
老人ホーム・介護施設・介護サービスの種類
介護サービスのことを調べているとよく見かける「デイサービス」というフレーズ。
そんなとき、「サービスというからには利用料はどれくらいかかるのか?」「利用する介護施設ごとに違いはあるのか?」など、次々に疑問が浮かぶものです。
今回は、デイサービスとはそもそもどんなサービスなのか、利用する際のメリットやデメリットなどを紹介していきます。
デイサービスとは?
簡単にいうと、介護施設に入所するのではなく日帰りで利用できる利便性の高さがデイサービスの大きな特徴です。
施設と自宅の移動は基本的に送迎バスや送迎車で行ってくれるので、ご家族の負担にもなりにくいです。
介護施設を利用する多くの人が入所を検討している傾向にありますが、介護者の生活環境が変わってしまうことから精神的に負担がかかります。
- 外へ出る機会を介護者に与えたい
- 介護する側が、仕事や育児をする時間を確保したいなど
少しでも利用者の負担を減らしたいという人や、まずはいきなり入所ではなくて気軽に介護施設を利用してみたいという人にもおすすめのサービスです。
デイサービスでかかる費用は1回2,000円程度
利用する介護施設によってかかる費用はさまざまですが、平均して1回あたり2,000円程度だといわれています。
デイサービスの大まかな費用は、以下の通りです。
介護保険 | 項目 | 自己負担費用の目安 |
適用 | 利用料 | 400円~1,300円程度 |
サービス加算 | 40円~200円程度 | |
適用外 | 食費 | 500円~1,000円程度 |
その他費用 | 施設で利用するおむつやその他日用品などを購入した際に発生。 ※実費 |
上記の表で注目してほしいのは、「利用料」と「サービス加算」という項目です。
まずは「利用料」について紹介していきます。
利用料は、その名の通りデイサービスを利用する際に発生する費用です。
原則どの施設でも請求されるため、送迎やレクリエーションなどが主な費用だと思ってもらって構いません。
滞在時間と介護度によって、利用料は1回あたりに必要な単位が決まっています。
施設によっても滞在時間が決まっているので、しっかりと国に届け出をしています。
次に「サービス加算」ですが、特定の条件を満たしているサービスや人員体制に対して、追加で請求される料金のことです。
利用料とは異なり、サービス加算については施設によって違いがあります。
サービス加算一例 | 単位 | 特徴 |
入浴介助加算 | 40~55単位/日 | 入浴中である利用者の介助を行う際に追加される料金 |
個別機能訓練加算Ⅰ | 56~85単位/日 | 常勤専従の機能訓練指導員を配置し、機能訓練メニューなど複数から選択できるプログラムが実施される際に追加される料金 |
栄養改善加算 | 200単位/回 | 低栄養状態、またはおそれのある利用者に栄養に関する食事相談などの栄養管理が行われる際に追加される料金 |
上記はサービス加算の一例なので、参考までに確認しましょう。
「利用料」と「サービス加算」は介護保険が適用されるのに対して、「食費」と「その他費用」は介護保険が適用されません。
ですがデイサービスを利用する上で多くの場合、施設から昼食やおやつが提供されます。
食費に関しては施設側が自由に値段をつけていますが、平均で約500円~1,000円くらいが相場だといわれています。
利用する施設によっては食事の提供がない場合もありますが、その場合は当然費用も発生しません。
その他費用に関しては、施設側が常備している日用品などを使った場合に請求されます。
ただし、普段からご自宅で使われている私物があって施設に持ち込む場合は、食費同様費用の発生はありません。
詳しい費用については、利用を検討している施設へ問い合わせるかホームページ内の料金表を確認しましょう。
デイサービスで受けられるサービス内容
利用する施設によってサービスの内容は異なるものの、デイサービスでは実際に入所した際に受けられるサービスとあまり差はありません。
- 食事
- 入浴
- 健康状態の確認
- 機能訓練
- レクリエーションなど
ただ異なる点といえば、日帰りかどうかの違いです。
食事も介護者の好みに合わせてくれたり、季節ごとに旬の食材を使ったりと食に力を入れている施設もあれば、一般的な食事が提供される施設も存在しています。
入浴に関しても施設ごとに違いがあり、大浴場で介護者全員が一緒に入浴する施設もあれば、個別で一人ひとり入浴する施設もあります。
万が一施設選びに迷ってしまった場合は、レクリエーションについて問い合わせるか、ホームページを確認することをおすすめします。
レクリエーションは施設の特色が色濃く出るサービスなので、介護者が興味あるものが該当しているかどうかで判断しても良いでしょう。
- 囲碁
- 将棋
- 俳句
- 絵画
- 園芸
- 椅子取りゲーム
- その他ボール遊びなど
レクリエーションの種類は数多く存在しており、充実しているかどうかで判断する人も少なくありません。
デイサービスのメリット
ここではデイサービスのメリットについて、以下4つを紹介していきます。
- 安心して入浴できる
- 家族の負担を軽減できる
- 心身の健康維持と向上ができる
- 生きがいができる
デイサービスはメリットの方が大きいので、利用する際の参考にしてみてください。
安心して入浴できる
多くの家庭では浴室に段差があったり、床が滑りやすくなっていたりなどの問題が山積みになっているもの。
そのため自宅では安心して入浴できないという高齢者は多い傾向にあります。
介護施設にはプロの介護スタッフが在籍しているのと、高齢者にとことん優しい入浴サービスが提供されるのでデイサービスを利用すれば安心して入浴が可能です。
家族の負担を軽減できる
大切な家族ではあるものの、介護疲れや介護ノイローゼに陥る人も珍しくありません。
デイサービスはご家族の負担を少しでも和らげるサービスだといえます。
そのため日中は自分のために時間が作れるようになり、介護をしなければならないという精神的負担を減らすことが可能です。
心身の健康維持と向上ができる
介護者のために生活機能訓練の他に、健康チェックなども行ってくれるのがデイサービスです。
自宅に1人で過ごしている時よりも周りとふれあえる機会が多くなるため、前に比べて生きいきし出す人は多いとのこと。
心身の健康維持と向上は孤立感を解消することに意味があるので、精神的な不安を拭ってあげるのが効果的です。
生きがいができる
高齢者にとって心身共に健康でいるためには、楽しいと感じるものや生きがいを見つけてあげる必要があります。
デイサービスでは機能訓練の一環として、数多くのレクリエーションが用意されているのです。
室内で楽しめるものから、野外活動など地域一体となって楽しめる娯楽もあります。
楽しいと感じるものや生きがいが見つかれば、生活に活力が生まれます。
デイサービスのデメリット
次にデイサービスのデメリットについて、以下2つを紹介していきます。
・費用が多くかかる場合がある
・ストレスを感じる場合がある
先ほども紹介した通りデイサービスはメリットの方が大きいので、デメリットも利用する際の参考にしてみてください。
費用が多くかかる場合がある
ご家族が介護をするのに比べて、費用が多くかかる場合があります。
費用に関しては要介護度数や要支援度数などによって大きく異なるものの、利用回数に応じて基本的に金額も変わってきます。
デイサービスを利用すればご家族の負担を大きく減らせますが、その分費用もかさむ可能性も考慮して施設を選びましょう。
ストレスを感じる場合がある
施設に入所しない場合でも、介護者によっては施設がなんとなく合わなくてストレスを感じてしまう場合も考えられます。
利用後に後悔することがないよう、サービスを利用する前に見学などをしておくことをおすすめします。
まとめ
デイサービスとはどんなサービスなのか、利用する際のメリットやデメリットなどを紹介してきました。
今回紹介した費用やメリット・デメリットは、ごく一部に過ぎません。
利用を検討している介護施設によってさまざまな点で異なるため、複数の施設を比較して決めることをおすすめします。
介護者のことを第一に考え、介護者に希望があれば優先順位を決めてよく考えて結論を出しましょう。