高齢者が運動不足で病気ならないための運動
高齢者が運動不足で病気ならないための運動

高齢者への支援のポイント

高齢者の運動不足は深刻な問題です。高齢になれば運動をする気力も機会も少なくなりますが、体を動かす機会が減ることで、筋肉が衰えて転倒などの事故を起こしやすくなるとともに、病気にかかりやすくなります。高齢者の運動の重要性と解消法について紹介しましょう。

運動不足が原因でフレイルに

フレイルという言葉を聞いたことがあるでしょうか? フレイルとは、筋力の低下、活動量の低下、歩行速度の低下、易疲労性、体重減少のうち3つ以上が該当する状態です。

加齢とともに体の筋力や運動機能は低下します。そのため、病気やケガをしやすくなり、精神的ストレスなどにも弱くなります。フレイルを放置しておくと、さらに身体機能が低下して介護が必要になる場合もあります。

年をとると、膝や腰が痛い、外出することも面倒になるなどといったことから、体を動かす機会も減少します。わざわざスポーツジムに行って運動をするのもおっくうになってしまと、さらに身体機能は低下してしまうでしょう。高齢者の運動不足はフレイルを招きやすいのです。

運動することでフレイル防止効果へつながる

フレイルの状態にならないためには、運動をすることが必要です。高齢による筋肉の衰えや骨、関節、筋肉が本来の動きをしなくなると、フレイルになりやすくなります。運動をすることで、筋力の低下を防ぎ、関節や骨のトラブルを減らすことができるのです。

ストレッチや筋力トレーニングは、膝の痛みや腰痛などの予防にもつながります。また、心肺機能を高められるので、風邪などをひきにくくなるでしょう。

運動はストレス解消にもなります。気分がリフレッシュし、体力がつくことで、心もスッキリして行動力も高まるでしょう。気力が出れば、自分ができる仕事をしたり、趣味を楽しんだり、仲間と一緒に活動したりすることもでき、生活の質が高まるはずです。

運動不足で筋内脂肪がつく原因になる

高齢者になると、日常の中で普通にできていた体の動きができなくなることがあります。イスに座ったり、立ち上がったりするという当たり前にできていた動作ができなくなる、ということもあるでしょう。それができなくなるというのは、筋内脂肪が溜まっているから、と言われています。

筋内脂肪が溜まることで、筋肉量の低下、特に脚の筋肉の衰えに影響するということが明らかになりました。さらに筋内脂肪が増えると、糖尿病のリスクも高まります。

筋内脂肪は運動不足が原因です。運動不足は肥満の原因ともなり、さらに筋内脂肪の増加につながります。筋内脂肪を増やさないためにも、運動をする習慣をつけることが必要です。ご家族の方は一緒に運動するなどし、高齢者の方の運動習慣づくりを手助けしましょう。

デイサービスで運動不足解消

運動は、筋内脂肪の増加を防ぐとともに、運動機能の低下を防ぐことにもつながります。しかし、高齢者が運動をする機会や場所を探すのも大変です。そこで、デイサービスの利用をすすめてみるのもよいでしょう。通常のデイサービスでもレクリエーションなどで体を動かす時間はありますが、高齢者の体力や筋力の低下を防ぐことを目的としたプログラム実施している施設もあります。

専門的なプログラムを設けたデイサービスでは、運動前の準備運動から始まり、グループで体を動かすカリキュラムを組んでいます。機能改善を目的とした歩行や筋力トレーニングなども行います。専門のトレーナーが適切な指導をしてくれるので、効果も期待できるでしょう。体調管理もしてくれるので、安心して運動をすることができるのもメリットです。

運動不足になった高齢者は、次第に身体を自由に動かせなくなっていきます。加齢による筋力の低下や運動機能の低下により筋内脂肪を増やし、将来的には寝たきりになってしまうかもしれません。デイサービスなどを利用し、適切な指導のもと定期的に運動をしてもらうように、ご家族の方から促してあげましょう。