要介護1はデイサービスを何回利用できる?受けられるサービスや費用も解説

介護中の生活

ここでは、要介護1で利用できるデイサービスの回数や介護サービスの内容などについて詳しく解説していきます。

デイサービスは、要介護の状態である高齢者が専用の施設で入浴や排泄、食事などの介助を受けられるサービスです。要介護には認定のレベルがあり、条件によってはデイサービスを利用できる回数が異なる場合があります。

そこで、「要介護1の人はデイサービスを何回利用できるの?」と疑問に思っている人は少なくありません。この記事を最後まで読めば、要介護1で利用できる介護サービスの内容や頻度がわかります。要介護1によるデイサービスの利用を検討している人は、ぜひ最後までお付き合いください。

【この記事でわかること】

● そもそも要介護1とはどのような状態?

● 要介護1で利用できるデイサービスの回数

● 要介護1で利用できるサービス内容

● 要介護1の施設利用と在宅介護の費用を比較

そもそも要介護1とはどのような状態?

要介護1とは、食事や排せつなどは1人で行えるものの、運動能力や認知機能の低下などによって一部介助を必要とする状態を指します。

厚生労働省では、介護をするのにかかる時間である「要介護認定基準時間」を、要介護度別に定めています。「要介護認定の仕組みと手順」によると、認定基準時間は以下の通りです。

要介護度 要介護認定基準時間
要支援1 25分以上32分未満
要支援2・要介護1 32分以上50分未満
要介護2 50分以上70分未満
要介護3 70分以上90分未満
要介護4 90分以上110分未満
要介護5 110分以上

要介護度によって、必要とする介護時間が異なるため、受けられるサービスの内容にも差が生じます。そこで、要介護1がどのような状態なのか、以下のポイントについて解説していきます。

  • 要介護2との違い
  • 要支援2との違い

順番に解説していきます。

要介護2との違い

要介護1の人の場合、身の回りのことを自分で行えないケースがほとんどです。歩行や入浴など、生活の中で部分的なサポートを必要としています。

一方、要介護2の人では、食事やトイレ、入浴など日常生活の多くの場面でサポートが必要です。特に、身体能力が低下しており、立ち上がりや歩行の支えがなければ転倒リスクが高まります。

要介護1の人は生活の一部分のみ、要介護2では日常生活全般においてサポートが必要な状態といえるでしょう。

要支援2との違い

要介護1と要支援1は基本的な生活を1人で行うことができるものの、日常生活に部分的なサポートが必要である点は同じです。

そのため、要介護認定基準時間における介護を必要とする時間は変わりません。ただし、要介護1と認定されるには、以下の基準を満たす必要があります。

  • 認知症の可能性があると診断されている
  • 半年以内に心身状態に変化があり、要介護度が上がる可能性がある

認知症の可能性があると診断されておらず、心身の状態が落ち着いている人の場合、要支援2にとどまるでしょう。

要介護1で利用できるデイサービスの回数

要介護1の人が利用できるデイサービスの回数は、週に2〜3回ほどが一般的です。デイサービスのみ介護サービスを利用した場合は週に5回程度利用できるものの、現実的ではありません。

なぜなら、要介護1の人は日常生活の一部に介助を必要としている状態であり、デイサービス以外に訪問介護や訪問リハビリといった介護サービスも利用するからです。

ただし、利用限度が設けられているわけではなく、区分支給限度基準額を超えてしまった分は、全額自己負担で利用できます。

デイサービスの利用日数を増やしたい場合は、担当のケアマネジャーや事業者に相談し、調整してもらいましょう。

要介護1で利用できるサービス内容

要介護1の人は、日常生活の大部分を自分で行うことができるものの、部分的な介助を必要としています。利用できる介護サービスを一覧表にまとめたので、確認しましょう。

介護サービスを利用したい状況 利用できる介護サービス
在宅介護を続けたい ● 訪問介護

● 訪問入浴

● 訪問リハビリテーション

● 夜間対応型訪問介護

● 定期巡回・随時対応型訪問介護看護

施設に通ってサービスを受けたい ● 通所介護(デイサービス)

● 通所リハビリテーション

● 地域密着型通所介護

● 療養通所介護

● 認知症対応型通所介護

同じ事業所内で複数のサービスを組み合わせて利用したい ● 小規模多機能型居宅介護

● 看護小規模多機能型居宅介護

短期間のみ施設に宿泊(ショートステイ)したい ● 短期入所生活介護

● 短期入所療養介護

施設に入居したい ● 介護老人保健施設(老健)

● 介護療養型医療施設

● 特定施設入居者生活介護(有料老人ホームや軽費老人ホームなど)

● 介護医療院

小規模な施設に入居したい ● 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

● 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

● 地域密着型特定施設入居者生活介護

福祉用具を使いたい ● 福祉用具貸与

● 特定福祉用具販売

なかでも、要介護1の人が利用する可能性が高い介護サービスは以下の通りです。

  • 通所介護(デイサービス)
  • 訪問介護

上記2つの介護サービスについて解説していくので、介護サービスの導入を検討している人はチェックしてみましょう。

通所介護(デイサービス)

デイサービスとは、食事や入浴、機能訓練といった多くのサービスが受けられる日帰りの施設です。

利用者ができるだけ在宅での生活が続けられるように、運動機能や認知機能の維持・向上を目指します。必要に応じて職員がサポートするので、手助けを必要としている要介護1の人でも利用しやすいでしょう。

また、加齢に伴う体力の低下や認知症などによって、自宅に引きこもりがちになる高齢者は少なくありません。デイサービスでは、利用者が楽しみながら参加できるレクリエーションやイベントが盛んであり、楽しみながら通えます。

つまり、デイサービスは他者と交流できるコミュニティとしての役割といえるでしょう。

訪問介護

訪問介護とは、介護スタッフが利用者の自宅を訪問し、食事や入浴の介助、家事全般などを担うサービスです。

一般的な利用頻度はデイサービスと同様に、週に2〜3回程度です。要介護1の人の場合、食事や排せつなど基本的な動作は自分で実施できるケースが多く、サポートをお願いする部分は少ないといえます。

一方で、入浴介助や買い物の付き添い・代行など、自分1人で行うのが困難な部分をサポートしてもらえるので、生活の中の負担を減らすことができます。

また、「今は何とか自分で行動できる」とサービスの利用を見送る人は少なくありません。訪問介護は要介護度が上がった際、利用する可能性が高いサービスです。

相性の良い事業所や介護スタッフを探すためにも、早めに導入しておくと安心です。

要介護1の施設利用と在宅介護の費用を比較

施設の種類ごとに、1ヶ月あたりにかかる費用の目安は以下の通りです。

利用する施設サービスの種類 1ヶ月あたりにかかる費用の目安
● 在宅介護(自宅) 14~20万円程度
● 介護付き有料老人ホーム 23万円前後
● 住宅型有料老人ホーム

● サービス付き高齢者向け住宅

16~17万円程度
● グループホーム 16~17万円程度

在宅介護の場合、生活費に加えて導入した介護サービスの費用がかかります。

利用する介護サービスの頻度や回数が少ないので、施設に入居するよりも在宅介護の方が費用を押さえることも可能です。

ここからは、実際に要介護1の人がどのくらい介護サービスを利用できるのか、区分支給限度額について解説していきます。

要介護1の区分支給限度額

要介護者は、要介護度別に区分支給限度額が定められており、限度額内であれば費用の1〜3割負担で介護サービスを利用できます。

厚生労働省によると、要介護別の区分支給限度額は以下の通りです。

要介護度 区分支給限度額
要支援1 50,320円
要支援2 105,310円
要介護1 167,650円
要介護2 197,050円
要介護3 270,480円
要介護4 309,380円
要介護5 362,170円

要介護1の人では、支給限度基準額が167,650円となっており、基準額内におさまるように介護サービスを利用すれば自己負担額を抑えられます。

利用するサービスの内容や頻度はケアマネジャーに調整してもらえるので、限度額を超えないか不安に感じたら相談してみましょう。

要介護1のデイサービス利用に関するよくある質問

最後に、要介護1のデイサービス利用に関するよくある質問は以下の通りです。

  • 在宅介護の場合は福祉用具をレンタルできる?
  • 要介護1で一人暮らしの場合でも施設利用は可能?
  • 要介護1でもらえるお金はなにがある?

上記3つの質問に詳しくお答えしていくので、疑問の解消にお役立てください。

在宅介護の場合は福祉用具をレンタルできる?

要介護認定を受けている人は、必要な福祉用具をレンタルできます。要介護1の場合、レンタルの対象となるのは「手すり」「歩行器」「歩行介助杖」「スロープ」の4種類です。

「利用が必要である」と医師が認めた場合、ほかの福祉用具もレンタルできますが、市区町村への申請が必要です。そのため、ケアマネジャーに事前相談しましょう。

また、福祉用具は無料でレンタルできるものではありません。介護サービスと同様、収入に応じて1〜3割を自己負担する必要があります。

支給限度額を超えた分は全額自己負担となるので、費用を抑えたい人は注意してください。

要介護1で一人暮らしの場合でも施設利用は可能?

要介護1で一人暮らしの人でも、入居できる介護施設はあります。

自立している人や、比較的要介護度が低い人を対象とした「サービス付き高齢者向け住宅」や「有料老人ホーム」が選択肢に入るでしょう。

ただし、できるだけ費用を抑えたいのであれば、施設入居よりも在宅介護がおすすめです。

要介護1でも、介護サービスを利用したり、家族からのサポートを得たりして、一人暮らしを続ける人は少なくありません。しかし、認知機能の低下によって金銭管理や服薬管理に支障をきたしていたり、外出後に道に迷うことが多かったりするようであれば、一人暮らしを続けるのは困難といえます。

周囲から得られるサポートや利用できるサービスの内容、負担できる費用を考慮した上で、施設入居を検討しましょう。

要介護1でもらえるお金はなにがある?

要介護1の認定を受けたからといって、お金をもらうことはできません。要介護認定とは、世帯の所得に応じて1〜3割の自己負担で介護保険を利用できる制度です。

そのため、要介護度に応じてお金が支給される制度ではない点に注意が必要です。

介護1の方はデイサービス以外の介護サービスも検討しよう

要介護1の認定を受けている人は、デイサービスや訪問介護といった介護サービスを利用できます。区分支給限度額を超えないように介護サービスを利用すれば、自己負担割合を1〜3割に抑えることが可能です。

また、一人暮らしで家族からのサポートが得にくい場合や、認知症の症状によって在宅介護を続けるのが困難な場合などは、施設入居も視野に入ります。

直近での施設入居を検討していなくても、早めに施設の情報を収集しておくことで、万が一に備えられるでしょう。

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