介護施設で高齢者にレクリエーションする効果とは

介護中の生活

介護施設を選択する際には、レクリエーションを積極的に取り入れているかどうかをひとつの判断材料にすると良いでしょう。レクリエーションには、高齢者のクオリティ・オブ・ライフを向上させる効果があります。高齢者にレクリエーションをおすすめする理由について、詳しく解説します。

レクリエーションはストレス解消につながる

レクリエーションで体を動かすことは、高齢者にとって良い効果が2つあります。それは、運動不足解消とストレス解消効果です。

【運動不足解消】
加齢とともに、体力や筋力は衰えてしまいやすいです。体を動かすことを意識しないと、ますます運動機能が退化し、要介護度も進んでしまいます。しかし、レクリエーションを行うことで、楽しみながら日頃の運動不足を解消できるのです。
【ストレス解消効果】
よく眠れなかったり、体力の衰えに対して不安を覚えたりといったストレスを、高齢者は抱えています。レクリエーションで芸術に触れ、お互いにコミュニケーションできる機会を得れば、ストレス解消にもつながるでしょう。

レクリエーションをするメリット

介護施設やデイサービスで、レクリエーションを実施することは、ストレス解消のほかにもメリットがあります。

【コミュニケーションの促進】
特に1人暮らしの高齢者は、人とコミュニケーションする機会が多くありません。こういった要因で、引きこもり、老人性うつなどを招きやすくなる可能性があります。デイサービスのレクリエーションを利用すれば、定期的に外出する機会ができ、老人性うつの予防にもなります。
【脳を活性化し身体機能を向上させる】
レクリエーションでは普段使わない脳の部分を刺激し、認知症の予防や進行を遅らせる効果があると言われています。また体を動かすことで、身体機能を向上させ、寝たきりの予防にもなるでしょう。

レクリエーションをする目的を知る

以上のように、レクリエーションには多くのメリットがあります。しかし、メリットを追求することに囚われて、高齢者に無理をさせてしまってはいけません。レクリエーションの目的は、あくまでも「利用者が達成感・満足感を得ること」を第一の目的としているからです。

そして満足感や達成感は、レクリエーションの最終目的である「高齢者のクオリティ・オブ・ライフを高めること」に繋がります。心身の健康を増進し、感情を安定させることは、介護者の負担軽減にも繋がります。つまり高齢者だけではなく、その周りにいる家族の生活の質も向上させることができるのです。

レクリエーションで行われているもの

介護施設やデイサービスで、実際に行われているレクリエーションの例を紹介します。

【風船バレー】
多くのデイサービスで取り入れられている、体を動かす代表的なレクリエーションです。準備するものは以下の2つです。
  • 風船
  • 小さい鈴2個

円になって打ち合えば、車椅子の方も楽しめます。風船の中に小さな鈴を入れることで、視力が弱くなった高齢者でも無理なく参加することができるでしょう。元気な方が多い場合は、バトミントン用のネットを張って、コートを作り、3人組、4人組のチーム対抗戦で遊ぶこともできます。

【ふるさとソング・スケッチ】
脳の活性化、手先の訓練、コミュニケーション、芸術体験とたくさんの項目が盛り込まれたレクリエーションです。まず、以下のものを用意しましょう。
  • 画用紙
  • 色鉛筆、クレヨン、マジックなど
  • 動揺などの音楽CD

最初に全員で童謡を歌います。次に、その歌をイメージして1人ひとりが自由に絵を描きます。その後、また音楽を流しながらお互いの絵を見せ合うようにしましょう。

その他、音楽鑑賞やカラオケなども「一般の人がする遊びを自分もまだまだできる」と、喜ぶ高齢者も少なくありません。

いかがでしたでしょうか。レクリエーションは高齢者の心身の健康を高める効果があると言っても過言ではありません。介護施設、デイサービスなどで、レクリエーションを行える機会を増やすようにしていきましょう。