充実した医療体制の中で最期の時を過ごせるように。株式会社M-opsol・植月治人さん

「それU.K.!! ミライbridge」 後半は、 大阪・難波にあるFM大阪の中に、日曜日のこの時間にだけオープンするパートナーズカフェ。
介護・福祉・看護業界で活躍されている、普段はなかなか脚光を浴びない方々に、スポットライトをあてて主役にしていくコーナーです。

第84回目のゲストは、 株式会社M-opsol・植月治人さん。

今回はお茶の間のアイドルU.K.さん(Uちゃん)と、YouTuberユニット「介護あかるくらぶ」のきったんがお届けします!

医療に特化したサービス付き高齢者向け住宅

株式会社M-opsolの看護部長をされている植月さんにお越しいただきました。

東大阪の楠根と茨木の西都にサービス付き高齢者向け住宅を展開されていて、2021年10月には岸和田の磯上にも「パリアティブケアホームほしの岸和田」という施設をオープンされたんですよ。

パリアティブってどういう意味ですか?

パリアティブケアっていうのは、一般的に緩和ケアの業界で使われる言葉なんですが、全人的苦痛の緩和という意味です。
「苦痛がある方々に対して、身体的、精神的な面を含めて緩和していく場所」というのを施設名に込めています。

きったん「いわゆるターミナル期(終末期)、人生の最期を「自分の思ったように生きたい」というご本人さんの思いを叶えるために、医療の対応に特化した施設をされているのがパリアティブケアホームさんなんですよね。たとえば、一般的な有料老人ホームだと、利用者さんの介護度の平均が3.1とか3.5とかなんですが、この数字が高いか低いかで医療ケアの対応が変わってくるんです。パリアティブケアホームさんの場合だと、どれくらいですか?」

植月さん「今運営している2つの施設とも、介護度4.1以上は超えています」

Uちゃん「つまり誰かのケアが絶対ないといけない方々が入居されているということですね」

きったん「ほとんど要介護4とか要介護5の方が多いっていうのと、介護度が高いだけではなくて医療が必要な度合いが高い方も多いそうです」

パリアティブケアホームに入居されている方は、疾患でいうとパーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症(ALS)という神経性の難病の方々であったり、ターミナル期といわれるガンの末期の方、それ以外にも心不全や脳卒中といった疾患のを持った要介護4、要介護5の方がいらっしゃるそうです。

元ICUの看護師経験から感じることとは?

植月さんご自身も看護師さんで、以前は病院のICU(集中治療室)で勤務されていらっしゃいました。

病院や医療の知識を持ちながら、現在はパリアティブケアホームの施設長をされています。

病院とパリアティブケアホームさんを比べて、現状の体制面についていかがですか?

東大阪の施設でいうと、日勤帯で訪問看護師と施設看護師を合わせて5~6名ぐらい。
夜間帯でも、訪問看護師と施設看護師を合わせて3名配置しています。

すごいなぁ。
でも、それだけケアしないといけない人が多いっていうことでもありますよね。

Uちゃん「今はコロナ禍ということもあり厳しい面もあるかと思いますが、働いていて良かったなと思うことはありますか?」

植月さん「僕自身はICU出身だったので、元々コミュニケーションが取れない患者さんと接することが多かったんですよね。今までは声にならない声、症状であったりデータであったり、そういうところからご本人の訴えを受け取るということに気をつけていたんですが、現在のような施設にいらっしゃるのはコミュニケーションがしっかり取れる方々なので、治療という大きい目的から離れて日常生活の笑顔が見られる環境なんです。そこがすごく良いところかなと思っています」

患者さんや入居者さんの立場から見て、病院とパリアティブケアホームなどの明確な違いは何なのでしょうか?

きったん「今病院は入院期限がすごく厳しくなっていて、治療の必要がなかったら2週間とか1カ月ですぐ退院してくださいと言われたりするんですけど、パリアティブケアホームは住宅のくくりになりますのでずっといられるんですよね」

植月さん「終末期ということもありますし、対象者としては要看護期という言葉を使っています。要介護期はヘルパーさんが必要な方々というだけではなくて、看護師さんを常に必要とされる方を対象としていますので、終の棲家ではないですが、そういった場所として提供させてもらっています」

訪問看護師は“究極のジェネラリスト”

植月さんの印象的な言葉で、『訪問看護は究極のジェネラリストじゃないといけない』というのをおっしゃっていたんですよ。

スぺシャリストじゃなくて、ジェネラリスト?

看護師のキャリアの中で、スぺシャリストの道かジェネラリストの道かで分かれると言われているんです。

植月さん「スぺシャリストっていうと特定看護師っていう専門職。ジェネラリストは一般的には病棟の看護師さんですね。ただ病院では、ジェネラリストと言えど診療科があるのでそこに縛られてくるんですけど、訪問看護師というのはその科はないわけです」

Uちゃん「つまり訪問看護師さんはオールマイティじゃないといけないんですね」

だから究極のジェネラリストとして、幅広くて深い知識が必要なんです。

今まで自分が経験したことないようなことにも対応していかないといけないのが、有料老人ホームの病院と違うところかもしれませんね。

最後に植月さんからメッセージをいただきました。

植月さん「私達の使命として、“パリアティブケア”っていうのを全国に普及させていきたいと思っています。そのためにパリアティブケアナース、パリアティブケアヘルパーの育成もしていきたいので、今後も地道に活動していきたいと思っています」

植月さん、ありがとうございました!

株式会社M-opsol

YouTuberユニット「介護あかるくらぶ」

株式会社エースタイルの社員3人が結成したYouTuberユニット。介護あかるくらぶ(明るく×Love)として、介護にまつわる情報を発信。