介護における問題行動とは
介護における問題行動とは

介護の問題・トラブル

高齢者の介護をするのであれば、高齢者が起こしがちな問題行動について知っておく必要があります。高齢者の問題行動について知識を身につけることで適切な対応ができますので、トラブルを最小限に抑えることができるのです。高齢者の問題行動によって介護に対する自信を失ってしまうことも考えられますが、知識さえあればそのような心配を減らすことができるでしょう。こちらには高齢者の問題行動についての情報を集めましたので、これらの情報を参考にしてください。

高齢者はせん妄をよく起こす

高齢者は意識障害を起こすことがありますが、これによってせん妄が引き起こされることがあります。高齢者の15%~50%が専門を起こすとされており、介護者はせん妄について知っておくべきでしょう。せん妄の症状として、幻視や妄想、興奮状態などがあります。

これは意識障害によって頭が混乱したことで起こり、認知症のような症状を見せることもあるのです。具体的には、集中力が無くなる、出来事を忘れてしまう、自分がどこにいるか分からなくなる、会話が噛み合わなくなるなどの例が挙げられます。

せん妄は急に発生するもので、しばらくすると収まります。また、日中は問題無かったとしても、夕方や夜間になるとせん妄を起こしやすくなるのです。認知症と混同してしまいますが、せん妄の場合は意識がはっきりしていません。せん妄は、症状が突然起こるという特徴もあるため、これらによって認知症との違いが判断できるでしょう。

認知症に多い問題行動・徘徊

認知症になった高齢者の問題行動のひとつに徘徊があります。これは勝手に歩き回ることで、家の中だけでなく外を歩き回ることもあるのです。周囲から見ると勝手に歩いているようなイメージがありますが、本人は目的を持って歩き回っているのです。

徘徊が起こる原因は、ストレスや不安が影響していると考えられます。本人が現在置かれている環境に対し、居心地の悪さや不安を感じると、その場から抜け出して安心できる場所へ帰りたいと考えるのです。そのため、認知症の高齢者は徘徊をしてしまいます。歩き出したものの途中で目的を忘れてしまい、結果的に歩き回るだけになるのです。

徘徊を起こしてしまったとしても、そこで怒ってはいけません。怒ることで行動を制限されてしまうので、本人はカッとなって暴力を振るうこともあるのです。「お茶を入れたので休んでいってください」などの声をかけ、気をそらすことをおすすめします。

物盗られ妄想への対処法

認知症になってしまうと、物盗られ妄想を起こすことがあります。これは、自分の物を盗まれてしまったという妄想です。多くの場合は、自分の物忘れが原因となっているのですが、無くなった時点で「盗まれた」と判断してしまいます。物盗られ妄想は、女性の認知症に多く見られる症状で、身近な人を疑う傾向にあるのです。これは家族だけでなくヘルパーさんに対して疑いをかけることもあります。

物盗られ妄想を起こしてしまったら、まずは落ち着いて相手の話を聞くことが大切です。そこで「盗まれていない」と言っても聞き入れてもらえません。仮に自分が疑いをかけられていたとしても、そこで言い合いをしないようにしましょう。これによって本人の不安が解消されます。そして、一緒に探すことを提案してください。見つかった場合は「ここにありましたよ。良かったですね」などの肯定的な言葉をかけるようにしましょう。このような対応をすることで、物盗られ妄想は収まります。

高齢者はさまざまな問題行動を起こします。せん妄、徘徊、物盗られ妄想などが代表的な問題行動ですが、それぞれに対処方法がありますので落ち着いて対応しましょう。深刻に考えてしまうと、介護する側が疲れ切ってしまいます。上記で紹介した問題行動の対応方法を集めましたので、参考にしてみてください。