U.K.こと楠雄二朗さん(Uちゃん)と、株式会社エースタイルの谷本吉紹社長(谷さん)がDJを務めるラジオ番組「それU.K.ミライbridge」
前半は、関西で活躍しているビジネスマン、アスリート、有名人をピックアップし、その方のイマまでの歩み、そして、ミライについてお話を伺うミライ・リーダーのコーナー。
第44回目の今回は、株式会社LITALICO 地域連携コーディネーター・中村優さんをゲストにお招きしています!
障害に関わる仕事に転身したきっかけ
「障害のない社会をつくる」をビジョンに掲げ、障害者の方の就労支援事業、障害児支援事業、幼児教室や学習塾などの教育サービスを提供されるLITALICO。
LITALICOさんは、詳しくはどういった事業をされているんですか?
大きく分けて、「店舗事業」「プラットフォーム事業」「ライフプランニング事業」 の 3つの事業を運営しています。
就労支援サービスや放課後等デイサービス、習い事教室を運営する「店舗事業」、Webサイト運営などインターネットを活用した「プラットフォーム事業」、障害を持つ方の面談や勉強会を行っている「ライフプランニング事業」の3本柱で運営されているそうです。
中村さんは、店舗事業のなかにある“就労移行支援事業”の部署で地域連携コーディネーターとして働かれています。
主に、一般企業への就職を目指す障害者の方を支援するのが業務です。
元々は一般企業で働かれていて福祉業界とは無縁だったそうですが、なぜ今の仕事に転身されたのでしょうか?
甥っ子が発達障害で、いろいろと調べて初めて詳しく知ったんです。自分は無知だなと感じましたね。
その時「自分ごとにならないと、みんな知らないもんだなぁ」と思って、それをきっかけに福祉業界に飛び込んだんです。
U.K.さんは、小学校の頃「発達が遅れているんじゃないか」と周りに言われていた時期があったそう。
「『でもそんなやつでもここまで来れるんだぞ!』っていう思いがあってこの番組を始めた部分もあるんですよ」と教えてくれました。
自分が味わった悔しさや悲しみをなんとかしていきたい、社会に向けて。
中村さんもそういう思いもあったんでしょうか?
僕も小中高と順調にきたタイプではなくて。
今の学校教育ってずっと時間割通り、座ってなきゃいけない。でもそれが苦手な子もいる。
「その時座っているだけの授業って、その子にとって何になるんだろう……」って思ったりしたことがあって。
そんな思いから、LITALOCOの幼児教室・学習塾の授業では生徒それぞれの個性や強みを伸ばしていくような教育をやりたい!と力を入れているそうです。
同じ悩みを抱える人たちで“情報共有の場”を
LITALICOのプラットフォーム事業では、障害がある方のために作られたサイトの運営がなされています。
児童の親御さん向けのポータルサイトもあるんですよね。
「LITALICO発達ナビ」っていうサイトで、親御さん同士が相談したり雑談できるスレッドも立っているんですよ!
すごい役立っているサイトなんだなって。
「LITALICO発達ナビ」は、“障害”をテーマにさまざまなQ&Aや関連コラム、施設検索やクチコミ検索までできるとっても便利なサイト。
悩みを抱える親御さんって、きっと孤独なんじゃないかと思うんです。
誰に相談していいかわからないし、一つレッテル貼られたら人はそうと決めつけるから、隠さないといけない。でも少しでも情報共有をしたい……。
そんな方にとって本当にすばらしいサイト、そして会社ですよね。
「地域みんなで連携して困っている人を支えたい」
実際に今の仕事に就いてみて、障害者施設や障害者の方へのイメージがこれまで思っていたのと全然違っていたそうです。
自分は発達障害だと知らず、会社で働くなかで「実は発達障害だった」とわかった20代後半~30代前半の方が多いんだと知りました。
中村さん「勉強もできて高学歴の方も多いんです。僕はそんなに高学歴じゃないので、僕なんかが支援していいのかなって思うぐらい。だから僕の中での常識が覆った瞬間でもあったんです。“勉強”と“働く”って、また別の力が必要なんだなって」
地域連携コーディネーターとして、自分の会社の中だけでなく、ほかの事業所も一緒になって大阪という地域全体で盛り上げないといけない、とおっしゃいます。
地域の事業所さん同士の連携をもっと深めていけるよう進めていくのが僕の役割なので、今後ももっと活動的に頑張っていきたいと思っています。
中村さんはLITALICOという会社の枠を越え、「ディスカバリー」という障害者雇用を推進する団体も作られており、教育、福祉、企業の3つの連携が深まることで支援の幅がより広がりつつあると実感しておられるそうです。
ほかにも、有志でメンバーを集めた「つなぐプロジェクト」といった支援団体も作ろうとされています。
中村さん「引きこもりの方の『8050問題』なども深刻になってきているので、あらゆる問題を乗り越えるためにはいろんな枠を越えた連携が必要になってきます。そのために今後も頑張っていきたいと思っています」
最後に皆さんにお伝えしたいことがあれば、ぜひお願いします。
困っている方ほど発信ができないことが多いんじゃないかなと感じているんです。
障害のある方に限らず、困っていることや就労で悩みを抱えている方は、お気軽にご連絡してくださいね。
一人で抱え込まず、まずは誰かに話して相談するということが一歩になるのかもしれませんね。
LITALICOが運営する支援サービスやポータルサイトなど、詳しい内容は以下リンクをチェックしてみてくださいね!
株式会社LITALICO(りたりこ)
学習塾及び幼児教室の運営事業、児童福祉法に基づく障害児支援事業、障害者総合支援法に基づく就労支援事業、インターネットメディア事業 ほか