増加する成年後見人トラブル
増加する成年後見人トラブル

介護の問題・トラブル

成年後見人とは

成年後見人を説明するためには、成年後見制度を知る必要があります。この成年後見制度とは、認知症や精神障害などによって判断能力が不十分な方々が不利益を受けないために、家庭裁判所に申請してその方々を保護または支援してくれる人(成年後見人)を付ける制度です。

例えば、認知症の高齢者が訪問販売者から必要のない高額商品を買ってしまったとしても、成年後見人がついていればその契約を無効にすることができます。

現代の日本では超高齢化社会が進み、認知症の方が増えている現代では、とても必要とされている制度だと言えます。この成年後見人がいることによって判断がきちんと出来ない方の救済が出来る仕組みです。

成年後見人のトラブル実態

最高裁判所の調査によりますと、2011年から2015年の5年間において、後見人による横領などの不正の被害額が少なくとも213億円に上ることが明らかになっています。5年間で200億円を超える被害があるというのですから、この成年後見人のトラブルは注意せざるを得ないのではないでしょうか。1年間の平均に直しますと被害額は約43億円にもなります。

しかしながらその被害のほとんどは親族後見人によるものです。親族後見人による不正は被害額全体の94%(年平均約40億円)となっています。この点を考えると親族による横領が非常に多いことについても問題です。他方、専門職による不正は全体の6%(同、約2億円)です。また、1件あたりの被害額としては、親族後見人による被害が約700万円で、専門職が約1,200万円となっています。

このように被害は実際には身内から行われているのは嘆かわしい事実です。しかしながら、やはりお金にまつわる問題であるせいか、身内であったとしても横領を行なってしまうようです。この問題を守るためにはしっかりとした法整備、ルールによる規制が求められます。