老人ホームではどんなトラブルがある?事前に把握してトラブルを避けるためには

介護の問題・トラブル

老人ホーム・介護施設では、介護サービスや費用、人間関係のトラブルなどが多く発生しているのが実情です。
なぜなら、入居時に多額の金銭が必要だったり、入居者が高齢なため急な長期入院などが発生したりするからです。

このようなトラブルを避けるためには、契約前に疑問や不安を全て解消しておくことが必要です。
この記事では、実際のトラブル事例や契約前に何を確認すれば良いのかをお伝えします。

長期入院が原因で退去を迫られてしまう

施設に入居いていても、病院での長期入院が必要になるケースはよくあります。
これは、施設では病院と同じような医療・看護サービスが受けられないからです。
入院が数ヶ月など長引く場合、施設側から部屋の退去を迫られる場合があります。

トラブルを避けるためには、施設見学・契約の際に途中退去の条件を確認しておく必要があります。
「重要事項説明書」や「契約書」に記載されているので、しっかり説明を受け、疑問点を解消してから入居しましょう。

退去の際の返金額が少ない

高額な入居一時金を支払って入居したにも関わらず、病院での入院が長引くと、施設側から退去を迫られることがあります。
入居してすぐに退去しなければならなくなった場合に、「入居一時金の返還が少ない」などトラブルなることがあります。

このようなトラブルを避けるためには、入居一時金の償却期間や償却率、退去時にどれくらい返金してもらえるのかを契約前に確認しておきましょう。
これらの金額は施設によって異なるため、しっかりと比較検討しておくことが大切です。
最近ではトラブルを避けるために、入居一時金を廃止している施設も増えてきています。

不必要な介護サービスが行われてしまう

介護施設にとって、入居者個々人の状況に合わせて介護をすることは、個別確認が必要になり手間がかかってしまいます。
全員に一律の介護サービスを行う方が、流れ作業のように取り組め、逆に人員も少なく済むのです。
その結果、職員の人件費を減らすことができ、介護報酬も高くなります。

しかし、入居者によっては自分でできていたことができなくなってしまい、要介護度が上がってしまう可能性もあります。

このようなトラブルを避けるためには、入居者それぞれに合った介護サービスを提供しているのかをあらかじめ把握しておくことが大切です。
契約する前に、入居者一人ひとりにどのように応対しているのかをヒアリングしておきましょう。

パンフレットの月額費用と請求額が違う

パンフレットに記載されている月額費用と、実際の請求額が違うことはよくあります。
これは、オムツ代やその他日用品、レクレーションの追加参加料などの利用者ごとに異なる費用が加算されているからです。

金銭トラブルを避けるためには、まず月額費用に含まれるサービス内容が施設によって異なることを理解しておきましょう。
施設見学時や契約前に、パンフレットに記載されている費用の内訳と、実際は何の費用がどのくらい追加で発生する可能性があるのかを、詳しく聞いておくと安心です。

契約内容とサービス内容が異なっている

介護サービスの内容が、あらかじめ聞いていた情報やパンフレットと異なるというトラブルも発生しています。
具体的には、介護サービスを行うスタッフの人員が足りていない、入浴回数が契約時の回数よりも少ない、事前に聞いていたデイサービスを利用できていないなどです。

人員不足であったとしても、偽りの情報を提示して入居に結びつけるのは明らかな契約違反です。事前に確認をした時に曖昧な返答をされた場合、しっかりと具体的な内容まで聞き、メモを取っておきましょう。

施設側と認識の差を無くすためには、体験入居などを利用して、スタッフの行うサービス内容やスタッフと入居者との関係性、施設長やスタッフの人柄などをチェックする方法が確実です。

もしこのようなトラブルが発生した場合、弁護士を通して施設側と戦うことも可能ですので、明確な証拠を残しておきましょう。

人間関係のトラブル

人が集まるところにはどうしても人間関係のトラブルはつきもの。
学校や職場などと同じく、老人ホームも例外ではありません。
一般的に、年齢を重ねると頑固になる傾向があると言われているため、老人ホームでは対人トラブルが起こりやすいとされています。

トラブルの内容としては、ほかの入居者からの陰口、仲間外れ、金銭の貸し借り、恋愛のもつれ、家庭環境への嫉妬など多岐にわたります。
また、認知症が進行した入居者がいる場合、他の入居者を泥棒扱いしたり、勝手に部屋に入り込んだり、暴言や暴力をはたらくケースもあります。

もし、このような問題が発生した場合は、すぐに信頼できる職員に相談しましょう。
早目に相談することで、施設側も当事者同士を遠ざけたり、時間をずらして会わないように工夫したりするなど迅速に対応でき、円満に事態を収めやすくなります。
トラブルによって本人が深く傷いてしまうことは避けたいものです。

このようなトラブルを避けるためにも、契約前に入居者同士のトラブル事例について直接質問しておきましょう。
具体的な事例や対処法について、明確に説明ができる施設は安心することができます。

逆に、返答が曖昧だったり職員が把握していなかったりする施設は、入居者同士のトラブルが発生してもあまり関わってくれない可能性もあります。