老人ホームに苦情を言いたい!相談窓口や対応方法についてご紹介します

介護の問題・トラブル

実は、老人ホームでは事故や金銭面でのトラブルがよくあります。
入居者が高齢で体が思うように動かなかったり、認知症の症状があったりしてうまく意思疎通ができない場合から、事故や怪我をしてしまうことも多く、軽傷で済むものから重大なものまでさまざまです。

事故や金銭面でのトラブル、不平や不満がある場合に家族が取るべき行動は、きちんとした事実を苦情として伝えることです。

この記事では、老人ホームに多い苦情の実例や、申し出る方法をお伝えしていきます。

老人ホームに多い苦情の事例

それでは、老人ホームにはどんな苦情があるのでしょうか。

具体的な事例をご紹介していきます。

転落や転倒による怪我があったが、施設側が過失を認めない

老人ホームでは、歩行中の転倒、ベッドや車いす・便座からの転落などが頻繁に発生しています。

少しの転倒でも骨折してしまい、そのまま寝たきりの状態になってしまう場合も。このような場合、施設側が過失を認めないというケースもよくあります。

脱水症状がみられるが、施設に相談しても改善が見られない

高齢になると腎機能が低下してきます。
そのため、季節を問わず脱水症状に陥りやすく、気付いた時には昏睡状態になってしまうこともあるため、注意が必要です。
家族が見て、水分が足りていないように感じ施設に相談しても、具体的に改善されているのかわからない場合もあります。

施設利用料の総額だけしか知らされず、内訳を見せてもらえない

毎月施設利用料は請求されるものの、明細書まで見せてもらえないケースもあります。
高額な入居費がかかることも多い老人ホーム。
しっかりと内訳がわからなければ不信感につながってしまうでしょう。

「介護サービス費」が請求されるが、具体的な介護内容がわからない

こちらも金銭トラブルの一例です。
「介護サービス費」として請求されるものの、具体的な介護内容がわからなければ、実際にサービスを受けているのか、確認ができません。これも不信感の元になります。

老人ホームに苦情を申し出る方法

このように老人ホームに不満を感じていても、「苦情を言うことで入居者にとっては不利になり、かえって嫌な思いをするのでは」と躊躇してしまうこともあるでしょう。

しかし、入居者がより快適に生活できるようにするためにも、なるべく早く苦情を伝え安心できる環境を整えることが必要です。
重要事項説明書に「苦情連絡先」を記載してある場合が多いので、確認しておきましょう。

ここでは苦情を申し出る場所についてご紹介します。

施設のホーム長やケアマネジャー、経営者

苦情を申し出る場合、まずは施設のホーム長やケアマネジャー、経営者へ相談します。

場合によっては録音し、証拠として残しておきましょう。
もし、事故に対する苦情の場合は、損害賠償について契約書に記載されているはずですので、必ず確認しましょう。

地域包括支援センター

地域包括支援センターとは、地域の高齢者の自立支援や尊厳の保持を目的として、地域住民の保健・福祉・医療の向上、虐待防止、介護予防マネジメントを行う場所です。
いわば、介護に関する地域の相談窓口です。

施設に入る前からお世話になって入るケアマネジャーがいれば、相談に乗ってもらいましょう。

国民生活センターや全国の消費生活センター

あらゆる消費生活全般のトラブルに関する苦情や相談を受け付ける機関です。
介護トラブルについても例外ではなく、公正な立場で対応してくれます。

法律事務所

ここまでの相談でどうしても解決できない場合や、法律による審判を望む場合は、弁護士に相談することになります。

ただ、時間だけでなく費用もかかり、裁判をして和解をした場合、出費の方が多くなるケースもあるので注意が必要です。

まずは社会福祉協議会の無料相談などを利用してみましょう。

苦情の申し立ては本人か家族が行いましょう

苦情の申し立ては、基本的に本人か家族が行います。

先ほどお伝えしたように、苦情はまず老人ホームに伝えます。
そこで改善されないときは、市区町村の苦情相談窓口などに申し立てをします。問題解決に向けて働きかけてくれたり、弁護士に取り次いでくれたりする場合もあります。

また、介護保険事業者への助言や指導、介護サービスに関する苦情処理を行ってくれる「国民健康保険団体連合会(国保連)」も心強い味方です。直接苦情を言いにくい人のために相談に乗ってサービスの向上に努めてくれます。

このようにさまざまな機関がありますので、本人や代理の家族が苦情の申し立てを行いましょう。

まとめ

不満や不信感を抱いたら、まずは早めに相談しましょう。
利用者側が躊躇せずに訴えていくことで、老人ホームの全体的なサービス向上にもつながります。

まずは老人ホームのホーム長やケアマネジャー・経営者へ相談し、それでも解決しない場合はご紹介したような機関を利用しましょう。段階を踏んでいくことで解決策が見つかるはずです。

不満や不信を解決して、安心して過ごせる環境を整えましょう。