在宅介護について
介護が必要になった場合、自宅で介護を行う際はどの程度の費用がかかるのか?という点について心配になる方も多いと思います。在宅介護は、施設の入居に比べて安くすむ傾向はありますが、訪問型の介護サービスを利用すれば金額もかかります。介護の時間で仕事の時間が少なくなると、収入も減ってしまいます。ここでは、在宅介護にかかる費用について解説しましょう。
在宅介護で必要な1ヶ月の費用とは
施設への入居と比べると、在宅介護の費用は安いと言われていますが、全くかからないわけではありません。在宅介護にかかる費用は、オムツなどの消耗品代、福祉用具レンタル料や介護サービスの費用がかかります。1ヶ月の費用にいくらかかるかというと、平均でサービスの利用料が3万7千円、そのほかの費用が3万2千円程度とされていて、合計で6万9千円です。
介護保険では受給者の要介護度によっても支給限度額が異なります。介護サービス以外の費用には、介護用品、医療費、税・社会保障費などが含まれています。介護用品というのは、オムツ、床ずれ防止用具、介護ベッド、車いすなどです。
介護者からも援助を受けよう
在宅では、介護用品などにも費用がかかります。ベッドや車いすは一度購入すればそれ以上の費用はかかりませんが、レンタルの場合やオムツ代といった消耗品は毎月かかるものです。介護が長引けばその分費用はかかります。なかには、自分が費用を出したいと考える人も多いと思いますが、出費は少なくありません。
そのため、要介護者からの援助も必要です。親の貯金や年金などから出してもらうことは手段のひとつです。無理をしても、負担が重くなるため、長く続けることは困難になります。介護は先が見えないものです。少しでも経済面での負担を軽減する対策を取りましょう。
在宅介護は離職率も高くなる
在宅介護は長く続けば続くほど、精神的な負担だけでなく、体力的な負担も大きくなります。仕事から帰れば家事だけでなく、家族の介護をしなくてはなりません。容体によっては深夜から早朝まで起こされたりすることもあります。人によっては休日の場合でもゆっくり休むことができないこともあります。そのため、仕事との両立ができず、仕方なく退職するケースも少なくありません。
仕事を辞めた場合は、その分の収入が減ってしまいます。人によっては、自宅で面倒を見るよりも、施設に入居していた方が安くすむこともあるようです。
介護施設と比べるとどちらがお得?
施設への入居は、実際に入居する場所によっても異なりますが、月々の費用のほかにも、入居する際にかかる入居金が必要です。預かり金は10万円程度の施設もあれば、100万円以上かかるところもあります。施設にもよりますが、月々にかかる費用は、数十万円以上というケースも多くあります。費用面だけを考えれば、在宅の方が費用はかからないと言えるでしょう。
しかし、在宅で行う介護は家族にも大きな負担がかかります。介護は毎日続けることに加えて、いつまで続くのかも分かりません。精神的な負担も大きいため、ストレスを感じない人の方は少ないでしょう。体力的にも大変です。家族の負担を考えると施設を利用した方がメリットは多いと感じることもあります。
経済的な面だけで考えると、施設を利用するよりも自宅で介護をした方が費用はかからないでしょう。しかし、介護のために仕事を辞めて収入が減ってしまったり、また精神面や体力的なことを考えると、どちらが良いのか判断するのは難しいです。在宅介護がいいのか、施設へ入所することがいいのかは、経済的な面だけではなく、将来的なことも含めて家族で検討することが大切です。