高齢者の介護問題とは?

介護の問題・トラブル

老老介護や認認介護といった高齢者の介護における問題点は、近年増加傾向にあります。今後はさらに介護を受けなければならない人も増えていきます。それは、今後介護の必要が出てくる家族だけではなく、自分の将来にも直結する問題です。ここでは高齢者の介護における問題点と解決策について紹介します。

老老介護の問題点とは

65歳以上の夫(妻)が65歳以上の妻(夫)の介護を行うことを、老老介護と呼びます。老老介護は夫婦だけではなく、高齢同士の兄弟・姉妹が介護を行うケースや高齢の子どもがさらに高齢の親を介護するケースも老老介護と呼びます。自宅で介護を続けていくには、体力だけでなく精神的にも大きな負担がかかります。それを高齢者が行うとなると、さらに大きなリスクがかかっています。

高齢になればなるほど、体力は少なくなります。負担の大きい入浴サポートは、高齢者同士の場合だとリスクが伴います。世話をしようとして介護者自身が転倒する危険性も増えるでしょう。思うように体を動かせない高齢者が、より体の不自由な高齢者の介護を行うことは、精神的にもストレスが蓄積されてしまいます。

外出をしなくなり気分も沈みがちになる

高齢者のなかには、体が自由に動かないことや体調がすぐれないことが理由で、外出するのが負担になる方も多くいます。家でテレビを観ていると体は楽でしょう。しかし、自宅に閉じこもりがちになると、筋力の低下によって体力がなくなります。また、体も凝り固まって免疫力が低下するため、病気や風邪もひきやすくなります。場合によっては、認知症も進行してしまいます。

健康を損ねると、気分も落ち込みやすくなります。気分が沈むと、物事を前向きに考えられなくなり、悪いことばかり考えてしまうケースが多くあります。介護をする方だけでなくされる方も、ネガティブな考えを持ってしまいます。

第三者に相談する

高齢者の中には、家族や子どもに迷惑をかけたくないと思う方も少なくありません。専門的な知識がないことを理由に、夫婦や一人だけで悩んでしまうケースも多くあります。しかし、一人で悩んでいても解決にはつながりません。家族に相談したくない方やできない方であれば、第三者に相談してみることをお勧めします。

相談を受け付けている窓口は、市役所の福祉課や高齢者相談窓口、地域包括センターといった専門の相談口があります。専門の相談窓口に連絡をすることで、情報収集や利用できるサービスについて知ることができます。家族に相談することはもちろんですが、各市町村や民間の介護施設でも、高齢者の介護問題について取り組みを行っています。気になった方は相談してみるといいでしょう。

介護から離れる時間を作るようにする

24時間ずっと介護をしていると、精神的にも追い詰められてしまいます。無理なく続けるには、介護から離れることも大切です。その場合は、ショートステイといった福祉サービスを利用するとよいでしょう。ショートステイでは、入浴や食事などの生活支援のほかにもレクリエーションを行うことで、利用者が楽しく過ごせる時間が提供できます。介護を受ける方もリラックスしながら楽しめるでしょう。

介護を続けていくためには、自分の時間をちゃんと持つようにしましょう。その時間を利用して、好きなことをしたり、体を休めたりすることでストレスを発散できます。

高齢者が高齢者を介護することは、時間的な問題や体力的な問題だけでなく、大きな危険性が伴います。介護者の負担を軽減するためには、専門の相談窓口に相談するようにしましょう。また、介護サービスの利用について相談してみること大切です。無理をしないためには、福祉サービスの利用で自分の自由な時間を持つことを心がけてください。