在宅介護でトラブルになることはある?

在宅介護について

介護が必要となったとき、すべての高齢者が十分な介護を受けられるわけではありません。最近では自宅だけでなく、施設でも介護サービスを受けられないケースがあるようです。加えて老老介護や高齢者の一人暮らし、核家族化によって在宅介護におけるトラブルも多くなっています。ここでは在宅介護におけるトラブルについて解説します。

介護難民になる可能性がある

介護難民という言葉はご存じでしょうか?介護の必要であるにもかかわらず、施設どころか自宅でも適切な介護サービスを受けることができない高齢者の総称で、日本の社会問題となっているものです。

高齢者の数が年々増え続け、介護を必要とするケースが増えているにもかかわらず、受け入れる施設が不足していることや、従業員が十分に確保できていないことが介護難民を生む原因になっています。人気のある特別養護老人ホームでは10年先まで入れない例もあります。多くの人から必要とされる介護職において、精神的・体力的にも大変な仕事であるにもかかわらず、給料が安い、残業時間が長いことが理由で、なかなか人が集まりません。今後はさらに需要が増えてくるため、介護業界では早いうちに改善していくことが求められています。

老老介護が問題になっている

高齢者が同じ高齢者を介護する老老介護もまた、大きな社会問題の一つです。老老介護の状況としては、高齢の夫婦、高齢の兄弟、または高齢の子どもがさらに高齢の親を介護しなければならないことがあげられます。

老老介護が増えた理由の一つは、平均寿命が延びたことです。医療の進歩や健康に気を遣うようになったため、日本人全体の寿命が延びています。体は健康なのに脳が老化してしまうと、認知症のリスクが高まるため注意が必要です。

高齢者の一人暮らし

最近では「孤独死」というニュースを聞くことも少なくありません。現代では一人暮らしをしている高齢者は増加傾向にあります。高齢者が一人で生活をしていると、トラブルが生じた際の対応が遅れてしまいます。

一人暮らしのデメリットとして、病気に気づきにくいことがあげられます。年を取るにつれて、人間は鈍感になっていきます。病気に対する知識もないまま、放置したことによって、気づいたときには既に手遅れだったというケースもあります。自分で体が動かしにくくなり、外出をするのもおっくうになると引きこもりの状態になります。ひきこもることで、体を動かす機会も少なくなり、体の衰えは進行しやすくなります。

その結果、病気も発症しやすく、骨や筋肉も衰え、転倒による骨折などがしやすくなるため、寝たきりの状態になってしまうのです。症状がひどい場合、社会とも孤立し、精神的にも孤独になり、最終的に一人で亡くなってしまうケースもあります。

また、認知症になれば一人で生活をすることは困難です。生活レベルも低下し、健康状態も悪くなるでしょう。近所の人との間でトラブルが起こることもありますし、火事や事故などのリスクも高まります。

核家族化の増加

最近は親と離れて暮らす核家族も増えています。未婚者の増加に伴って、子どもが親と同居をしているという家族も少なくありません。核家族化や未婚者が増えることで、老老介護だけでなく、認知症を発症した人同士の介護である認認介護も増えているのです。

介護が必要な親との同居は、精神的にも負担になるため、最初は難しいかもしれません。しかし、老老介護や認認介護などが社会問題となっている現実は向き合うことが重要です。高齢者をそのままにしておけば、事故や病気が起こりやすく、近所とのトラブルも考えられます。親が高齢になった場合のことも考えて、早めのうちから家族で将来的な計画を立てることをお勧めします。