介護施設が抱える問題とは?

介護の問題・トラブル

寝たきりの高齢者や認知症患者の介護は、精神的にも負担が大きいものです。これは専門知識を身につけた介護スタッフにもいえることです。介護が必要となる高齢者は、今後も増えていくことが予想されます。介護に従事するスタッフや介護施設は、より大きな役割を担うことになります。しかし、人材不足や施設の数といった介護施設が抱える問題は様々です。

人材不足

在宅介護を無理なく続けていくためには、介護サービスを利用する方法があります。しかし、介護サービスを利用しようとしても、希望のサービスが見つからない場合や人材不足が原因で、希望のサービスが受けられないことがあります。

今後は、介護スタッフの人数が特に必要となるといわれています。しかし、多くの施設では従業員の確保に問題を抱えています。なぜなら、少子化によって従業員が減ってしまうからです。また、需要のある介護サービス事業を新規で始めようとしても、スタッフが集まらずに経営がうまくいかないというケースもあります。

ほかにも従業員が増えない理由は、介護が大変な仕事であるにも関わらず、それに見合った給与が得られないという事情があがられます。一般的なスタッフの平均月収は21万円程度で、手取りが10万円台というケースも珍しくありません。

2025年問題とは

2025年には、人数が最も多い団塊の世代が75歳以上になります。2025年は、5人に1人が75歳以上で3人に1人が65歳以上という超高齢社会になるのです。2025年に起きる人口構成問題を背景に、様々な対策が行われています。

2025年問題の対策として、医療と介護の政策転換が議論されています。社会保障費が増えることで、医療保険や介護保険料だけでなく、自己負担額そのものが増えると予想されています。また、医療サービス自体が受けられなくなることも考えられます。しかし、さらに大きな問題とされていることは、介護を行う人の人材不足です。

対策方法として、病院だけではなく地域で高齢者を支えることが求められています。高齢化に伴って増える恐れのある慢性疾患に対しては、病気と共存しながら生活ができる環境づくりが必要です。訪問看護や在宅ケアセンターといったサービスを含めて、今後は医療と介護の連携が重要になってきます。

超高齢化社会で必要なスタッフの数とは?

在宅介護が増えることで、訪問介護やデイケアといった介護サービスの需要が増えます。利用者が充分にサービスを受けるためには、サービスを提供する事業所の人材確保が重要です。特に2025年には、介護スタッフが240~250万人が必要となるといわれています。

しかし、現在時点でも介護スタッフの人材不足は、大きな問題となっています。仕事の内容に釣り合わない低い給与は主な理由のひとつです。また、看護師や介護スタッフの人間関係が原因で、新しく入ってきてもすぐに辞めてしまう施設も少なくありません。多くの介護施設では、必要とされる介護スタッフが安心して働けるような環境づくりを行う必要があります。

介護施設が抱えている不安とは

従業員が不足していると感じている施設は、全体の56.6パーセントと過半数を占めています。このままでは、介護難民は今後ますます増えていくことが予想されます。国や自治体では、従業員を増やすために様々な取り組みを行っています。

2025年は遠い未来の話ではありません。現在でも介護を必要とする高齢者は、介護サービスや施設に入れない問題を抱えています。施設のなかには、介護スタッフの福利厚生を充実させることで、人材確保に努めているところも多くあります。今後ますます増えていく介護難民を受け入れるためには、人材確保のためにこのような取り組みを行うことが求められます。