介護保険でおむつ代支給って本当?

介護保険まるわかり

高齢者の中には、身体機能の低下や疾病、怪我などによって、排泄のサポートが必要になる方もいらっしゃるでしょう。その場合、尿取りパッドや紙おむつなどが必需品になりますが、経済的な負担になることもあります。公的介護保険制度は、このような方に対しておむつ代を負担してくれます。具体的にどのようなものか、確認してみましょう。

おむつ代は意外と馬鹿にできない

排泄での介助は、要介護レベル2の判断基準の一つなっていますが、レベルが1であっても、支援が必要な場合もあります。

寝たきりの生活をしている成人の場合、紙おむつの1日の交換回数は5回以上必要です。大人用の紙おむつとなると、紙パンツタイプであっても、サイズや高い機能性を求めると、価格が高くなります。また、介護レベルが高い人の場合、紙おむつに加え、尿取りパッドや介護用シーツ、おしりふきといったものも必要になってきます。1ヶ月のおむつ代は、紙パンツタイプのみでも10,000円以上、場合によっては30,000円近くの出費が見込んでおいた方がいいでしょう。

紙おむつ給付・助成制度とは

おむつや尿取りパッドなどは、毎日使う消耗品です。たとえ少額であっても、長期間だと経済的な負担となってしまいます。このため、市区町村などの地方自治体は、介護用の紙おむつや排泄用品の現物支給や助成金支給などを実施しています。大阪市でも紙おむつや尿取りパッドの介護用品を給付しています。制度の対象者となるのは、以下に該当する方です。

  • 65歳以上の第1号被保険者
  • 要介護レベル3以上
  • おむつが日常的に必要とされる方

また、要介護レベルに関わらず、医師による診断によって、日常的におむつの使用が認められた場合は、給付対象となることがあります。給付を希望する場合は、市区町村の保健福祉課や地域包括支援センターに申請し、給付決定を受ける必要があります。この手続きも、各団体によって異なるため確認が必要です。

  • 支援内容は現物支給が多い
  • 紙おむつの給付・助成制度は、現物支給を行っているところが多いようです。給付が決定すると、自治体よって利用できる紙おむつのパンフレットが送られたり、おむつ交換用のチケットが配布されたりします。特定の紙おむつを使いたい場合は、認可の有無について窓口に相談してみましょう。

おむつの購入費用の現金給付を行う場合は、高齢者本人や家族が自分でおむつを購入し、そのレシートを申請書に添付する必要があります。レシートの管理や、実際の購入から給付まで時間がかかるため、希望する方は注意してください。

紙おむつ助成制度は無料なのか

公的介護保険では、介護に関する「サービス」を対象としているため、おむつ代や介護食などの物品支給は原則対象外となっています。このため、介護保険以外の支援として、市区町村が独自にサービスを行っています。無料で支給していることもありますが、利用者に対して月500円程度の自己負担が必要な自治体もあるため、調べるようにしましょう。

おむつ代の負担限度額はあるのか

自治体では、1ヶ月の紙おむつ代の負担限度額を定めています。限度額は市区町村によって差がありますが、5,000円~1万円程度です。また、自治体によっては、要介護レベルに合わせて、限度額の上限を決めているところもあります。自分の地域の限度額を確認しておきましょう。

高齢者や介護する家族にとっては、おむつの購入自体が負担になっている場合もあります。ただし、市区町村によって、対象となる条件や具体的な支援内容が異なり、制度そのものがない自治体もあります。お住まいの地区の保健福祉課や、地域包括支援センターに問い合わせ、担当の社会福祉士に相談してみましょう。