
老人ホーム・介護施設の費用・料金
はじめに
認知症のご家族や親御さまの入居先として検討されるのが「グループホーム」です。
しかし、お金のことってあまり分かりませんよね。
ここではグループホームの費用や、在宅介護でも利用できるショートステイ、他の介護サービス施設との費用の違いなど、気になるポイントを詳しく解説していきます。
グループホームとは
グループホームは認知症高齢者が5~9人の少人数で共同生活を送れる施設です。
施設と同じ地域に住民票がある「65歳以上」「要介護2以上」の認知症患者を対象とした地域密着型のサービスで、認知症の専門知識を持った介護スタッフと共に、入居者同士で交流を深めながら穏やかな暮らしができる点が特徴です。
入居にかかる自己負担費用
他の多くの有料老人ホームと同じく「入居一時金」と「月額利用費」が必要です。
入居にかかる費用を大きく分けると下記の表のようになります。
初期費用 | 月額利用費 | |
入居一時金 | 介護サービス費 | 生活費 |
ここからは項目ごとに見ていきましょう。
入居一時金
賃貸の「敷金」にあたる初期費用のことです。
相場としては数万円~20万円ほどですが、中には入居一時金が無料の施設や、100万円以上かかるケースもあります。
敷金と同じように、退去時には一部が返還されます。ただし各施設によって償却期間や償却率が違うため、入居期間が何年間ならいくら還ってくるのか、事前に確認しておくと良いでしょう。
月額利用費
入居後にかかる月額費用です。
費用は「介護サービス費」と「生活費」の2つに分けられます。
目安として費用相場は20万円ほど必要になることが多いようですが、サービス内容や施設の充実度や立地、部屋の広さなどによって金額が変わります。
介護サービス費
介護保険により介護サービス費の7~9割が国や自治体の負担になります。
よって介護サービス費の1割(所得に応じて2割または3割)が自己負担額になります。
介護サービス費は要介護度や看取りへの対応やリハビリ、夜間支援体制加算など、細かな条件や施設に応じて変わります。
生活費
入居者の生活にかかる費用が生活費です。
生活費の内訳は「賃料」「食事代」「管理費」「水道光熱費」「その他」になります。
その他は散髪などの理容費、おむつ代、娯楽費用などです。
在宅介護でも利用できる「ショートステイ」の魅力
空き室を利用して、30日以内の期間だけグループホームを利用できるのがショートステイです。
ショートステイを利用することには、認知症高齢者を在宅で介護するご家族が十分な休養を取り、負担やストレスを軽減できるメリットがあります。
また、グループホーム入所希望者が施設の内情を知る手段としても活用もできます。
ショートステイの費用
グループホームの月額利用費と同じく、費用の内訳は「介護サービス費」と「生活費」です。
しかしショートステイの場合は、通常入所と比べて介護サービスが少し割高になります。
希望するグループホームの利用料金を30で割って1日あたりの利用料を算出し、1日あたりの利用料にショートステイの日数を掛けることで、費用の目安を計算できます。
正確な利用料を知りたい場合は、ご希望の施設に直接問い合わせることをお勧めします。
他の介護サービス施設との料金比較
特別養護老人ホーム
自立した生活を送れない要介護者の受け入れをしているのが特別養護老人ホーム(特養)です。
特養は5万円前後の月額費用で利用可能で、初期費用も一切かからないことが特徴です。
ただし、特別な事情がない限り、要介護3以上が入居の条件になります。
有料老人ホーム
有料老人ホームには3つの種類がありますが、認知症で入居できるのは主に介護付き有料老人ホームになります。
施設によりますが、入居一時金・月額利用費共にグループホームより高額になる傾向があります。
また、グループホームほど手厚い認知症ケアを受けられない場合や、認知症の症状によっては退去要件にあたる可能性があります。
>>>グループホームと有料老人ホームの違いについて詳しく知りたい方はコチラ
サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は介護の必要がなく、比較的元気で身の回りのことが自力でできる高齢者向けの賃貸物件です。
費用に関してはサ高住によって異なります。
認知症高齢者はサ高住の入居が難しい場合が多くありますが、受け入れを行っている施設もあります。
グループホームの次の選択肢
医療体制が整ったグループホームでは看取りサービスが可能な施設もあります。
しかし、そうでない施設の場合、グループホームの次の選択肢を見据えなければなりません。
転居先としては以下の候補があります。
・家族との同居
・病院などの医療機関
・介護老人保健施設
・特別養護老人ホーム
・重度要介護者や認知症高齢者も受け入れ可能な介護付き有料老人ホーム
同居や医療機関を除いて、施設の中では特別養護老人ホームが費用を安く抑えられます。
ただし、入居待ちが多いため、退去後すぐに移ることは難しいかもしれません。