女性のために、職種を越えた親身な診療を。レディースクリニックかとう・加藤宗寛さん

「それU.K.!! ミライbridge」 後半は、 大阪・難波にあるFM大阪の中に、日曜日のこの時間にだけオープンするパートナーズカフェ。
介護・福祉・看護業界で活躍されている、普段はなかなか脚光を浴びない方々に、スポットライトをあてて主役にしていくコーナーです。

第113回目のゲストは、レディースクリニックかとう・加藤宗寛さん。

今回はお茶の間のアイドルU.K.さん(Uちゃん)と、YouTuberユニット「介護あかるくらぶ」のきったんがお届けします!

女性に寄り添った小さなレディースクリニック

レディースクリニックかとうは、阪急「川西能勢口駅」から徒歩1分ほどの駅近にあります。

きったん「加藤先生は3代目になるんですが、とても話しやすくて“生涯女性のミカタ”というのをキーワードにされているんです」

加藤さん「私の教室の教授が考えた言葉なんですが、ミカタっていうのは“味方”もありますが、診療の“診”もみると読みますし、看護の“看”もみると読みますよね。それぞれの意味をかけて、女性をみていこうという思いを込めています」

多職種連携にも力を入れていらっしゃって、理学療法士さんとかスポーツインストラクターさんと一緒にリハビリを治療に取り入れられたり、事務職員さんがよもぎ蒸しを勉強されて、クリニック内にリラクゼーションスペースを作ったりされているんですよ。

小さなクリニックなんですが、私がもう一つモットーとして掲げているのが“病院と美容院は一字違いで大違い”です。

加藤さん「もし女性の方が美容院に行かれて長い時間待たされて、ろくに話も聞いてもらえずに髪を切られてお金だけ払って帰ってくることになったとしたら、誰が二度とその美容院に行くでしょうか。癒されて少しでも前向きになれるのが良い美容院じゃないのかなと思うんです。でも病院はその逆をやっていませんか?というのが私の考えなんです」

加藤さんは、約30年間大きな病院に勤務医して勤めていらっしゃいましたが、大きな病院ほど縦割りなんだとおっしゃいます。

加藤さん「看護師さんは看護師さん、介護の方は介護の方、医者は医者といった感じで縦割りなんです。でも私のところは小さなクリニックなので、患者さんがいたら“みんなでケアしていきましょう”っていうコンセプトでやっています」

プロとプロが協力し合う“多職種連携”

Uちゃん「さっき、よもぎ蒸しをされているとお聞きしましたけど、どちらかというと美容というより東洋医学に近いですよね」

加藤さん「代替医療と呼んでいるものの一つです。東洋医学的なところもありますね。理学療法っていうのも一緒で、マッサージっていうと価値が低く見られて、電気を当ててみたりとか温めてみたりする治療の方が重く見られる部分があるんですよ。でもそういうのはおかしいんじゃないかなって。触れ合いの中で治療していくものに価値を見出していかないといけないんじゃないかなと思っています」

加藤さんからお聞きした理学療法士さんの話で印象に残っているのが、お産の時にテニスボールを使って旦那さんが妊婦さんをサポートするやり方があると思うんですが、理学療法士の方がテニスボールで押してあげたら分娩の痛みが緩和されたんですって。そういうのも多職種連携の一つですよね。

そうですね。大きな職能なんですよ。大きな病院に行けば理学療法士さんも助産師さんも何十人といらっしゃる。でもお互いに全然知らないんですよね。だからうちでは、最初に会わせるんですよ。そうすると、理学療法士と助産師がそれぞれにできることはないか、お互いに交流して考え始めるわけです。そして考えられたのが、今北林さんがお話されたお産の時の疼痛緩和ですね。

加藤さん「お産って言うのはいつ起こるかわかりませんから、夜中の2時に理学療法士さんがいらっしゃるわけじゃない。じゃあどうしますか?ということで私が考えたのが、理学療法士さんを講師にして助産師さんに疼痛緩和を教える講習です。講習を始めるとたくさんの助産師さんが興味を持ってくれて、受講に来てくださいました。今では、うちの理学療法士は助産師さんが“エキスパート助産師”になるための講師にまでなっています」

Uちゃん「女性にまつわることはすべて加藤先生にお任せしたいなと思いますね」

加藤さん「女性の医学っていうのは非常に守備範囲が広いものですからね」

人生100時代に合った女性のケアを

女性が歳を取っていくと閉経があると思うんですけど、その辺りに関してはどのようにアプローチされていますか?

加藤さん「女性って言うのは7つごとに歳を取ると言われています。7歳で男女の際が出てきます。14歳で初潮を迎えて、21歳で子どもを産み始めて、28歳で生殖のピークを迎えて35歳で少し衰えてきます。42歳でほとんど自然には子どもができなくなって、49歳で閉経します。2000年前の中国の漢の時代、黄帝内経(こうていだいけい)という本に書いてあるんです」

でも、今は人生100年時代って言いますよね。

おっしゃる通りです。これからは閉経後の女性に対してどのような治療をしていったらいいのかなということを考えていますし、ホルモン補充も大事になってくるんだろうと思っています。

最後に、加藤さんから今後の展望を教えていただきました。

加藤さん「まだまだ性のことに対して語りにくい部分があると思います。これからは、我々男性も口に出して話ができるようなオープンな世界を作っていきたいなと思っています」

今週は、レディースクリニックかとう・加藤宗寛さんにお越しいただきました。
貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!

かとうレディースクリニック

YouTuberユニット「介護あかるくらぶ」

株式会社エースタイルの社員3人が結成したYouTuberユニット。介護あかるくらぶ(明るく×Love)として、介護にまつわる情報を発信。