在宅介護の時、仕事の問題はどうするべき?

在宅介護について

高齢の親の介護が必要となったときは、自宅で世話をしたいと考えている人も多いでしょう。しかし、在宅介護は世話をする時間が決まっているものではなく、昼夜を問わず世話が必要になるといった苦労も多いです。そのため、仕事との両立ができなくなることもあります。在宅介護をするうえで、仕事の問題に向き合っていく方法をご紹介します。

介護離職が増えている

在宅介護をするということは、家族が協力して身の回りの世話をするということです。食事の介助や着替えの手伝いのほかにも、排泄や入浴といった毎日のサポートが必要です。基本的に早朝や深夜でも、必要な場合はケアをしなければなりません。そのため、睡眠不足になりやすく、仕事に支障が出る問題があります。

仕事をしながら世話をするのは、体力的に限度があります。最初は大丈夫だったとしても、いつまで続くかは分かりません。そのため、在宅介護を理由に仕事を辞める人も少なくありません。施設に入るよりも、自宅で世話することで費用が安くすむと考える方は大勢います。しかし、仕事を辞めることで収入が減ってしまいます。場合によっては仕事を続けながら施設を利用した方が、結果的にゆとりができることもあります。現在仕事をしている方は、介護サービスの利用も視野に入れてみるとよいかもしれません。

介護離職のリスクとは

仕事を辞める前に、離職することのリスクを考えてみましょう。毎月の収入がなくなることで、生活費や介護の費用は大丈夫でしょうか?介護はいつまで続くか分かりません。在宅介護の場合は自宅をバリアフリーにする家庭も多くあります。

退職してしまうと、社会との接点は少なくなります。特に仕事にやりがいを持っていた人は、喪失感を覚えることもあるでしょう。なかには、生活に張り合いを失くしてしまったりすることがあるようです。退職によって会話をする人が減り、ストレス解消の場がなくなってしまうこともあります。

また、自宅で世話をする時間が増えることは、いいことばかりではありません。人によっては、介護に一生懸命になりすぎて、体を壊してしまうこともあります。退職によって収入が減ったことが原因で介護サービスに費用をかけられなくなってしまい、介護者の体や心に負担をかけてしまうことがあるようです。

在宅介護でも仕事を続けるために

仕事を続けるためには、家族や親戚だけでなく、介護サービスや地域の支援サービスを利用することが必要です。介護は一人で全てできるものではありません。最初はできたとしても、限界があります。介護サービスは、プロのスタッフが適切にサポートをしてくれます。介護に関するアドバイスをしてくれたり、悩みや相談にのってくれたりもします。また、ヘルパーさんと会話をすることでリラックスできたり、ストレス発散になったりするメリットもあります。

介護休業を利用しよう

現在では、介護休業制度を設ける企業が増えています。会社の人事部に相談し、介護休業がとれるかどうか相談してみるとよいでしょう。介護休業制度は、家族が2週間以上にわたって常に介護が必要な状態になった場合、家族一人につき、通算93日休業できるという制度です。一度状態が回復した場合でも、再度状態が悪化したときは、3回まで同じように休むことが可能です。介護休業制度を利用すれば、無理に離職をしなくても済むでしょう。

在宅介護は負担が大きいため、仕事との両立は大変です。しかし、すぐに辞めてしまうと、経済面において不安が生じてしまいます。まずは、仕事をしながら介護サービスを利用してみてはいかがでしょうか。また、介護に集中する必要がある場合は、介護休業制度を申請することも一つの方法です。