運動しない高齢者が病気になる確率は?

高齢者の病気・症状

運動不足になり血行が悪くなると、体調不良や病気になりやすいと言われています。生活習慣病として知られる糖尿病も、運動不足になると発症する確率が上がります。糖尿病と運動の関係を知っておきましょう。

運動不足は糖尿病になりやすい

年を重ねるにつれ、体を動かす機会は減っていきます。特に、働き盛りの30~40代は仕事が忙しく、運動をする時間がないという方も多いでしょう。仕事上の付き合いで、外食やアルコールの摂取量も増え、健康的な生活を送っているとは言い難いです。

しかし、運動をしない、食事の栄養バランスにも配慮しないという生活を送っていると、生活習慣病になる確率も高くなります。運動不足が原因になる病気として、特に注意したいのが糖尿病です。運動不足は、仕事を引退した60~70代に起こりやすいとされています。糖尿病は高齢者に多く、糖尿病患者全体の6割を占めています。働き盛りの頃から、少しでも運動をする習慣をつけておきましょう。

糖尿病になる原因は運動不足もある

糖尿病は、血糖を下げるインスリンの働きが低下し、血糖値が高い状態になっていることを指します。これは運動不足が大きな原因の一つです。食べ過ぎで内臓脂肪を蓄積し、全てを消費することができず、脂肪が徐々に蓄積されていきます。こういった状態が続くと、メタボリックシンドロームや脂肪肝、肝機能障害、脂質異常症などの病気になってしまいます。また、病気が原因で心筋梗塞や脳卒中、糖尿病が発症する可能性も考えられるでしょう。

過食や運動不足を続けていると、生命に関わる病気を患う確率が高くなります。睡眠不足や喫煙、過剰なアルコール摂取、ストレスなども生活習慣病の原因といえるでしょう。高齢者は体力も低下し、病気にかかりやすいため、注意が必要です。

1日30分の運動を週3から週5日やること

人の身体は、食後すぐにインスリンが分泌され、血糖値が低下する仕組みになっています。しかし、内臓脂肪が多いとインスリンの働きが正常でないため、血糖値は下がりません。膵臓では、血糖値を下げるため、より多くのインスリンが分泌されます。このように、インスリンが増えてしまった状態を、高インスリン血症と言います。これは糖尿病だけではなく、心筋梗塞やアルツハイマーなどの疾患の原因にもなるのです。

運動をすることが一番の予防策です。ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動を1日30分程度、週3~5日行いましょう。筋肉量を増やし、糖を消費しやすくなるため、内臓脂肪の減少に繋がります。また、食後に運動する際は、少し時間を空けてから行うようにしましょう。食べたものの消化が進み、摂った糖質のエネルギーを消費することができるからです。運動に慣れていない人は、短時間でも構いません。継続的に行うようにしてください。足腰を傷めている場合は、水中ウォーキングがおすすめです。

介護施設で自分でインスリン注射を打てなくなってしまった場合

糖尿病患者は、膵臓の働きを補うため、インスリン注射を打つ必要があります。しかし、高齢者の場合、手が震えてしまい、自分で注射を打つことが難しいという方もいらっしゃいます。インスリン注射は、本人と家族に加え、看護師などの資格を持った人であれば、打つことが可能です。介護施設にナースがいるときは、注射を打ってもえるように、施設の方に相談してみてください。

食べ過ぎや運動不足は糖尿病を引き起こします。糖尿病になるのは、特に高齢者が多いです。病気にならないよう食生活に注意し、運動をする習慣をつけましょう。ウォーキングなどの簡単に取り組める運動がすすめです。短い時間でも継続して行うようにしてください。