老人ホーム・介護施設の選び方
年をとることで認知症になってしまい、生活をする上で介護が必要になることもあります。老人ホームに入所したいと考えていても、どのようにして老人ホームを選んで良いのか分からないものです。老人ホーム選びにおいて大切なことは、認知症ケアの方針です。こちらではケアの大切さについて解説いたします。そのほかの選択肢としてグループホームもありますので、そちらについても紹介しましょう。
どの程度の認知症まで可か?
認知症を発症するお年寄りは多いものですが、認知症にも程度があります。軽度の認知症でしたら軽い物忘れ程度の症状です。物忘れ程度でしたら生活に支障をきたしませんので、家族と同居しているのであれば、日常生活において社会的に自立しています。しかし、症状が進んでしまうと、お金の管理ミス、歩きなれた道で迷ってしまう、薬の管理ができない、電話対応や来客対応ができないなどの状態になってしまうことが考えられるのです。
そして、それらの症状が進行してしまうと、食事や排泄にも支障をきたしてしまいます。この程度の認知症になってしまうと、介護が必要でしょう。自宅で家族による介護が難しい場合は、老人ホームへの入所を考える必要があります。自宅で介護を行う場合、火の不始末や徘徊などの問題を起こす可能性があるのです。また、奇声を上げるなど近所にも迷惑をかけることがあります。これ以上の認知症は、常に目が離せない状態になってしまうので、家族における介護負担が大きくなってしまうのです。どの程度の症状であれば、老人ホームでの対応可能なのか、事前に確認しておくようにしましょう。
認知症ケアの方針について
認知症の程度によっては老人ホームへ入所する必要がありますが、老人ホームによってケアの方針が異なっています。ケアの方針を知ることは、選ぶときに大切です。まずは、ケアマネージャーに老人ホームの評判を聞いてみましょう。ケアマネージャーは客観的な立場で評価してくれるので、本人の症状にマッチした老人ホームであるか分かるのです。
また、老人ホームでは見学が可能ですので参加しましょう。プライバシーが守られているか、トイレは使いやすいか、尊厳のあるケアを行っているか、安全性など、チェックすべきポイントはいくつもあります。何か分からない部分があった場合は、スタッフに相談するようにしましょう。これによって、老人ホームの実態がより見えてくるものです。可能であれば、ひとつの老人ホームだけでなく、複数の老人ホームを見学しましょう。比較することで、それぞれの良し悪しを理解し、その上で入所を決めましょう。
グループホームの利用も
認知症を発症した高齢者は、自宅での介護が難しくなりますので、老人ホーム以外に、グループホームという選択肢もあります。グループホームとは、認知症対応型共同生活介護と呼ばれるもので、認知症高齢者を対象にした少人数の共同生活施設です。グループホームは1990年代後半に誕生し、2015年の時点で全国に1万3000もの事業所が存在しています。
グループホームは、住み慣れた地域で生活が続けられるようになっているため、近所にそういった施設があるようでしたら入居を検討してみてください。入居費用は、入居一時金や保証金などと呼ばれており、施設によって無料~数百万円に設定されています。費用の部分も考えて選ぶと良いでしょう。
また、グループホームに入居するには、65歳以上で要支援2または要介護1以上の認知症患者である必要があります。グループホームは地域密着型のサービスですので、施設と同じ地域に生活している方が対象です。
認知症高齢者は自宅での介護が難しくなってしまうため、老人ホームに入所しなければなりません。選び方のポイントはまず老人ホームへ見学を行うことです。施設内の設備やケア方針などが合っているかどうか確認しましょう。また、老人ホームではなくグループホームという選択肢も視野に入れて、検討してみてください。