在宅介護をしている人の悩みとは

在宅介護について

親の面倒をみるのは当たり前と考える人や、親に介護が必要になった場合は自宅で介護をするという人も少なくありません。しかし在宅介護は、日常生活のサポートだけでなく、病気にならないように食事にも気を配る必要があるため、個人の負担がかかりやすい傾向にあります。今は大丈夫だとしても、長く介護を続けることは難しいでしょう。まずは在宅介護の悩みを把握して、無理をせずに介護を続けるための方法と心がけについて知っておきましょう。

完璧を求めすぎる

非介護者に対して、できるだけ快適に過ごしてほしい、と思う気持ちは分かりますが、介護を完璧にこなそうと思うと、悩みの原因になってしまいます。完璧に介護をすることは難しいものです。相手の気持ちや立場に立って考えるとしても、すべてを把握することは無理です。

介護をされている方が不快な思いをすると、表情に出たり、時には怒られてしまったりすることもあるでしょう。どうしても床ずれができたり、病気になってしまったりすることもあります。それを自分のせいだと思い、自信を失くしてしまうこともあるでしょう。自分には無理、自分にはできない、と悩み続けた結果、精神的に追い詰められてしまうのです。

自己否定をしない

介護の専門知識や技術を持っている人でも、自信を失うことがあります。したがって、プロではない人が、自己否定をしてしまうことは当然です。そういった悩みを持つことは悪いことではありません。反対に自己否定を否定してしまう方が危険なのです。

自己否定する人は、自分には無理、できないと考えることで心を緩ませている方が多くいます。自己否定によって、精神を保つことができるのです。自己否定をする自分を否定してしまうと、気持ちの逃げ場がなくなってしまいます。加えて自己否定によって、自分の理想を高くしてしまうと、他人に対する基準も高めてしまいます。その結果、人間関係がうまくいかなくなるケースが増えています。

誰かに相談をする

プライドの高い方や、完璧を求める人は周りに相談せずに一人で抱え込む傾向があります。他人に弱みを見せたくないと思うことで、あえて周りに相談をしない人もたくさんいます。しかし、介護は一人で抱え込む必要はありません。精神的に強くても、一人で完璧に行えるほどやさしいものではないからです。そのため、誰にも相談せずに介護を行うとストレスが溜まりやすくなり、介護を受けている人にとっても悪影響を与えてしまいます。

周りに相談することは、自分の弱みを見せることではありません。悩みを抱えているのなら、誰かに話すだけでも楽になります。ストレスを抱え込まないことが、介護を長く続けていく秘訣でもあるのです。

考え方を改める

理想が高い人は介護に対して、やらなければならないと考えがちです。このような考え方が、自分を苦しめる原因となってしまいます。やらなければならないではなく、したほうがいいという考え方にシフトしてみましょう。考え方を少しだけ変えてみるだけで、心はだいぶ軽くなります。

介護はいつまで続くかわからないため、先が見えづらいものです。介護者のストレスを抱えたままでは、介護を受ける人も苦しくなってしまいます。介護に対する理想をもつことはいいことですが、その理想によって苦しんでいる人も存在します。まずは完璧であることを望まずに、心に余裕を持って介護を続けることが大切です。現在、介護で悩んでいたり、苦しい思いをしていたりするのであれば、介護に対する考え方を少しだけ変えてみるとよいでしょう。一人でどうしようもなくなった時には、抱え込まずに家族や友人のほかにも、専門の方に相談してみることをお勧めします。