「それU.K.!! ミライbridge」 後半は、 大阪・難波にあるFM大阪の中に、日曜日のこの時間にだけオープンするパートナーズカフェ。
介護・福祉・看護業界で活躍されている、普段はなかなか脚光を浴びない方々に、スポットライトをあてて主役にしていくコーナーです。
第94回目のゲストは、医療的ケアを必要とする児童に対する就学支援拡充をめざす会・衛藤さん。
今回はお茶の間のアイドルU.K.さん(Uちゃん)と、YouTuberユニット「介護あかるくらぶ」のまさZO20がお届けします!
全国に約2万人以上いる「医療的ケア児」とは
本日は「医療的ケアを必要とする児童に対する就学支援拡充をめざす会」で活動される衛藤さんにお越しいただきました。
これはどういう会なんですか?
「医療的ケアを必要とする児童」っていうのは、人工呼吸器や胃ろうなどを使用し、痰の吸引や経管栄養などの医療的ケアを日常的に必要としている児童のことを言うんです。
この医療的ケア児の数が、2020年10月時点の推定で全国2万155人いるんです。
大阪府調べでいくと、大阪府だけでも1757人いると言われています。
衛藤さんの5歳になるお子さんも、この医療的ケアを必要とするお子さんだそうです。
衛藤さんは、医療的ケア児の保護者として子どもの就学に向けて色々と感じられたがきっかけで、2021年4月から活動を始められました。
医療的ケアがあっても、健常の子どもと変わらない環境で学校に行けたらいいなという思いから活動を始めることにしました。
良い制度の裏側で現場が抱える問題
大阪府は、医療的ケア児の支援に関して全国的に見てもとても進んでいるのだそうです。
大阪府では全国に先駆けて「医療的ケア通学支援事業」というのが始まっていまして、大阪府の特別支援学校への登下校の際に、医療的ケアを必要とする児童は、介護タクシーに看護師さんが同乗する形で通学をサポートしてもらえるというものなんです。
とはいえ、この良い制度にも現場レベルの問題をいくつか抱えています。
まず希望する方全員が使える制度にはなっていないんです。
衛藤さん「訪問看護事業者さんや介護タクシー事業者さんなどいろんな問題があって。この制度をまだ知らない方もいらっしゃいますし、担い手不足というのが大きな問題です。もう一つの問題が、大阪府の特別支援学校では、医療的ケアを理由とする保護者の付き添いが求められる場合があるという点です。特に高度な医療的ケア、人工呼吸器などを必要とする子どもたちの場合に求められることが多いですね」
たとえば付き添いが求められるとなると、お母さんは学校に付き添って行かないといけなくて、家で家事もしなくてはいけないのにずっと学校に居続けないといけなくなりますよね。
まさZO20「お体は一つしかないので、どう考えても負担が大きすぎるっていうのが現場レベルでの問題の一つなんですよね。地域の学校であれば看護師さんが付き添ってくれるっていうこともできるみたいなんですけど、より特性に合った教育が受けられる特別支援学校だと、看護師さんが付き添ってくれる場合とできない場合があるので、学校によってばらつきが出てしまうんです」
そういった学校による不公平をなくすには、活動の啓蒙や現状の見直しをしていかないとこの問題は大きく改善できないと言います。
子ども達が当たり前に学校に行ける環境を
医療的ケア児のために活動を続けられる衛藤さんですが、この問題をより良くしていくために、4歳から18歳までの医療的ケア児の保護者や訪問看護事業者、児童発達支援放課後等デイサービスの事業者を対象としたアンケート調査を行い、大阪府の「医療的ケア通学支援事業」や医療的ケア、学校生活について調査をされています。
健常のお子さんと同じように「保護者が離れて学校に行く」っていう当たり前の時間を過ごすことが障害のある子どもにとっても必要ですし、子ども自身の自主性を育んで大きな成長に繋がると思います。
なので、こういった時間が過ごせるような学校生活が送れるように活動を続けていきたいなと思っています。
これだけ皆さん大変な思いをされているんだなと改めて実感しました。
「医療的ケアを必要とする児童に対する就学支援拡充をめざす会」の活動については、「医療的ケア 通学支援 アメブロ」で検索、または下記リンクをぜひご覧くださいね。
衛藤さん、お越しいただいてありがとうございました!
医療的ケアを必要とする児童に対する就学支援拡充をめざす会
YouTuberユニット「介護あかるくらぶ」
株式会社エースタイルの社員3人が結成したYouTuberユニット。介護あかるくらぶ(明るく×Love)として、介護にまつわる情報を発信。