介護保険で福祉用具の購入をする流れ
介護保険で福祉用具の購入をする流れ

介護保険まるわかり

要介護状態になると、排泄、入浴、移動といった生活のために、補助が必要となり、そのために福祉用具を使用します。施設ではなく在宅で介護をする際には、そういった福祉用具の購入をしなければなりません。そこで今回は在宅介護のための福祉用具の購入について解説していきましょう。

介護保険は用具購入にも充てられる

介護保険は要介護認定を受けた方が、規定のサービスを受ける際に金銭的な補助を受けることができるという制度です。この制度は、福祉用具の購入にも利用できます。意外とご存じない方も多いため、利用されていないこともあります。

介護保険を利用して用具を購入する流れ

介護保険を利用して、福祉用具を購入するには所定の手順を踏まなくてはいけません。手順通りに購入しないと補助を受けることはできないため、以下の手順を覚えておきましょう。

1.ケアマネージャーに相談
2.介護予防サービス・介護サービス企画原案を作成して福祉用具が必要な理由を明記
3.商品が届いた後に購入金額を支払う
4.支給申請を行う

支給までの期間は、申請から2ヶ月~3ヶ月ほどです。利用した金額の9割が指定口座に振り込まれます。

特定福祉用具は1割負担で購入可能

特定福祉用具は基本的に1割負担で購入が可能です。ですが、一定の所得がある第一号被保険者は所得に応じて自己負担額が2割になります。(平成30年8月からは3割負担になる被保険者もいます)介護保険で購入できる特定福祉用具商品には以下のようなものが含まれます。

1.腰掛便座
  • 和式便器の上において腰かけ式に変換するもの
  • 洋式便器の上において高さを補うもの
  • 電動式・スプリング式で便座から立ち上がる時に補助できる機能があるもの
  • 便座・バケツ等の移動可能である便器(設置に必要な費用は保険給付の対象外)
2.自動排泄処理装置の交換可能部分
  • 尿・便が自動的に吸引されるもので利用者・介護者が簡単に交換できるもの
3.入浴補助具
  • 入浴用いす(座面が35㎝以上、もしくはリクライニング機能があるもの)
  • 浴槽用手すり
  • 浴槽内椅子
  • 入浴台、浴槽の縁にかけて浴槽の出入りを楽にするためのバスボード
  • 浴室内すのこ
  • 浴槽内すのこ
  • 入浴介助ベルト
4.簡易浴槽
  • 容易に移動できて工事を伴わないもの(空気式・折り畳み式)
5.移動用リフトのつり具部分
  • 移動用リフトに連結可能で、身体に適合するもの

特定福祉用具は購入できるものは決められていますが、在宅介護時に介護者の助けとなるものが多くあります。

用具購入の限度額は毎年10万円まで

福祉用具の購入費は10万円が限度額となっています。サービスを受けられるのは、要支援1~要介護5と認定された人のみです。期間は毎年4月1日~翌3月末日までの1年間です。10万円の限度額を超えた分については自己負担となります。例えば福祉用具購入に15万円かかったとすれば、1割分+5万円が自己負担金額になります。

ただし、特定福祉用具は1割負担(高所得者は2割~3割)なので、よほどのことが無い限り10万円を超える人はほとんどいないでしょう。

福祉用具を購入の際は、ケアマネージャーにきちんと相談をしてください。福祉用具は要介護度や、必要性によって補助が受けられるか否かが変わります。ケアマネージャーというプロの判断は必要なのです。一般的な条件は全国共通ですが、自治体によっては購入先が指定されるなどの追加条件があるようです。後から「知らなかった」と後悔しないためにも、すべての条件を事前に把握しておく必要があります。

福祉用具は在宅介護においては必要不可欠なものですが、満額で購入するとかなり高額になってしまいます。介護保険制度を利用することで、最小限の負担にすることができるため、活用してください。