高齢者の病気・症状
ターミナルケア・緩和ケアについて
緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に同定し、適切な評価と治療によって、苦痛の予防と緩和を行うことで、QOL(Quality of Life:生活の質)を改善するアプローチであるとWHOによって定義されています。
その一方でターミナルケアは、病気で余命わずかの人をはじめ、認知症や老衰の人たちが、人生の残り時間を自分らしく過ごし、満足して最期を迎えられるようにすることが目的となっています。つまり治療による延命よりも、病気の症状などによる苦痛や不快感を緩和し、精神的な平穏や残された生活の充実を優先させるケアがターミナルケアとなります。
ターミナルケアと緩和ケアの違いは何かというと、ターミナルケアは緩和ケアの一部だと捉えるのが良いでしょう。緩和ケアは、がん患者らの苦痛を緩和して、QOLの改善を図るものです。ターミナルケアが、治療よりも残された生活を心穏やかに過ごしてもらうように努める「終末期医療」「終末期看護」であるのに対し、緩和ケアはターミナルケアの要素に加えて治療も並行して進める点に違いがあります。少し難解に聞こえますが、大きな概念では一緒になります。
ターミナルケアを開始する時期について
ターミナルケアを行うかどうかは患者本人やご家族の意思に任されています。と言うのも、ターミナルケアを始めるということは「延命をあきらめる」ことと同じになりますので、このターミナルケアを開始すると言う決断は本人にとってもご家族様にとっても非常にデリケートな問題とになっています。
また本人の意思でターミナルケアの開始を決断できるのが一番の理想ではありますが、例えば認知症になってしまっている場合などにおいては、本人の意思確認が難しいため、このような場合についてはご家族様が判断をする事になります。
ターミナルケアの内容
- 【身体的ケア】
- 投薬などによって痛みの症状を緩和するケア
- 【精神的ケア】
- 本人にとってリラックスできる環境の構築をするケア
- 【社会的ケア】
- 精神的なストレスにならないよう社会的だと認識させるなケア
他にももっとありますが、ターミナルケアとしては上記のような内容があります。