家族が抱える介護問題とは?

介護の問題・トラブル

介護を受けなければならない高齢者が増えていることを理由に、介護者が足りないことが問題となっています。加えて、家族間において、昔のように子どもが親の面倒をみるのが当たり前という認識が少なくなっています。しかし、高齢になれば家族であっても介護は必要です。その場合に家族はどのような対応をすればよいのでしょうか?家族が抱える介護問題について紹介します。

子供が老後の面倒をみてくれる時代ではなくなった

親と同居している家族は、昔と比べて減っています。お互いに離れて生活をした方が、ストレスを感じないと考える家族が増えていることが原因です。核家族化には問題点もあります。その中の一つに、老老介護や一人暮らしをしている高齢者の介護問題があげられます。

親としては、将来子どもが面倒をみてくれるものと考えている方も少なくないでしょう。しかし、実際は子どもが親の面倒をみるどころか、子どもの方が親を頼るケースも多くあります。結婚しないまま親と同居している家庭や、離婚して実家に帰ってきている家庭はめずらしくありません。子どもが大きくなっても、親の面倒をみてくれることは、当たり前ではなくなりました。

家庭のなかには、親に迷惑をかけずに独立している方もいます。しかし、介護を理由に高齢の親と同居するケースは少ないため、親の介護が必要になった際に、トラブルが発生することが多くあります。その結果、親同士で行う老老介護や認認介護につながります。

高齢者の低所得化も進んでいる

親にとって、子どもに介護をしてもらうことが難しい場合は、介護施設へ入居する方法があります。しかし、介護施設へ入居するには、入居金や家賃といった費用が高額な施設も多くあるため、低所得の高齢者では入居できない場合があります。比較的費用の安い特別養護老人ホームでは、すでに空きがないところも多いため、入居には何年も待つこともあるようです。

家族が出来ることとは

高齢が原因で介護が必要となった場合、家族が親に対して一番安心させられる方法は、一緒に生活をすることです。一緒に生活することによって、安心できる環境で生活が送れるでしょう。もし難しいようであれば、福祉サービスを利用することで、健康で安全に暮らせるような環境をつくってあげることが可能です。

在宅介護や介護施設に入居する場合には、少なからず費用が発生します。家族としては、親の介護に必要な費用を援助できるように、あらかじめ用意をしておくと安心です。

また、体力の低下を理由に家に引きこもりがちな方には、趣味やサークル活動といったイベントごとに参加するように促しましょう。生きがいにつながるほかに、認知症予防にもなるため、社会とのつながりを持つことは重要です。

自治体の見回りも強化されている

地域によっては、自治体が介護に関する支援を行っています。一人暮らしや高齢者のみの世帯を対象に、役所の職員が安否確認を行っているところもあるようです。また、介護予防教室の開催やなかなかできない寝具の洗濯のほかに、食事を自宅に届けてくれるサービスを提供している自治体もあります。多くの自治体では、地域が協力することで、高齢者が住みやすい環境づくりを進めています。気になった方は利用を検討してみるとよいでしょう。

家族の介護問題を抱える人は、少なくありません。今は元気な方も、いつかは介護を必要とする時期が来るでしょう。その時は慌てたりお互いに苦しい思いをしたりしないように、あらかじめ準備をしておくことが大切です。また、地域で受けられる福祉サービスも利用することが可能です。低価格で利用できる福祉施設も増えているため、家族で介護を行うことが難しい場合は、利用を検討してみてはいかがでしょうか。