あの名曲『トイレの神様』の誕生秘話♪シンガーソングライター・植村花菜さんのイマまで

U.K.こと楠雄二朗さん(Uちゃん)と、株式会社エースタイルの谷本吉紹社長(谷さん)がDJを務めるラジオ番組「それU.K.!! ミライbridge」。

前半は、関西で活躍しているビジネスマン、アスリート、有名人をピックアップし、その方のイマまでの歩み、そして、ミライについてお話を伺うミライ・リーダーのコーナー。

第132回目は、シンガーソングライター・植村花菜さんをお招きしています!

シンガーソングライターとしての始まり

以前、エースタイルが企画・運営した音楽イベントでお世話になった植村花菜さんにお越しいただいています。

植村さんは関西に縁がありますよね?

兵庫県川西市出身なんです。
小さい時に歌手になるって決めて毎日ずっと家で歌の練習をしてきたんですけど、19歳の時に独学で作詞作曲とギターを始めまして、川西の能勢口駅の前の広場でストリートミュージシャンとして活動していました。

ご自身がシンガーソングライターとしての人生が始まったのはそこからだという植村さん。

その後、腕試しのつもりでオーディションに行った植村さんは見事グランプリを獲得。

当時所属されていたキングレコードから2005年にメジャーデビューすることになり、2021年で10年目に突入されたそうです。

歌手を目指したのは、8歳の時にお母様が好きだった映画『サウンド・オブ・ミュージック』を見たことがきっかけだったのだとか。

「音楽ってこんな風に人をハッピーにすることができる力があるんや!」って子どもながらに感動したんです。
私もこの世界みたいに将来は毎日歌を歌って、自分や家族、周りの人たちを笑顔にできるような人生を送りたいと思いました。それからは毎日歌の練習をしていましたね。

とはいえ、川西でストリートミュージシャンとして活動していた頃は、一日に何時間も歌っている中で一人足を止めてくれたら「あぁ今日は良かったな」と思うぐらい、誰も止まってくれなかったとおっしゃいます。

Uちゃん「その時はカバーも歌っていたんですか?」

植村さん「オリジナル曲です。ストリートライブをやりたくて作詞作曲とギターをやり始めたんですけど、みんなカバーからやり始めるっていうことを知らなかったんです。『作詞作曲とギターをやるぞ』って決めてから2週間で曲ができたんですけど、その瞬間にギターを担いで駅まで走って行って。でもその一曲しかないから、そればっかり歌ってたんです(笑)」

最後になるはずだったアルバム曲が大ヒット!

ストリートミュージシャン時代のメンタルの強さがあったからこそ、オーディションに出場して優勝できたのかもしれませんね。
でも正直、デビューしてからも苦労した時期が長かったですよね?

5年まったく売れなかったんです。所属事務所からも「もう契約終了です」っていうところまで来て、次のアルバムで最後になると。
すごく悩んだし辛かったし、でも最後にメジャーで出せるアルバムだから何か残したいと思いました。

「自分にしか作れない曲を最後のアルバムに込めたい。自分にしか書けない曲ってなんやろう」と自問自答したという植村さん。

植村さん「ふと、『今の自分があるのっておばあちゃんのおかげやな』って思ったんです。おばあちゃんとの思い出の曲を作って最後のアルバムに込めたいなって。プロデューサーさんに『私、昔おばあちゃんと二人暮らししてて、気立ての良いお嫁さんになりたかったからお手伝いをずっとやってたけど、トイレ掃除だけどうしても嫌いやったんです。そしたらおばあちゃんに、“トイレにはそれはそれは綺麗な女神様がいてね。毎日お掃除したらあんたも女神さんみたいにべっぴんさんになれるんやで”って言われたんです』っていう話をして」

それを聞いたプロデューサーさんは「その話すごく良いから歌にしようよ」と言ってくださったそうです。

そこから生まれた名曲が、2010年に大ヒットすることとなった『トイレの神様』でした。

コロナ禍で生まれた最新アルバム『それでいい』

歌の歌詞の中にね、「鴨なんば」とか「新喜劇」ってワードが入っているんですよね。
でもそれが魂っていうか、言霊みたいな感じで僕たちの心にずしんって入ってくる。

おばあちゃんとは12年一緒に住んでたんで、12年分の思い出があって、あれでもかなり削ぎ落としたんですけど……(笑)10分弱の曲なんです。

長っ!

当時の植村さんは、自分のために作った曲があんな風にヒットするなんて思ってなかったのだそうです。

植村さん「『トイレの神様』がアルバムのタイトル曲になるなんて思ってないし、ましてやあの曲を聞いた人が涙してくださるなんて微塵も思っていなかったです」

びっくりしたんですけど、その歌のおかげでいろんなことに気づかせてもらえました。

植村さん「『鴨なんば』とか『新喜劇』ってすごく個人的なワードだったけど、あの個人的なワードを聞いて『あ、うちの場合は鴨なんばじゃなくてお好み焼きやったな』とか『新喜劇じゃなくてロッキーやったな』とか、それぞれ自分の家ではこうやったな、っていうのと照らし合わせて聞いてくださって。でも、家族の悩みってみんな大なり小なり、同じところで悩んだり苦しんだり悲しんだりするじゃないですか?私のエピソードを通じて、皆さんがいろんな思いを重ねて聞いてくださったんじゃないかなって」

私の妻と出会った頃、歌がすごくヒットしていた時やったんでカラオケで歌ったら、歌いきれずに必ず途中で泣くんです。

かわいい奥さんですね。みんな感無量になっちゃうんでしょうね。

私もいっつもギリギリですもん(笑)

2011年には北乃きいさん主演で、植村さんのお話をベースとしたドラマスペシャル『トイレの神様』が放送されました。

それからずっと長く活躍し続けている植村さん。
2021年にはミニアルバム『それでいい』がリリースされました。

植村さん「全曲、コロナ禍で作ったアルバムです。『生きている』『生かされている』ってどういうことなんやろうっていうのをコロナ禍で皆さんすごく考えられたと思うんですけど、私もすごく考えて、命があって家族がみんな健康で元気でいられることがすごく幸せなんやなって思って。その喜びであったり気づきっていう、生きていく上で大切なことをアルバムに込めています」

ぜひ、こちらのアルバムもチェックしてみてくださいね♪

次週も引き続きゲストにお越しいただきます。

植村花菜さんの公式ホームページ