認知症患者を在宅介護する時の注意点

認知症の全知識

認知症患者の在宅介護は、通常の介護とは違った点で注意や配慮が必要です。高齢であれば身体的な配慮をした介護もしなければなりません。まずは高齢者の認知症患者についての知識を身につけましょう。知識があることで、必要以上に不安になることを避けられます。ここでは、高齢者の認知症患者についての知識と介護について解説します。

介護疲れしない工夫をする

自宅で認知症患者の介護をする場合は、家族にとって体力だけでなく精神的にも負担がかかります。ストレスが溜まれば、心と共に体に悪影響を及ぼし、体調を崩すことになってしまいます。介護疲れをしないためには、方法に工夫が必要です。

大切なのは、一人ですべてを抱え込まないことです。認知症の症状は人によっても異なります。時には予想もつかない行動をしたり、言葉を発したりします。認知症に対する知識をつけた場合でも、一つひとつの言葉に傷ついたり悩んだりすることは多いでしょう。悩みをずっと抱えていると、ストレスになってしまいます。一人で抱え込まないためには、知人や家族をはじめ、地域の相談窓口を利用するとよいでしょう。また、介護施設のなかには、相談を受け付けているところが多くあります。まずは悩みを話してみるようにしましょう。

相談内容によっては、介護サービスの利用や介護教室のほかに、同じ境遇の人とコミュニケーションを取れる場を紹介してくれる場合があります。これらを利用して、介護疲れを少しでも軽減するようにしましょう。

認知症患者への対応に気をつける

認知症患者への対応のポイントは怒らないことです。特に怒鳴ったりプライドを傷つけるような言葉を発したりしないことが大切です。自分の存在を否定されたと感じさせないように、相手の言葉は否定せずに、肯定するようにしましょう。

認知症の対応は、相手の言葉に耳を傾けて、穏やかに対応することが重要です。叱ったり、何度も言い聞かせるような姿勢を取っていたりすると、反感をかってしまうので注意が必要です。

生活パターンを変えないようにする

生活環境や生活パターンを変えると、認知症患者の場合は落ち着かなくなったり、戸惑ってしまったりすることがあります。特に認知症患者の方は、生活環境に敏感です。カーテンや物の置き場所が変わっただけでも、自分の置かれている状況が認識できず、不安になってしまうのです。まずは、身の回りの環境がいつもの場所と同じであることを、気づかせてあげましょう。もし変える必要があるのであれば、安心していられる居心地のいい場所だと認識させるように、少しずつ生活環境を変えていきましょう。

また、日常生活のペースを認知症患者に合わせることも重要です。意識して孤独にさせないよう、会話をするようにしましょう。孤独にしてしまうと不安になってしまい、認知症の悪化にもつながります。

全部をやろうとしない

認知症だからといって、自分の世話が何もできなくなるわけではありません。認知症であっても、自分で身の回りのことができる人は大勢います。その際は、手を貸さずに見守ることが大切です。時間がかかっても本人ができることは、任せるようにしましょう。こちらからは、できないことだけに手を貸すと負担軽減につながります。できないことや危険なことについてはサポートをして、それ以外は見守る姿勢を心がけましょう。

認知症患者の在宅介護は、精神的にも負担が大きいものです。少しでも認知症患者への対応方法を把握して、不安や孤独を取り除くことで、居心地のいい環境づくりを心がけましょう。長く介護を続けていくためには、すべての世話を一人でやろうとせずに、家族や介護サービスを利用して負担を軽くすることが大切です。