老人ホーム・介護施設・介護サービスの種類
はじめに
家族が有料老人ホームに入居する場合、住民票はどうすれば良いのでしょう?
現住所と別の地域のグループホームにも入居できるのでしょうか?
施設の入居を検討する上で、意外と知られていないのが住民票や住所変更です。
今回は老人ホームに入居する場合の住民票の扱いについて、グループホームと住民票について、さらには介護施設への転居の際、条件によっては介護保険などの費用を抑えられる「住所地特例制度」の特徴について解説いたします。
老人ホームへの入居…住民票はどうすればいい?
原則として住民票はお住いの場所(老人ホーム)に住所変更してください。
ただし、例外として住民票を移さないケースもございます。
例外的に住民票を移さなくても良いケース
・転居先に住むのが1年未満の場合
・本拠地が変わらない場合
例えば短期間の単身赴任や、卒業後に実家(本拠地)に戻る前提での学生生活などが例外に当たります。
老人ホームの入居に関しても短期入所など例外に当てはまる場合がございます。
グループホームと住民票
グループホームとは
グループホームは認知症ケアに特化した施設です。
専門の介護スタッフのサポートのもと、認知症高齢者が少人数で共同生活を送ることで、認知症の進行緩和を目的としています。
>>>グループホームの基本情報を知りたい方はこちら
>>>グループホームと有料老人ホームの違いについてはこちら
他の市町村のグループホームに入居できる?
グループホームの入居には同じ市町村の住民票が必要です。
したがって、お住いの地域と違う自治体の施設には入居することができません。
グループホームのように、地域密着型サービスを提供する介護施設への入所には、施設と同じ自治体の住民票が必須になります。
遠くに暮らす親を自宅近くのグループホームに入れたい場合は?
親御さまの住民票をグループホームと同じ市町村に移す必要があります。
ただし、自治体によっては、住民票を移してから一定期間が過ぎないとグループホームに入居できない場合があります。
入居を検討している場合は、その施設や市役所などに早い段階で問い合わせることをオススメします。
>>>グループホームの費用についてはこちら
>>>良いグループホームの見分け方についてはこちら
住所地特例制度
さて、別の地域の老人ホームに引っ越す際、現在お住いの市町村よりも、転居先の方が介護保険などの費用が高くなる場合がございます。
別の自治体の老人ホームに転居しても、今までと同じ金額で保険の給付を受けたい。
そういった時に役に立つ制度が住所地特例制度です。
住所地特例制度とは
住所地特例制度とは、老人ホームに転居して別の地域に住民票を移した後も、以前住んでいた市町村に保険料を支払い、介護保険の給付を受けることができる制度です。
介護保険は、住民票がある市町村に保険料を支払い、介護保険給付を受ける仕組みで成り立っています。
しかしその場合、介護施設が多い市町村の負担が大きくなってしまいます。
住所地特例制度はそういった財政負担を解決するために生まれた制度です。
住所地特例制度のメリット
現在の所在地の方が、転居先の市区町村よりも介護保険・国民健康保険・後期高齢者医療制度の金額がかからない場合、費用を安く抑えることが可能です。
住所地特例制度のデメリット
転居先の方が保険の費用負担が少ない場合、この制度を利用するメリットはございません。
また、介護施設の入所ために転居する方が対象ですので、一般住宅への引っ越しは制度の対象外になります。
住所地特例制度の対象
下記の対象者が対象施設に入所した場合、住所地特例制度が適用されます。
住所地特例制度の対象者 | 住所地特例制度の対象施設 |
・65歳以上の方 ・40歳以上65歳未満の医療保険加入者 (要支援・要介護度など介護認定がない自立の方も対象者に含まれます) |
・介護付有料老人ホーム ・住宅型有料老人ホーム ・サービス付き高齢者向け住宅(※) ・特別養護老人ホーム ・養護老人ホーム ・介護老人保健施設 ・介護療養型医療施設 ・ケアハウス |
※サ高住は「特定施設入居者生活介護の指定を受けている」「有料老人ホームに該当するサービスを提供している」「契約が利用権方式」など条件に該当する場合に限ります。
対象施設について詳しい情報を知りたい方は、市のホームページなどをご参照ください。
住所地特例制度の手続き
住所地特例制度が適用される場合、所定の手続きを行います。
手続きには「住所地特例適用届」と「転出前の住所が記載されている介護保険被保険者証」が必要になります。
市町村によって手続きの方法が異なることがございますので、住所地特例制度を利用したい場合は、市役所の高齢福祉課などの担当窓口や、転居先の施設に必ずご相談ください。