人生最期の日を住み慣れた自宅で過ごせるように。株式会社アイリンク・乾正人さん

「それU.K.!! ミライbridge」 後半は、 大阪・難波にあるFM大阪の中に、日曜日のこの時間にだけオープンするパートナーズカフェ。
介護・福祉・看護業界で活躍されている、普段はなかなか脚光を浴びない方々に、スポットライトをあてて主役にしていくコーナーです。

第108回目のゲストは、株式会社アイリンク・乾正人さん。

今回はお茶の間のアイドルU.K.さん(Uちゃん)と、YouTuberユニット「介護あかるくらぶ」のまさZO20がお届けします!

人生の最期を迎えたい場所は“自宅”?それとも“介護施設”?

株式会社アイリンクを経営されている乾正人さんは、一体どんな方なのでしょうか?

まさZO20「元々、特別養護老人ホームで施設長をされていた方なんですけど、17年間勤められた後に、今は在宅での介護事業所を運営されているんです。特養と在宅介護って真逆の性質なのに、なぜ在宅介護に進まれたのかが深い話なので、ぜひお聞きしたいなと思っています」

自分自身が介護を受けることになったら、どこで受けたいですか?

僕はやっぱり家がいいな~。

僕は認知症が進行しているならいっそ施設に入れてほしい、っていう考え方です。
認知症じゃなく、はっきりしているなら家で過ごしたいですね。

乾さん「なるほど。人それぞれの思いがあると思うんですが、厚生労働省の調査では、自宅で介護してほしいと希望する人が男性は4割、女性は3割という結果だったんです」

Uちゃん「そんなに少ないんだ」

乾さん「ただ、『最期を迎えたい場所は?』という質問には半数以上の方がご自宅を希望されています。じゃあ実際はどうなのか?というと、約8割の方が病院などの医療機関で最期を迎えられているんですよね。その原因を探っていくと、“自宅で最期を迎える社会の介護力があれば、希望に応じて住み慣れた自宅で生活できる可能性が広がるんじゃないかな”と思って、在宅介護の仕事を始めました」

人が歳を重ねるのは“老い”ではなく、“熟成”

そんな乾さんは、会社の社長として自分の役割は“スタッフを大事すること”だと考えられているそうです。

乾さん「会社がスタッフを大事にして、スタッフが心身ともに健康に働ける環境だからこそ、スタッフは利用者さんを大切に介護することができるんだと思います。今まで地道に続けてきたことで、介護の仕事が大好きな素敵なスタッフに恵まれた事業所で仕事をすることができています」

実際に乾さんのところでは、特別な取り組みなどはあったりしますか?

私一人ではスタッフのケアが行き届かないような分野に関しては、専門家の力を借りるようにしています。
たとえばスタッフの健康問題や家庭でのトラブル、介護や育児の問題のほか、パワハラ問題などに対応できるように外部の保健師やカウンセラーによる相談サービスを取り入れたりしています。

Uちゃん「素晴らしいですね!」

まさZO20「そこまで考えてくれたらすごく働きやすいですよね。ほかにも、乾さんとお話していて印象的だったのが『人生の最後の瞬間っていうのを親が子どもに見せるのってすごく大事なことだよ』っていうお話とか、『人の人生って、“熟成”という意味でウイスキーに似ている』っていうお話があったんですよ。人が歳を重ねるのは“老い”じゃなく、“熟成”なんだって」

乾さん「介護が必要になったらあとは人のお世話になるだけ、っていうことはないと思っているんですね。ご家族がいるなら、介護を受ける姿とか最期を迎える姿を家族に見せられますよね。そういったことを家族が経験できる、っていうことはとても貴重なことだと思います。それが世代間の繋がりで、自分自身が次に介護を受けるときに大事な経験になっていくと思うんですよね」

「自分たちは介護を通じてそれを経験できる唯一無二のお仕事をさせていただいている」と乾さん。

今後の目標は、介護×バーをコンセプトにしたBarを作ることだそう。
介護に関わる人たちが集まるようにして、繋がりが生まれたり、専門職としてのモチベーションがアップする場所になればと話してくださいました。

本日は、株式会社アイリンク・乾正人さんにお越しいただきました。
ありがとうございました!

YouTuberユニット「介護あかるくらぶ」

株式会社エースタイルの社員3人が結成したYouTuberユニット。介護あかるくらぶ(明るく×Love)として、介護にまつわる情報を発信。