健康な人と一緒に行うことで、寝たきりの方のストレス緩和につながるでしょう。またレクリエーションを行う際は、配慮することが大切になってきています。レクリエーションを上手に活用して、楽しく実施できるようにしましょう。