人工透析が必要な高齢者
人工透析が必要な高齢者

高齢者の病気・症状


人口透析が必要な高齢者について

「透析」、「人工透析」とは、腎臓の機能を人工的に代替するという、医療行為のひとつです。腎不全などによって腎臓の働きが悪化してしまうと、腎臓そのものがほとんど機能しなくなってしまいます。腎臓には生命を維持するのに必要な大きな役割があることから、このような状態になると人口透析が必要になります。具体的には、腎臓の機能が正常時の10%以下に低下してしまうと、尿から老廃物や水分が適切に排泄されなくなってしまい、尿毒症・水分過多による心不全等の症状が出てくる危険性があります。その際に、腎臓を介して尿に捨てている老廃物・余分な水分を除去していく代替治療が必要になってしまうのです。この治療法が透析療法です。

また、慢性腎臓病に対する透析療法は一度開始すると、永続的に治療をしなければなりません。透析療法には「血液透析」と「腹膜透析」の2種類の治療法がありますが現在の日本では90%以上は「血液透析」を利用しています。

どれくらい日本には透析患者がいるのか

日本透析医学界が毎年実施している統計調査の「わが国の慢性透析療法の現状」の報告によりますと、現在、日本における透析人口は約32万人もいると言われています。この多くは高齢者であると言われており、2025年までは伸び続けると予測されています。

血液透析について

自身の腎臓の代わりに人工腎臓のフィルターを介して、血液から老廃物・余分な水分を取りのぞく治療がこちらとなります。1回の治療で4~5時間の治療時間を要し、それを週3回ほど通院して行わないとなりません。医療機関で治療を行うため、時間的拘束はあるものの、医療者にお任せで治療を受けることができる事が最大の利点ではないでしょうか。現在の日本ではこの方法が一般的であり、これからもしばらくはこの方法論によって透析が進むでしょう。

腹膜透析

腹膜という自身のお腹の中のスペース(腹腔)を包んでいる膜にある毛細血管と腹腔に注入した透析液を介して、老廃物・余分な水分を取り出す治療となります。睡眠中の時間を用いて透析液をお腹に貯留しておく方法や、日中に1~4回程度の透析液の交換を行う方法があります。自宅で自身の手技により行い、通院は月に1回程度です。そのため時間的拘束が少なく、社会的活動が可能であり行動範囲の制約も少なくなります。治療開始前には、予め腹腔内に透析用の管を手術で入れておく必要があります。