寝たきりの人の在宅介護をする時の注意点

在宅介護について

在宅で寝たきりの家族を介護する際に、介護方法や疾患について専門知識や技術がないと、突然の事態の対応が難しくなります。また、間違った知識を得ている場合や、自分では気づかないこともあります。知識だけでなく、体を思うように動かすことが大変な被介護者の気持ちを理解することも必要です。寝たきりの家族を介護する際の注意点や、介護の負担を軽減する方法を紹介します。

床ずれ・褥瘡に気をつける

寝たきりの介護をするうえで注意したい点に、床ずれがあります。長時間、同じ姿勢で横たわっていると、敷布団に接している皮膚や皮下組織が圧迫されることで血行が悪くなり、周辺組織に酸素や栄養が行き渡らなくなることで壊死状態になります。症状が悪化すると、皮膚が剥がれ落ちて骨が見えてしまうこともあります。

軽度な床ずれであった場合でも、痛みによって快適に過ごすことはできません。床ずれを防ぎ、褥瘡を作らないようにするには、定期的に体位を変換することが大切です。後頭部や肩、肩甲骨周辺、座骨、お尻、肘、かかとは褥瘡が起きやすいため、注意しましょう。

床ずれの予防方法として、シーツや寝間着にシワを発生させないことや、肌の状態をこまめにチェックすることがあげられます。また、水分をしっかり摂り、栄養バランスに注意するといった、食事面における配慮も必要です。

排泄

寝たきりの状態は、必ずしもおむつが必要とは限りません。自分で排泄ができる場合は、床ずれを防ぐためにも、なるべく自力でやるように促すことが大切です。自分で体を動かすことで、筋力の維持につながります。排泄の際には、体を起こした状態で座って行うことがポイントです。

座った状態と比べて寝たきりの体勢は、腸や腹圧の状態が普段とは異なり、排泄行為が難しくなります。便が横に移動しなければないことに加えて、腹圧がかけにくいからです。寝たきりの方が排せつをする際には、座った状態で行うように心がけてください。

清潔保持

寝たきりの場合、入浴で全身を洗うことや着替えがしづらくなるため、衛生面において問題が生じやすくなります。皮膚トラブルを避け、気持ちよく過ごせるためには、洗髪や清拭を行うことで、できるだけ体を清潔に保つことが大切です。

洗髪をする際の注意点としては、お湯やドライヤーの温度に注意しましょう。寝たきりの高齢者の場合は、感覚が鈍感になっていることも多いことが理由です。清拭をする際は体を冷やさないように、室温を22~26度くらいにしてから、全身を拭くようにしましょう。

福祉用具の利用を検討しよう

床ずれを防ぐことができる体位変換の方法や入浴は、専門知識がないと難しく感じることも多くあります。その場合は、できるだけ負担を軽減するために福祉用具の検討や、介護サービスを利用するとよいでしょう。

福祉用具のなかには、床ずれを防ぐ介護用ベッドがあります。介護用のベッドは圧力が一箇所だけにかからず、分散されるような構造になっているため、床ずれなどを防ぐことが可能です。体圧分散用具はエアーマットレス、ウレタンマットレス、ウォータベッドを利用するといいでしょう。

また、訪問入浴介護のサービス利用で、被介護者の入浴の手伝いをすることができます。専門的な知識を持ったヘルパーや看護師が入浴だけでなく、バイタルチェックなどを行ってくれるため、普段は気づかない細かな健康状態をチェックすることも可能です。

寝たきりの高齢者の介護は、細かな配慮や、体力的な面で想像以上に大変なものです。介護者はできるだけ負担を軽減して、無理なく続けることが重要です。在宅介護をサポートする便利な福祉用具や介護サービスを積極的に利用するとよいでしょう。介護を続けていくうえでは、一人で抱え込まずに周りの方たちと一緒に介護をしていくことが大切です。