老人ホーム・介護施設・サ高住の経営
この記事では、老人ホームにおけるボランティア活動やメリット・注意点などについて詳しく解説していきます。
「老人ホームのボランティア活動とはどんなもの?」と気になっている人は少なくありません。
また、老人ホームのボランティアに参加する方法やボランティアを辞めたくなったときの方法についても解説していきます。
老人ホームでのボランティア活動に興味のある人は、ぜひ最後までお読みください。
【この記事でわかること】
● 老人ホームにおけるボランティアの活動内容 ● 老人ホームのボランティアで得られるメリット ● 老人ホームでボランティアをする際の注意点 ● 老人ホームのボランティアに参加する方法 ● ボランティアを辞めたいときの方法 |
そもそも老人ホームのボランティア活動とは?
老人ホームのボランティア活動とは、地域住民が施設を訪れて交流することです。趣味や特技を活かして入居者とコミュニケーションをとったり、職員のサポートをしたりします。
身体介護を伴うボランティアはないため、無資格者や介護の専門的な知識・スキルがない人でも、楽しみながら活動できるでしょう。
老人ホームにおけるボランティアの活動内容
老人ホームにおけるボランティアの活動内容は幅広く、自分に合ったものを選べます。老人ホームにおけるボランティアの活動内容は以下の通りです。
- 入居者への個別対応
- 複数の入居者への対応
- 介護職の業務補助
上記3つの活動内容について解説していくので確認してみましょう。
入居者への個別対応
入居者に対して個別に対応するボランティア活動もあります。具体的な活動内容は以下の通りです。
- 本や新聞の朗読
- 囲碁や将棋といった個人ゲームの相手
- 入居者の話し相手
- 散歩の付き添い
また、手工芸や折り紙のような複数の入居者向けの内容であっても、参加希望者が1人しかいない場合、個別対応になるケースがあります。
本来であれば、入居者の対応は施設スタッフの業務です。しかし、人員不足や業務量の多さから、個別で入居者と関わる時間を十分に確保できない現場は少なくありません。
入居者の多くは他者とのコミュニケーションを求めているため、個別対応のボランティアは、入居者の生活への満足度を高められます。
複数の入居者への対応
複数の入居者に対応するボランティアは対象が幅広く、多くの入居者に楽しんでもらうことが目的です。複数の入居者を対象としたボランティアには、以下のものがあります。
- 談話への参加
- 書道や楽器演奏、歌などの指導
- 朗読会や紙芝居などの読み聞かせ
- ダンスや楽器の演奏、マジックなどの発表
- レクリエーションのサポート
複数のボランティアで協力しながら、ダンスや楽器の演奏などを披露するケースも少なくありません。
多くの老人ホームでは、スタッフによってレクリエーションやイベントを実施しています。
そのため、ボランティアによる活動は、入居者にとって大きな楽しみの時間となるでしょう。
介護職の業務補助
ボランティアは、入居者の身体介護などの介護業務を行うことはありません。介護スタッフの補助として行えるのは、以下の通りです。
- ベッドメイキングや掃除、片づけ
- 食事の配膳や配茶
- 備品の交換や植木の選定など施設の整備
メイン業務ではないものの、入居者が生活しやすいように環境を調整する大切な役割があります。
老人ホームのボランティアで得られるメリット
老人ホームのボランティア活動を行うと、多くの人にさまざまなメリットが生じます。
そこで、老人ホームのボランティアで得られるメリットは以下の通りです。
- ボランティアのメリット
- 入居者のメリット
- 老人ホームのメリット
上記3つのメリットについて解説していくので、どのようなメリットがあるのかチェックしてみましょう。
ボランティアのメリット
趣味や特技を活かしたボランティア活動は、入居者やスタッフから感謝・労いの言葉をかけてもらえます。
人の役に立っていると感じることで、やりがいや生きがいといった喜びを感じられるでしょう。
また、入居者は人生経験が長く、ボランティア活動をすることで先人の知恵ともいえる多くの学びを得られます。接する機会の少ない世代と交流を持つことは、ボランティアにとっても大きな刺激となるはずです。
入居者のメリット
老人ホームの入居者は、地域のコミュニティと関わる機会が限られてしまいます。コミュニケーションの機会が欲しいと感じている入居者も、少なくありません。
そこで、ボランティアの存在は、地域社会と交流する貴重な機会となります。話し相手ができることで気分転換になったり、満足度の高い生活を送れたりするでしょう。
また、コミュニケーション能力や認知機能の維持・向上を目指せるのも嬉しいポイントです。
老人ホームのメリット
多くの老人ホームでは、人手不足によってスタッフに業務の負担がかかっています。
ボランティアが個別の対応やレクリエーションの開催といった補助を行うことで、スタッフの負担が軽減されるでしょう。
また、施設は地域社会と交流する機会が少なく、閉ざされたイメージを持たれがちです。地域住民であるボランティアが出入りすることで、地域に開かれた施設というイメージになります。
老人ホームでボランティアをする際の注意点
ボランティアは施設のスタッフではないものの、入居者や施設のスタッフ、他のボランティアが心地よく過ごせるように配慮する必要があります。
そこで、老人ホームでボランティアをする際の注意点は以下の通りです。
- 認知症への理解を深める
- 笑顔・あいさつ・マナーを意識する
- 入居者の意思を尊重する
- 職務の権限の中で活動する
- 約束事や個人情報を口外しない
- 体調管理を徹底する
上記6つの注意点を解説していくので、ボランティア活動をする際は取り入れてみましょう。
認知症への理解を深める
入居者の中には、認知症の人もいるので、どのような症状が現れるのかをしっかり理解してからボランティア活動を始めましょう。
認知症の人は新しい物事を覚えるのが得意ではなく、指先の細かい動きも思った通りにできないことがあります。
そのため、「上手にできないのが恥ずかしい」といった理由から、レクリエーションやイベントに対して前向きになれないことがあります。
しかし、急かしたり自尊心を傷つけたりする言動は控えなければなりません。地域で開催されている、認知症サポーター養成講座を受講しておくのもおすすめです。
笑顔・あいさつ・マナーを意識する
入居者やスタッフ、他のボランティアと信頼関係を築くためには、笑顔やあいさつ、マナーは大切です。
特に、明るい笑顔で接することで、入居者とのコミュニケーションを円滑に進められます。入居者の多くは人生の先輩であるため、敬意を表した態度も心がけましょう。
入居者の意思を尊重する
中にはボランティアの開催したイベントに参加したくない入居者もいます。
特に認知症の人は、新しい環境や不慣れな人間関係に抵抗を感じやすく、安心感が得られるまで参加しない場合も少なくありません。レクリエーションやイベントに不参加でも決して無理強いせず、入居者の意思を尊重しましょう。
また、積極的に参加していなくても声をかけたり、できる範囲で問題ないことを伝えたりすることも欠かせません。
職務の権限の中で活動する
ボランティア活動において、スタッフから依頼されたことは指示通りに取り組みましょう。
どのような活動を行うのか、あらかじめスタッフと打ち合わせを済ませ、合意の上で活動を進めることが重要です。
もし、入居者から身体介護を要求された場合は応じず、速やかに付近にいるスタッフに報告してください。なぜなら、ボランティアが身体介助を行って事故が起きた場合、施設側が責任を負わなければならないからです。
あくまでボランティアであり、介護のスタッフではないことを心得ておく必要があります。
約束事や個人情報を口外しない
ボランティアで出入りする施設の入居者の情報は、決して口外しないようにしましょう。
中には入居していることや病状を知られたくない人もいるので、プライベートな情報は外部に漏らさないように注意が必要です。
個人情報の取り扱いについては、施設のルールやスタッフの指示に従ってください。
体調管理を徹底する
施設に入居している高齢者の中には、免疫力が低下している人や、病気が重症化しやすい人がいます。
体調不良のままボランティアに参加すると、入居者に感染症を広めてしまいかねません。普段から体調管理に配慮し、健康面に問題のない状態でボランティア活動に取り組みましょう。
また、ボランティア活動当日に、風邪症状などの体調不良を感じるようであれば、参加を控えてください。
老人ホームのボランティアに参加資格は必要?
ボランティア活動を行うために、介護福祉士や社会福祉士といった介護に関係する資格を所有している必要はありません。
ボランティアとして活動を始めたい人は、積極的に参加しましょう。
ボランティアは幅広い年齢層が参加している
活動には幅広い年齢層が参加できるので、異世代のボランティア同士で交流を図れます。
また、小学生や中学生のボランティアを積極的に受け入れている施設も少なくありません。その理由は、学童期から介護に関する理解を深め、介護を身近に感じてもらうためです。
親子や三世代で、施設のボランティアに関わるのもよいでしょう。
老人ホームのボランティアに参加する方法
老人ホームのボランティアに参加する方法は、以下の通りです。
- 介護支援ボランティア制度を活用する
- 介護施設に問い合わせる
- 社会福祉協議会に問い合わせる
- NPO法人などの募集から応募する
上記4つの参加方法について解説していくので、自分に合った方法を探してみましょう。
介護支援ボランティア制度を活用する
介護支援ボランティア制度とは、ボランティアを通じて社会参加や地域貢献を行い、高齢者の健康増進や介護予防を目的とした制度です。
社会福祉協議会が、自治体から委託されて運営しています。ボランティアの活動者は一般の高齢者だけでなく、介護認定を受けた人も少なくありません。
介護施設に問い合わせる
多くの介護施設では、随時ボランティアを募集しており、直接申し込むことが可能です。
デイサービスやグループホーム、デイケアなど、幅広い種類の施設でボランティアを募集しています。介護施設のウェブサイトやSNSに、ボランティアの募集内容について記載されていることが多いので確認してみましょう。
社会福祉協議会に問い合わせる
社会福祉協議会とは、社会福祉活動の推進を目的としている非営利の民間組織です。主に、介護や高齢者の生活などに関する相談や情報の提供を行っています。
その他にも、ボランティアセンターの開設もしており、ボランティアをしたい人と、ボランティアを募集している施設のマッチングが可能です。
ボランティアを始めてみたいなら、社会福祉協議会のウェブサイトから募集内容をチェックしてみましょう。
NPO法人などの募集から応募する
介護施設でのボランティア活動を積極的に行っているNPO法人を経由して、ボランティアに応募することも可能です。
また、ボランティア活動について学びを深める活動をしているNPO法人もあり、活動内容は機関によってさまざまです。
地域で活動しているNPO法人があれば、活動内容を確認することをおすすめします。
ボランティアを辞めたいときの方法
ボランティア活動では、特別な契約は取り交わしません。そのため、ボランティアを辞めたいときは所属するボランティア団体や、施設などに辞めることを伝えてください。
同じ地域で生活していく上で、ボランティアを辞めたあとも良好な関係を続けることが望ましいといえます。突然連絡を断つのではなく、しっかりとあいさつしてから辞めましょう。
老人ホームのボランティアはお互いに大きなメリットがある
老人ホームのボランティア活動は、個人対応のものから集団のものまで幅広いのが特徴です。
趣味や資格を活かしたり、労いの言葉をかけてもらえたりすることで、喜び・やりがいを感じられます。
また、入居者や施設にとっても、提供されるサービスの質が向上するメリットがあります。ボランティア活動を始めてみたい人は、介護施設や社会福祉協議会に問い合わせましょう。
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