介護中でもトイレを快適に使う工夫とは
介護中でもトイレを快適に使う工夫とは

介護中の生活

介護面において、トイレの清潔さは必要不可欠です。要介護者は身体を上手く動かせない人も多く、便器や便座、床などを汚してしまう場合があります。そこで、どうすれば介護中でもトイレを清潔に保ち、快適に使えるかについて紹介します。

清潔に保つために汚れやすい床を対策

排泄の際、尿が飛び散った床は予想以上に汚れています。ニオイの原因にもなるうえに、雑菌の問題もあり、衛生的ではありません。暑さが増す夏場だと、余計にニオイはこもって不快に感じる人もいます。尿が壁に飛び散ってしまうと、汚れがしみ込んで掃除をしてもニオイだけが残ってしまう場合があるので注意しましょう。

汚れ対策として、マットを敷いている家庭も多いことでしょう。しかし、汚れ対策にマットを敷いていた場合、洗濯の手間もかかりますし、状況によっては1日に何度も洗うことになります。そうなると、あまり効率が良いとは言えないので、新聞紙や使い捨てマットを敷くことも一つの方法です。汚れたらすぐ捨てられますし、新聞を取っている家庭ではコストもかからないので経済的です。使い捨てマットについても、おむつ用の敷きパッドなどを利用するのもいいかもしれません。

着脱しやすい服を選ぶ

トイレを利用するとき、便器や床に飛び散らせてしまうのは衣類が合っていない可能性があります。手足の機能や視力低下によって、下着や衣類の着脱がスムーズに行えず、トイレの失敗に繋がってしまうのです。そこで、ウエストがゴムタイプになっていて着脱しやすいもの、マジックテープ式のもだと時間もかかりません。

トイレに行ったのに失敗をしてしまうということは、要介護者の自尊心を傷つけてしまう可能性があります。そういったことが起きると、きちんと間に合わせようという意欲が低下する可能性もあるので注意してください。過剰に手伝うのも良くありませんが「できない状態」を放置するのも良くないのです。

補助金が受けられるトイレグッズ

足腰の筋肉が衰えて、トイレまで時間がかかりやすい場合は腰かけ便座やポータブルトイレの利用を検討してみてはいかがでしょうか。介護用品なので決して安い金額ではありませんが、介護保険を利用することで1割負担の金額で購入できる場合があります。

ただし、介護保険を利用するには要支援・要介護認定を受ける必要があります。条件はやや厳しいものもあるかもしれませんが、要介護者がいる家庭ではほとんどの人が認定を受けているのではないでしょうか。他にも自治体によっては、介護保険以外の補助金制度が設けられている場合、地域包括センターや自治体に相談してみましょう。

トイレのリフォームも一つの手段

トイレは「健康な人」を対象にしている部分もあるので、要介護者にとっては使いにくい所が多々あります。そこで、要介護者がトイレを快適に使える工夫として、トイレのリフォームを検討するのもひとつの方法です。ポータブルトイレなどのように補助金を受けることができる場合もあります。介護保険や補助金制度を活用する際には、担当のケアマネージャーに相談してみましょう。

トイレ内に手すりをつける、バリアフリーにするなど要介護者のことを考えたリフォームをすることでトイレが快適な空間になります。使いにくいトイレのままだと、要介護者にとっても、介護をする人にとってもメリットがありません。

身体の不自由がない人にとっては、特別変わりのないトイレであっても要介護者にとってはそうではありません。ちょっとした段差でも、要介護者にとってはつらい場合があるのです。自分は大丈夫だから、という自分基準にせず、要介護者を基準とした工夫をして行きましょう。