老人ホーム・介護施設の選び方
この記事では、ケアマネジャーの選び方を解説します。
要支援認定や要介護認定を受けた人のなかには、ケアマネジャーを選ぶことを考えている人も少なくありません。しかし、選び方や上手な付き合い方を知らなければ、後悔してしまうケースもあります。
本記事では、後悔しないケアマネジャーの7つの選び方や上手く付き合う方法を詳しく解説します。相性の良いケアマネジャーを選んで快適な生活を送りたい人は、ぜひ本記事を最後までお読みください。
【この記事でわかること】
● そもそもケアマネジャーとは ● ケアマネジャーの後悔しない選び方7選 ● ケアマネジャーと上手く付き合う方法 |
そもそもケアマネジャーとは?
ケアマネジャーは、要支援・要介護認定を受けた人に対してケアマネジメントを行う人を指します。
介護保険上の正式名称は”介護支援専門員”ですが、”ケアマネジャー”と呼ばれる場合が一般的です。ここでは、ケアマネジャーの役割を詳しく解説します。
ケアマネジャーの役割
ケアマネジャーは、幅広い介護の知識を活かして利用者や家族が抱える介護の悩みの解消を目指す専門職です。介護を必要とする人が、できるだけ地域で自立した生活を送れるよう、適切なサービスを受けられるようにサポートします。
ケアマネジャーの主な業務は以下の表の通りです。
主な業務 | 業務の内容 |
ケアプランの作成・管理 | ● 適切な支援やサービスが受けられるようにケアプランの作成・見直しを行う |
介護サービスの提案・施設の紹介 | ● 介護サービスを提案する
● 施設の紹介・入所をサポートする |
連絡調整・介護サービスの調整 | ● 自治体・サービス事業者と利用者の連絡を調整する
● 利用者が入院した場合、医療機関と連携して退院後に必要な介護保険サービスを調整する |
介護給付の管理 | ● 介護保険サービスを利用した際の介護給付費を管理する
● 毎月のサービス利用実績を確認し、書類を作成し提出する |
要介護認定に関する業務 | ● 自治体から要介護認定調査を委託された場合は聞き取り調査を担当する
● 要介護認定の申請や更新手続きを代行する |
介護サービスを利用するためには、ケアプランが必要です。ケアプランは資格がなくても作成できるため、利用者本人や家族が作成しても問題ありません。
しかし、ケアマネジャーなら、専門的な知識を活かして給付の限度額の範囲内で必要な介護サービスを提案してくれます。介護予防や自立促進など、自分や家族のニーズに合ったケアプランで適切な介護保険サービスに繋げたいなら、ケアマネジャーへの依頼がおすすめです。
ケアマネジャーの後悔しない選び方7選
ケアマネジャーが作成するケアプランは、性格や介護観などに大きく影響を受けます。相性の良いケアマネジャーを選べば、利用者や家族の意向に合ったケアプランを作成してもらえるでしょう。
- 相談しやすいか
- 説明が丁寧でわかりやすいか
- 専門的な知識・経験が豊富であるか
- 信頼できる事業所に所属しているか
- 得意分野が明確であるか
- 連絡がすぐに取れるか
- 柔軟かつ適切なアイデアを出してくれるか
後悔しない方法として、上記7つの観点をそれぞれ解説します。
相談しやすいか
介護保険サービスについて何度もコミュニケーションを取る必要があるため、ケアマネジャーは相談しやすい人柄であることが重要です。
利用者本人や家族の要望を伝えやすいケアマネジャーなら、気兼ねなく相談でき、ニーズに合った介護保険サービスの導入に繋がるでしょう。
説明が丁寧でわかりやすいか
介護全般に関して豊富な知識を持つケアマネジャーなら、介護や今後の生活などに関して質問した際に理解しやすく丁寧な説明をしてくれます。
ケアマネジャーの説明がわかりにくいと、何度も質問をする必要があり、利用者や家族は不安を感じやすいでしょう。また、コミュニケーションで齟齬が発生し、希望とは異なる介護サービスを提供されるケースがあります。
丁寧で理解しやすく説明してくれるケアマネジャーなら、任せることへの不安が少ないといえます
専門的な知識・経験が豊富であるか
ケアマネジャーは経歴や所有する国家資格が異なるため、強みや得意分野は人それぞれです。
自分や家族に必要な介護を得意とするケアマネジャーであれば、回復に向けてより効果的なサポートを提案してくれます。ケアマネジャーを選ぶ際には、強みや得意分野を聞いてみることがおすすめです。
信頼できる事業所に所属しているか
ケアマネジャーが所属する事業所の信頼度は、ケアマネジャーを選ぶうえで大切な要素です。
ケアマネジャーが所属する事務所には、以下の種類があります。
- 個人への居宅介護支援サービスのみを提供する独立型
- 個人のほか、デイサービスや老人ホームなどの業務も併せて行う併設型
- 施設の入居者のみに対応する施設型
近年では、併設型の事業所に所属するケアマネジャーがほとんどです。
介護において大切にしていることを事業所の人に尋ね、本人や家族の心に響く回答を得られれば、信頼できる事業所と判断できるでしょう。
得意分野が明確であるか
ケアマネジャーの試験を受けられるのは、介護福祉士や社会福祉士、看護師などの国家資格を持ち、5年以上の実務経験がある人に限られています。
経歴や所有している資格はケアマネジャーごとに異なるため、専門的な知識や経験が豊富であるかを把握しておくことが重要です。
介護保険制度だけでなく、介護や医療に関する知識も豊富なケアマネジャーなら、利用者や家族の希望に沿った提案をしてくれるでしょう。医療的ケアを重視したい場合は看護師経験のあるケアマネジャー、介護保険サービスの利用を中心に考えている場合は介護福祉士の資格を持つケアマネジャーがおすすめです。
連絡がすぐに取れるか
高齢者は免疫力や体力が低下しているため、環境の変化や季節の変わり目などに体調を崩しやすくなります。体調不良などの緊急時にスムーズに連絡を取れると、安心感を得られるでしょう。
ケアマネジャーを選ぶ際は、連絡手段や連絡を取れる時間帯・取れない時間帯などを把握しておくことがおすすめです。特に、自宅から近い事業所なら、細かい対応が期待できるうえ、緊急時に迅速な対応をしてもらえるでしょう。
また、担当のケアマネジャーが対応できない場合のフォロー体制も確認しておきましょう。
柔軟かつ適切なアイデアを出してくれるか
利用者本人や家族の抱えている介護の問題や悩みは、人ぞれぞれです。その人の状況や必要なサポートなどに合わせて、適切なサービスを柔軟に提案してくれるケアマネジャーを選びましょう。
最適なサービスを選択するには、利用者や家族の要望を汲み取ったケアプランを作成してもらうことが必要です。「できるだけ長く自立した生活を送りたい」や「家族の介護負担を軽減したい」などの要望をしっかり伝え、要望に合ったケアプランを作成してくれるケアマネジャーを選びましょう。
ケアマネジャーと上手く付き合う方法
ケアマネジャーと良好な関係性を築けると、希望に合った介護サービスの導入や安心感に繋がります。
- 利用者の状況を適切に把握してもらう
- 不明点はこまめに質問する
- こまめに連絡を取る
- 要望や相談内容は具体的に伝える
- 日頃から感謝の気持ちを伝える
上記5つのポイントをそれぞれ解説するので、ケアマネジャーと良好な関係性を築きたい人は参考にしてください。
利用者の状況を適切に把握してもらう
ケアマネジャーに利用者の状況を適切に理解してもらうと、利用者に合った介護保険サービスの導入に繋がります。身体の状態だけでなく、本人の嗜好や趣味・特技、抱えている悩みなどをケアマネジャーが把握していると、本人に合ったケアプランを作成しやすくなるでしょう。
また、介護期間中は介護サービスを始めとした経済的な負担もかかります。経済的な状況も伝えておけば、予算内に応じて介護保険サービスを組み合わせてもらえるだけでなく、活用できる軽減・減免制度についての情報を集めやすいでしょう。
ケアマネジャーには守秘義務があるため、周囲に言いにくい内容も気軽に相談できます。
不明点はこまめに質問する
介護や今後の生活などについて不明点があれば、遠慮なく質問することがおすすめです。できるだけその場で質問して、すぐに解決しましょう。
利用者・家族側の不安を解消できるうえ、ケアマネジャー側も利用者・家族が抱えている悩みや問題を把握できます。利用者・家族が質問をしないままでいると、介護について十分理解していると勘違いされ、話を先に進められてしまうケースは少なくありません。
こまめに連絡を取る
ケアマネジャーと良好な関係性を築くには、普段からケアマネジャーとこまめに連絡を取り合うことが大切です。困っていることや要望を具体的に伝えれば、適切な介護サービスを提案してもらえます。
特に、家族が遠方で離れて暮らしている場合、利用者本人の暮らしぶりを知る機会は多くありません。ケアマネジャーと密にやり取りをしておけば、利用者の状況を把握しやすいといえます。
要望や相談内容は具体的に伝える
ケアプランは、利用者や家族の要望を反映させながら、利用者の生活の質の向上を目指して作成されます。
しかし、ケアマネジャー側が利用者や家族の意向を理解しきれていない場合、希望していたものとは異なるケアプランが作成されるケースは少なくありません。
要望や相談内容は具体的に伝え、ケアマネジャーと理解のズレが生じないようにしましょう。
「介護支援のスペシャリストだからきっと要望を理解してくれるだろう」と安易に考えず、明確に伝えることが重要です。
日頃から感謝の気持ちを伝える
ケアマネジャーには、突然の体調不良や入院、介護サービスを利用中のトラブルなどに対応をお願いする場合が多くあります。
ケアマネジャーは1人で複数名の利用者を担当しており、一人ひとりの利用者にしっかり対応してくれています。日頃から感謝の気持ちを伝えて労うことで、ケアマネジャーとの良好な関係性を保ちやすくなるでしょう。
ケアマネジャーの選び方に関するよくある質問
ここでは、ケアマネジャーの選び方に関するよくある質問に回答します。
- ケアマネジャーは変更できる?
- ケアマネジャーに相談できることは具体的に何?
- ケアマネジャーの利用料金はいくら?
上記3つの質問をそれぞれ見ていきましょう。
ケアマネジャーは変更できる?
利用者側が希望すれば、ケアマネジャーを変更できます。変更理由を伝える必要はなく、変更の手続きに費用はかかりません。
「ケアマネジャーとの関係性が上手くいかない」や「ケアマネジャーと介護の方向性が合わない」などと感じる場合、ケアマネジャーの変更が選択肢の1つです。
相性の良いケアマネジャーを見つければ、希望に合った介護保険サービスを導入できるでしょう。
ケアマネジャーに相談できることは具体的に何?
ケアマネジャーには、介護・在宅生活全般について相談できます。
相談できる具体的な内容は、主に以下の通りです。
- 利用者の心身の状態や要介護度
- 介護に取り組んでいる家族の健康問題
- 介護サービスや社会資源、入居施設の情報収集
- 日常生活で困難が生じていること
ただし、全ての相談内容をケアマネジャーが解決できるとは限りません。要介護度に応じて介護保険の限度額内で利用できるサービスは限られており、サービスを充実させるには保険外サービスを利用しなければならないケースもあります。
普段から良好な関係性を保てているケアマネジャーなら、対応してもらえるかを気軽に相談しやすくなります。
介護や身の回りのサポートについて希望がある人は、担当のケアマネジャーとコミュニケーションを取って相談してみましょう。
ケアマネジャーの利用料金はいくら?
ケアマネジャーの利用料金は、すべて介護保険で賄われます。ケアプランの作成や介護保険サービスの相談などを依頼しても、利用者側の費用負担はありません。
経済的な理由からケアマネジャーへの依頼を躊躇する必要はありません。
選び方を押さえて自分に合ったケアマネジャーを見つけよう
ケアマネジャーは、介護を必要とする人やその家族に対してケアプランの作成や介護サービスの提案、施設の紹介などを行う介護支援の専門職です。
希望に合った介護サービスや施設を探すためには、相性の良いケアマネジャーであることが重要です。ケアマネジャーを選ぶ際は、相談のしやすさや専門的な知識・経験の豊富さなどをしっかり見極めましょう。
また、良好な関係性を築くためには、利用者の状況を適切に把握してもらうことや不明点をこまめに質問することが大切です。介護に関する細かな悩みに対応してもらい、安心できる生活をサポートしてくれるケアマネジャーを選びましょう。
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