高齢者虐待の防止について
高齢者虐待の実態

介護の問題・トラブル

高齢者虐待の実態

日本においては超がつくほどの高齢化が進み、被介護者の人数が増えるとともに、高齢者虐待の問題が深刻化しています。最近でもテレビで高齢者を虐待したというニュースがなんども報道されているくらいです。さらに、それが起きているのが施設や病院などという外部施設だけではなく、実体としては自宅でも起きており、場所を問わず、さまざまな現場で起きています。

実はこの高齢者虐待の実態でいうと年々増加しています。それを表す数値で言いますと、介護施設で虐待の事実が認められた事例件数は、2015年度だけで408件もあります。2014年度の300件と比較すると、件数で108件、増減率では36パーセントも増加しているのがわかります。また、表面化された実態の件数だけでこれだけの虐待が起きているのです。潜在的な虐待を考えると、さらに深い問題を抱えていることがよくわかります。

では、実際にどのような虐待が現場で起きているのでしょうか。その虐待の種類について紹介します。

身体的虐待

こちらは高齢者に対して、暴力的行為を働いたり、威嚇したりするのが身体的虐待です。具体的には、「殴る・蹴る等の暴行」「本人が嫌がっている状態で意図的にベッドや車椅子に拘束する」などがあります。

介護等放棄

日常生活を送る上で必要な介護や支援をせずに、高齢者の生活環境を悪化させるほか、心身状態に影響を与えてしまう虐待行為です。具体的には「入浴を行わない」「排泄物の処理をしない」などが挙げられます。

心理的虐待

心理的虐待は、暴言・威圧・侮辱・脅迫・無視など、言葉の暴力もしくは威嚇的な態度により、虐待をする行為です。具体的には「罵声を浴びせる」「嘲笑する」などが挙げられます。

性的虐待

わいせつ行為をはじめ、性行為の強要や性的暴力、性的羞恥心を喚起する行為の強要、性的嫌がらせなどが性的虐待に当たります。具体的には「キス・愛撫・セックスの強要」「着衣をさせず丸裸にさせる」などが挙げられます。

経済的虐待

財産や金銭を取り上げたり、それらの権利を不正に使用したりするのが経済的虐待です。具体的には、「年金・預貯金を取り上げる」「預貯金やカード等を着服・窃盗する」「不動産・有価証券等を無断で売却する」などが挙げられます。

高齢者虐待の防止方法

実際にこの虐待は非常に重要な問題との認識から「高齢者虐待防止法」が2005年には設けられています。しかしながら、法律が制定されていても、現場での虐待を防止するにはどうしたら良いのか、それは自分が介護しているのか施設の担当者に介護してもらっているかによって対応方法は異なります。
自分が介護をしている場合は介護による極度のストレスを溜め込まず、介護鬱にならないようにすることが重要です。介護によって鬱になると、虐待と認識をしないまま虐待行為に及んでいることがあります。介護とどのようにして向き合うかが求められます。

また、施設に預けている場合は細かく介護を受けている人間の動向をおう必要があります。体にあざができていたらそれは身体的虐待になります。そういった点をしっかり捉えられるように、コミュニケーションを図ることが重要です。