介護におけるコミュニケーションの種類とは
介護におけるコミュニケーションの種類とは

介護中の生活

コミュニケーションは「共通のものを他人と分かち合う」という意味もあります。コミュニケーションを取ることで安心感を得られ、脳が活性化するとも言われています。今回は介護におけるコミュニケーションの取り方や、種類について紹介します。

言葉によるコミュニケーション

介護面で言葉によるコミュニケーションを苦手とする人も珍しくありません。特に認知症の方は、言葉で伝えたくても伝える言葉が分からなくなる場面も多くあります。そのため、介護者も何が言いたいのか分からずに、言葉によるコミュニケーションに苦手意識を持ってしまいがちなのです。

しかし、アメリカの心理学者「アルバート・メラビアン」が提唱している「メラビアンの法則」では、何かを伝えようとする時は言葉から7%、声の調子から38%、表情や姿勢、ジェスチャーから55%という割合で相手に伝わると言われています。確かに、同じ「おはよう」という言葉でも声の調子によって「機嫌が良い」「機嫌が悪い」と伝わってきます。

そのため、言葉を重視せず言葉遣いや会話の仕方に重きを置いた考えを持ちましょう。

言語的コミュニケーションのコツ

言語的コミュニケーションは、やり方を間違うと相手を傷つけたり怒らせたりします。そこで、言語的コミュニケーションのコツについて紹介します。

・挨拶
良好な人間関係を築くためにも、生活の節目で挨拶をすることは大切です。自然な笑顔や明るい印象で挨拶をすることで、要介護者も話しやすくなるからです。
・言葉遣い
要介護者は高齢者がほとんどです。そのため、介護者は必然的に年下になります。親しき仲にも礼儀ありという言葉があるように、言葉遣いには気をつけましょう。過剰な親しみは「なれなれしい」という印象を与えるので、敬語と常語を臨機応変に使い分けることが大切です。
・肯定的な言葉
たとえ、相手が間違っていても「ダメ」という否定的な言葉は避けましょう。すべて「ダメ」と否定するのではなく「任せてくれると嬉しい」など肯定的な言い方に変えるだけで、結果は同じでも気分が違ってきます。
・話の内容
相手が話したくなるような話題を振ることで会話が弾むようになります。話題を共通することで、脳を活性化させてくれます。

コミュニケーションは言葉だけではない

先述したように、コミュニケーションには表情や目線、姿勢、動作などもあります。これは、非言語的コミュニケーションと呼ばれます。介護現場では、主に非言語的コミュニケーションを使ってメッセージを伝えあっています。例えば、欲しいものを指さすという行為も非言語的コミュニケーションのひとつです。

言葉によるコミュニケーションも大切ですが、非言語的コミュニケーションを意識することで、相手に思いが伝わりやすいのも事実です。特に、要介護者の中には上手く話せない人も珍しくありません。そういった方たちを介護する場合は、非言語的要素を意識するクセをつけなければいけないのです。

非言語コミュニケーションの方が大切

介護現場では、言葉以外のコミュニケーションの方が分かりやすいと答える人もいます。特に、表情や目線、動作などは要介護者の現在の気持ちを強く出す部分です。言葉を使ったコミュニケーションでも、身振り手振りをすることでより強く相手に伝えることができるのではないでしょうか。

ただ、非言語的コミュニケーションの中で「相手に近づきすぎる」と圧迫感や緊張感を与えてしまいます。適度な距離を保って、コミュニケーションを取りましょう。

要介護者にとって、非言語的コミュニケーションは自分の意思を伝える大切なものです。介護者も慣れていくことで、その人がどんなことを望んでいるのか分かるようになります。コミュニケーションの取り方は、決して難しく考えないことが大切です。それぞれの種類を上手く使っていきましょう。