「生」食パン発祥の店としてブレイクするまでの軌跡。株式会社乃が美ホールディングス 代表取締役社長・阪上雄司さん

U.K.こと楠雄二朗さん(Uちゃん)と、株式会社エースタイルの谷本吉紹社長(谷さん)がDJを務めるラジオ番組「それU.K.!! ミライbridge」。

前半は、関西で活躍しているビジネスマン、アスリート、有名人をピックアップし、その方のイマまでの歩み、そして、ミライについてお話を伺うミライ・リーダーのコーナー。

第113回目も、株式会社乃が美ホールディングス 代表取締役社長・阪上雄司さんをゲストにお招きしています!

高齢者の方もおいしく食べられる食パンを

高級「生」食パンでブレイクした乃が美ホールディングスを経営される阪上さんですが、きっかけは老人ホームに行った時にパンの耳を残している高齢者の方を見て、「これじゃいけない」と思ったところからこの高級「生」食パンが生まれたとお聞きました。

商品が出来上がるまでには、数々の試行錯誤と長い月日がかかり、さらにお店がオープンしてからも最初はなかなか売れず、仕事終わりにご自身の軽自動車にパンを積んで、知り合いの方に買ってもらったりしていた時期もあったのだそうです。

いきなりブレイクしたわけではないんですね?

全然です。オープン初日なんて30本も売れませんでしたし、毎日のように知り合いの会社に売りに行ったりしてました。

そんな高級「生」食パンが、今はなんと一日に8万本から9万本も売れているのだとか!

1本800円ですよね? 9万本やったら、一日7,200万円の売り上げじゃないですか!

高級「生」食パンのブレイクのきっかけはあの有名人!?

ここまでブレイクするのに、何かきっかけはあったのでしょうか?

阪上さん「ひょっとすれば時代に付いていたっていうのもあると思うんですよ。ちょうどSNSが流行ってきた時代だったので、親しくしているアイドルの方が食べに来てくれた後に「あまりにもおいしいから」ってTwitterにアップしてくれていたんですよ。その次の日からちょこちょこお客さんが来るようになったなぁと思っていたら、『Twitterにあがっていたんで』って言って来てくださっていたんですよね」

ちなみにそのアイドルの方とは、SPEEDの上原多香子さん。
今から8年程前のことで、まだインフルエンサーなどがいなかった頃だとおっしゃいます。

乃が美さんって当時からおしゃれな紙袋というかパッケージで出されていてね、あれって今でいうインスタ映えじゃないですか?
その先駆けを作ったみたいな感じじゃないですか?

阪上さん「食パンがおみやげになれば、っていうコンセプトでやっているんです。100年続く事業をやるには必ず『和』でやりたかったんですよ。和の心が最後には残るというか、たとえば僕は若い頃は『お肉お肉』って言ってましたけど、だんだん和食……やっぱり歳いったら和食の良さがわかってくるじゃないですか?」

なので、普通パン屋さんってもっとポップなイメージで店名も横文字が多いと思うんですけど、うちは思い切って漢字の店名にしました。
しかも北新地とかでおみやげになるような、黒と白を基調とした和の袋で販売したらどうなんやろう、っていう考えで今の形になりましたね。

「大阪駅で初めて、反対側のホームで乃が美の袋を持っている人を見かけた時に本当に嬉しかった」と、当時を振り返ってお話してくださいました。

谷さん「この間、僕がTwitterで乃が美さんの食パンのことをアップしたら、フォロワーさんが『私も買ってるんです』って返してくださって。『ちょうどいい価格なんです。おみやげとして喜んでもらえるしおいしいし、だから乃が美は外せないんです』とおっしゃっていました」

阪上さん「小学校の時のおみやげのイメージで、ケーキとかドーナツはあるんですけど、食パン持って来られて嬉しいかっていうイメージが当時は湧かなかったと思うんですよね」

わかります。僕も乃が美の800円の食パンがリリースされた時に、最初『食パンでしょ』って思ったんですよ。でも食べたらおいしいから納得いくんですよね。
この「生」食パン、おいしく食べる方法があれば教えていただけますか?

食べ方でいうと、初日は指でちぎってそのまま食べてくださいって言うんですけど、理由があって、包丁を入れるとギシギシと擦れて繊維をつぶしてしまうんで、繊維を剥がすようにして食べていただけるとふわっと口どけが良くなるんです。

全国制覇の次は海外進出を目指して

今後目指していきたい取り組みなどをお伺いしました。

阪上さん「「生」食パン発祥、ということで“乃が美”という名前を知っていただけるようになったんですけども、私が目指しているところで言うと、共通言語で「食パン買っていくわ」じゃなくて、」「乃が美買ってきて」「家に乃が美あるとかね。つまり、「生」食パン=乃が美と言っていただけるような。「餃子買ってきて」じゃなくて、「今日、王将買って来たで」みたいに言われるような、そういう会社を目指したいです」

ちなみに今、乃が美さんは日本全国に220店舗くらいあると思うんですけど、海外はまだなんですか?

47都道府県制覇しましたね。
ちょうど今海外に向けて進出計画中でして、固いパンを好まれている国にもこの柔らかい口どけの良いパンで挑戦してやろう!と思っています。

僕は、「乃が美パリ」作ってほしいなぁ~

勢い止まらない乃が美ホールディングスですが、最後にメッセージをいただきました。

阪上さん「「生」食パン発祥のお店として、これからも日本では一番に名前があがってくるような会社で愛されるように頑張っていきたいなと思っていますので、宜しくお願いします!」

阪上さん、二週にわたりお越しいただいてありがとうございました。

高級「生」食パン専門店 乃が美